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第23回 山本周五郎賞決定発表

小説新潮 2010年7月号

(毎月22日発売)

特別定価901円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2010/06/22

発売日 2010/06/22
JANコード 4910047010701
定価 特別定価901円(税込)

【第23回 山本周五郎賞決定発表】

◆貫井徳郎/『後悔と真実の色』(抄録)
──惨殺された女性には右手の人差し指がなかった。捜査一課の西條は連続殺人鬼に迫るが…。謎と戦慄の序章

受賞第一作/愛猫家

◆道尾秀介/『光媒の花』(抄録)
──年上のあの人と私との秘密。淡い恋心と父の自殺。三十年前の封印した記憶が甦る。第一章を全文掲載!

受賞第一作/埋火

【選評】浅田次郎/北村 薫/小池真理子/重松 清/篠田節子

【歴代受賞作家短編競演】

◆帚木蓬生/名簿
──敗戦後、ソ連軍に抑留されても、私には軍医としての意地があった

◆重松 清/みちしお
──生まれてくる赤ちゃんと母の死。フミの中で二つの命が交差する…

◆荻原 浩/上海租界の魔術師
──ごくつぶしのマジシャンだった祖父にも、魔法に満ちた時代があった

◆宇月原晴明/足利義鳥の最期
──室町幕府第25代将軍の封じられた昔日の姿。賊軍総大将の正体とは

◆伊坂幸太郎/濡れ衣の話
──息子を殺した女に遭遇したのが、全ての不運の始まりだった──

【乱入! 三島由紀夫賞作家】

◆舞城王太郎/You Ain't No Better Than Me.
──突如現れた幼馴染みは、幼い娘を俺に押しつけ、謎と共に消えた

◆佐藤友哉/666のワッペン
──過去の呪いはオレを逃さない。血の匂いがかつての獣を呼び醒ます

【山本賞作家強力連載陣】

◆今野 敏/転迷 隠蔽捜査4
──事件が続く大森署。対応を迫られる竜崎の元に驚くべき知らせが

◆佐々木 譲/警官の条件
──闇社会の勢力図に異変が──和也は薬物ルートの急変を追う

◆貫井徳郎/灰色の虹
──相次ぐ不審死は、七年前に殺人犯とされた男による復讐なのか

◆宮部みゆき/ソロモンの偽証
──学校内裁判二日目。検察側の証言が大出被告を追い詰める!

【新連載スタート】
◆山本一力/べんけい飛脚
──加賀藩の運命を背負い、街道を駆けた男達がここにもいる──飛脚宿浅田屋の当主が古書の中に見つけた、もう一つの『かんじき飛脚』

【連載第二回】
◆西村京太郎/阪神間三十六・九キロの殺人
──デザイナーの妻を殺害された尾西。十津川は彼の証言に疑問を抱く

【集中連載 最終回
◆宮木あや子/ガラシャ
──キリシタンとしての平和な日々は短かった。細川幽斎が語る玉子とは

【連載エッセイ】
柴門ふみ/大人の恋力
酒井順子/徒然草REMIX
佐藤 優/落日の帝国 私のイギリス物語
山田詠美/ライ麦畑で熱血ポンちゃん
河口俊彦/盤上の人生 盤外の勝負

【好評連載小説】
赤川次郎/子子家庭のヴァージンロード 前編
あさのあつこ/たまゆら
荒山 徹/蓋島伝――長宗我部元親秘録
飯嶋和一/星夜航行
池井戸 潤/鋼のアリス
石田衣良/明日のマーチ
大沢在昌/冬芽の人
白川 道/神様が降りてくる
谷村志穂/尋ね人
楡 周平/虚空の冠

【12ヶ月連続 総天然色付録】しゃばけ花札

第七回「新潮エンターテインメント大賞」募集要項
川柳うきよ大学/小沢昭一
次号予告

編集長から

豪華絢爛歴代受賞作家の競演
 今年で23回目を迎えた山本周五郎賞は、甲乙付けがたいという選考会での一致した見解のもと、二作同時受賞となった。受賞者の貫井徳郎氏も、道尾秀介氏も、このところ立て続けに賞を受け、まさに飛ぶ鳥を落とす勢い。取材や執筆にお忙しいであろう時期に、受賞第一作を頂戴できたことはとても嬉しい。
 特集は、帚木蓬生氏、重松清氏、荻原浩氏、宇月原晴明氏、伊坂幸太郎氏という歴代受賞者が、中短編の競作で登場。長編を連載中の、佐々木譲氏、今野敏氏、宮部みゆき氏もまた、山本賞の受賞者である。また、純文とエンターテインメントを行き来して活躍中の、舞城王太郎氏、佐藤友哉氏という三島賞作家が、この企画に乱入! 豪華絢爛、現代エンターテインメントの最前線をご堪能いただきたい。更に更に、新連載は山本一力氏の『べんけい飛脚』がスタート。今月も充実のラインナップでお届けする。


小説新潮編集長 新井久幸

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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