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池波正太郎没後二十年【「剣客商売」再入門】

小説新潮 2010年12月号

(毎月22日発売)

926円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2010/11/22

発売日 2010/11/22
JANコード 4910047011203
価格 926円(税込)

池波正太郎没後二十年【「剣客商売」再入門】

「剣客商売」シリーズ最初の作品が掲載されたのは、小誌の昭和四七年一月号だった。爾来、平成元年に連載された『浮沈』まで、十八年にわたって書き継がれる人気シリーズとなる。何度も映像化されているので、そちらでご存知の方も多いかもしれない。
一方、映像でだけ知っているとか、名前は知っているが実は読んだことがない、という方もあるだろう。それは、もったいないことであると同時に、幸せなこととも言える。これから「剣客商売」を一から読めるとは、なんと羨ましいことなのだろう。
今回は、『「剣客商売」再入門』と題し、作品世界を案内する特集を組んだ。この特集が、これから読む人にはもちろん、既に読んでいる方にも、新たな楽しみを発見する呼び水となってくれたらとても嬉しい。

中 一弥「剣客商売」イラストレーション2010

◆末國善己/理想の“大人”として死ぬために
──「剣客商売」を読もう。“良き老い方”の指針の宝庫だからだ

◆西村 淳/美味いものに香りあり
──遠き江戸に暮らす剣客と、南極料理人の少年時代に共通する香りとは

◆嶽本野ばら/人間国宝と田螺汁と剣客
──時代小説、ニガテなのに……。恐る恐る頁をめくってみると

◆能村庸一/江戸を撮る、粋に映す
──原作の世界を守るため、代々受け継がれてきた池波さんとの約束

◆田村邦男/最後の銀座
──銀座散歩に食べ歩き。元小誌写真家が語る思い出の日々

シリーズ全作完全読破リスト

【特別付録】「剣客商売」散歩地図

【時代小説 年忘れ】

◆加藤 廣/蛍大名の変身
──淀君への意趣返し!? 関ヶ原の帰趨を変えた、京極高次の大芝居

◆諸田玲子/鷹は知っている お鳥見女房
──再び御鳥見役に引っ張り出された伴之助。あろうことか、鷹が逃げた!

◆安住洋子/夕虹 小石川診療余話
──難治の患者、倒れた母――若き医師・淳之祐が立ち会う、最期のとき

◆犬飼六岐/時今也長屋旗揚
──借金の形に売られるおいと。長屋の面々は金子を工面しようとするが…

◆西條奈加/師走の雑煮
──「鱗や」を訪れた謎の隠居。まさか、店の先代の味を知っているのか?

◆田牧大和/鬼の灯
──幻一味がとうとうお縄に? 噂の出処は蟻の這い出る隙もない場所で

【独占 ガン闘病告白】
◆団 鬼六/残日録・晩秋――我もまた死刑囚
──発病から一年。老残の作家は〈殺生関白〉の末期にわが身を重ね

【好評読切連載】
◆平 安寿子/コーヒー、もう一杯
──みるみる減っていく資本金。開店準備は不安と焦りのスパイラル

【連載エッセイ・コラム】
酒井順子/徒然草REMIX
佐藤 優/落日の帝国 私のイギリス物語
沢木耕太郎/春にはならない ポーカー・フェース
山田詠美/ライ麦畑で熱血ポンちゃん

【江戸のもてなし】
巻頭グラビア/福田 浩・松下幸子
連載エッセイ/松井今朝子

【好評連載小説】
あさのあつこ/たまゆら
荒山 徹/蓋島伝――長宗我部元親秘録
飯嶋和一/星夜航行
池井戸 潤/鋼のアリス
石田衣良/明日のマーチ
今野 敏/転迷 隠蔽捜査4
佐々木 譲/警官の条件
小路幸也/荻窪 小助川医院
白川 道/神様が降りてくる
谷村志穂/尋ね人 最終回
西村京太郎/阪神間三十六・九キロの殺人 最終回
楡 周平/虚空の冠
原田マハ/夢をみた J'ai reve
宮部みゆき/ソロモンの偽証
山本一力/べんけい飛脚

第七回「新潮エンターテインメント大賞」募集要項
川柳うきよ大学/小沢昭一
編集後記

【12ヶ月連続 総天然色付録】しゃばけ花札

編集長から

江戸を歩く
 幾多の名作を残した時代小説の巨人、池波正太郎。今年は、没後二十年にあたる。代表作の一つ、『剣客商売』は、小誌が主な発表媒体だった。シリーズ最後の作品である「浮沈」は、平成元年に連載されている。つい最近だな、とお感じになる方もいらっしゃるかもしれない。映像化も何度か行われているし、そちらで記憶されている方も多いだろう。
 だが、まだ読んだことがない。あるいは、前に読んだけど、最近は読み返していないなあ、という方もいるかもしれない。
 そこで、今回は「『剣客商売』再入門」と題し、作品世界を案内する特集を組んだ。連載当時の挿絵画家で、99歳の現在も現役の画師、中一弥氏の書き下ろし挿画から始まり、作品中に登場する場所、池波正太郎縁の地などが描き込まれた地図、シリーズ全作リストなど、初読の方も、再読の方も、新しい楽しみが発見できるはずである。
 特に、現代編、江戸編と裏表で構成されている地図は、読書の傍らで、あるいは散歩のお伴で、色々な場面でお役に立てるのではないかと思う。

 時代小説の特集と併せ、年末年始に、ゆっくりと読書を楽しんでいただければ幸いである。


小説新潮編集長 新井久幸

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