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【特集】大人のための学園小説 チャイムの音を聞きながら

小説新潮 2011年6月号

(毎月22日発売)

特別定価1,047円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2011/05/21

発売日 2011/05/21
JANコード 4910047010619
価格 特別定価1,047円(税込)

【特集】大人のための学園小説 チャイムの音を聞きながら

学校というのは不思議な場所だ。
教師という例外を除けば、誰もが数年でその場を通り過ぎてゆく。だが、卒業する人間がいれば入学する人間もいて、学校には常に一定の年齢層が留まり続ける。思春期、青春期のみが抱える一種異様な熱を、学校は常に蓄え続けている。
卒業後、懐かしさに駆られて顔を出した折、既に他人の物となった学校の姿に失望したり、知らず歳を取った自分に愕然としたりするのは、それと無縁ではないだろう。
渦中にいなければ分からないことがあるように、過ごしてからでないと気付かないことも多い。
卒業から遥かに時を経たからこそ、新たに楽しめる学園物の魅力があるはずだ。そう考えて、今回の特集を企画した。

◆窪 美澄/星影さやかな
──僕は今日、みひろに好きだと告白する。弟の裕太が、何と思おうと……

◆壁井ユカコ/flick out
──この頃、息子の様子がおかしい。まさか、あいつにも俺と同じ力が?

◆井口ひろみ/ギフト
──能天気に自分の可能性を探す友人に、違和感を覚える翔太。才能って何?

◆吉野万理子/時速47メートルの疾走
──体育祭で賭に負けた僕。罰ゲームは、逆立ちで校庭一周だったが…

◆榊 邦彦/夏のピルエット
──ルミの様子がおかしい。ジャグリング同好会の危機に、小夜子は戸惑う

◆彩瀬まる/かいぶつの名前
──どこにもゆけない私は、何十年もずっと、校舎の片隅に隠れている

◆石野 晶/二等辺三角形
──微妙なバランスの女子3人組。秘密の儀式をきっかけに真実の姿が浮かび

◆折原みと/神様よりも、好き。
──地味な女子高生のみちるは、ボーイッシュな同級生のアブナイ魅力に

【好評読み切り連作】
◆大崎 梢/海辺のひよこ ふたつめの庭
──隆平の人気が急上昇。美人シングルマザーとの仲も気になり、美南は複雑

◆平 安寿子/コーヒー、もう一杯 最終回
──どんなに頑張ってもカフェは赤字続き。とうとう過労で倒れた未紀

◆畠中 恵/あましょう しゃばけ シリーズ最終話
──栄吉と話したくて安野屋を訪ねた若だんな。でもお店が忙しそうで…

◆諸田玲子/海辺の朝 お鳥見女房
──胸に何かを秘め、帰ってきた久太郎。それを追ってきた者がいる?

【連載エッセイ・コラム】
阿刀田 高/源氏物語を知っていますか
柴門ふみ/大人の恋力
酒井順子/徒然草REMIX 最終回
佐藤 優/落日の帝国 私のイギリス物語 最終回
沢木耕太郎/アンラッキー・ブルース ポーカー・フェース 最終回
山田詠美/熱血ポンちゃんから騒ぎ

【江戸のもてなし】
巻頭グラビア/福田 浩・松下幸子
連載エッセイ/松井今朝子

【新連載小説】

◆赤川次郎/月光の誘惑
──自殺しよう…。平日の午後、女子高生の美紀は灯台行きのバスに乗った

◆西村京太郎/サンライズ出雲殺人事件
──標的の男でなく、別の女を射殺してしまった殺し屋。そこには大きな罠が

【連載第二回】
柴田よしき/さかさまの物語II 名前のない古道具屋の夜
本多孝好/魔術師の視線
嶽本野ばら/地嶽八景亡者戯

【「女による女のためのR-18文学賞」決定発表】

大賞】田中兆子/べしみ
──風呂場で何気なく股間に手をやり、ぎょっとする。そこには何と男の面が

読者賞】上月文青/偶然の息子
──息子に訪れた性の目覚め。私の手で、すべてを教えてやるべきなのか

特別企画演劇集団キャラメルボックスとのコラボレーション

◆有川 浩/ヒア・カムズ・ザ・サン
──原作でもノベライズでもない。初めて体験するエンタメ新次元!

【好評連載小説】
浅田次郎/赤猫異聞
荒山 徹/蓋島伝――長宗我部元親秘録
飯嶋和一/星夜航行
池井戸 潤/鋼のアリス
大沢在昌/冬芽の人
小路幸也/荻窪 小助川医院 最終回
白川 道/神様が降りてくる
橋本 紡/ハチミツ
蜂谷 涼/鬼の捨て子
葉室 麟/春風伝――高杉晋作・萩花の詩
原田マハ/夢をみた J'ai reve 最終回
宮部みゆき/ソロモンの偽証
山本一力/べんけい飛脚

第三十回「新田次郎文学賞」決定発表
第八回「新潮エンターテインメント大賞」募集要項
次号予告/編集後記

編集長から

「学校」という生き物を楽しむ
 同じ十代を描いた小説でも、「青春小説」と「学園小説」では、言葉の響きが持つ印象は、かなり異なる。
 簡単に言ってしまえば、学校が関わっているか否かということになるのかも知れないが、果たしてそれだけだろうか。
 学校というのは不思議な場所で、誰もが数年でその場を通り過ぎてゆくが、卒業する人間がいれば入学する人間もいて、常に一定の年齢層が留まり続ける。思春期、青春期のみが抱える一種異様な熱を、学校は常に蓄え続けているのである。
 それ故、独特の磁場のようなものが発生し、あたかも生き物のごとく、個性を発揮しているように感じられる局面がある。そこを味わえるのが、「学園小説」の醍醐味だろう。
 舞台装置ではなく、登場人物の一人としての学校。そんな観点で読んでいただけたら、「学園小説」もまた別の楽しみ方ができるのではないだろうか。


小説新潮編集長 新井久幸

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小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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