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特集【これより先、ミステリ領域】誉田哲也/乾 くるみ/白河三兎/伊与原 新/日明 恩/知念実希人/大山誠一郎/秋吉理香子/前川 裕/麻耶雄嵩

小説新潮 2014年2月号

(毎月22日発売)

943円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2014/01/22

発売日 2014/01/22
JANコード 4910047010244
定価 943円(税込)

特集【これより先、ミステリ領域】

今号の特集タイトルは、マーガレット・ミラーの『これよりさき怪物領域』のもじりで、原題は「BEYOND THIS POINT ARE MONSTERS」になる。初めてこのタイトルを知ったとき、その原題と邦題のセンスに感動した。今立っている場所のほんの一歩先、地続きの世界に、何かしらこの世ならざるものが存在しているような、そんな感覚を覚えたからだ。
足下にある見えない境界の向こう側に、人ならざる者や、非日常の世界がある。何気なく生活していると見過ごしてしまうそれらを知ることで、現実世界はあっけなく見え方を変えていく。
ミステリは、その見え方を変えるための、格好の補助線なのではないだろうか。

◆誉田哲也/弱さゆえ
――優しかった男の突然の自殺は、本当に自殺なのか。魚住久江が動く

◆乾 くるみ/物件探偵 田町9分1DKの謎
――堅実な男が調査を重ねて手に入れた物件。死角なき投機のはずだった

◆白河三兎/自作自演のミルフィーユ
――話がしたいと妻から誘われたファミレス。用件はあの事なのか……

◆伊与原 新/台風二過
――本業も副業も鳴かず飛ばずなのに、いやな予感だけはよく当たる

◆日明 恩/クレーマーからのご意見
――南武信金に何度も寄せられる匿名の苦情。事実なら懲戒モノだが

◆知念実希人/甘い毒 統括診断部の事件カルテ
――救急搬送されたのは意識不明の巨漢。毒を盛られた、と言い張るが

◆大山誠一郎/心中ロミオとジュリエット
――老境の元警視は、今なお心残りの事件について、ゆっくりと語り出した

◆秋吉理香子/幻鏡奇譚
――鏡よ鏡、わたしの願いを叶えて―たとえ奥様の幸せを奪う事になっても

◆前川 裕/吉原浄夜
――風俗街を取り締まる刑事・法然。事件の陰には哀しい女たちの姿が

◆麻耶雄嵩/あかずの扉
――奇祭人気で老舗旅館が「あかずの間」を開いたら、思わぬ秘密の扉まで

【新連載】
◆小川 糸/サーカスの夜に
――ついに見つけた、もう大きくなれない僕でも生きられる場所を

【好評シリーズ読み切り】
◆垣根涼介/オン・ザ・ビーチ 君たちに明日はない PART5
――リストラ請負人・真介が今回立ち向かうのは……自分のリストラ?

【連載第二回】
◆阿刀田 高/薬指の秘密 絵のない肖像2
――半信半疑のまま、祖母の不思議な記憶から逃れられない秀治は

◆畠中 恵/寛朝の明日 しゃばけ
――僧が喰われた!? 天狗が語る奇妙な出来事に、寛朝様たちは……

◆葉室 麟/鬼神の如く 黒田叛臣伝
――黒田藩内外にある根深い疑心――一通の訴状が、その波紋を広げる

【好評グラビア・漫画】
◆グラビア 青山裕企/お仕事ちゃん
――子供が親の職場で働いてみたら? 大人気の写真家が写し出す親子像

◆シリーズ「しゃばけ漫画」
つばな/六ノ巻 動く影
――子どもを障子に引きずり込む影が現われた? 大好評トリビュート

【好評連載小説】
あさのあつこ/ゆらやみ
安部龍太郎/冬を待つ城
飯嶋和一/星夜航行
伊東 潤/死んでたまるか
乙川優三郎/ムーンライター テン・ストーリーズ
桐野夏生/抱く女
柴田よしき/転がらない球VII 名前のない古道具屋の夜
杉山隆男/メイのいない五月
野中 柊/波止場にて 最終回
乃南アサ/水曜日の凱歌
早見和真/イノセント・デイズ
原田マハ/暗幕のゲルニカ
樋口有介/金魚鉢の夏
平岩弓枝/私家本 椿説弓張月
森 達也/チャンキ

【連載エッセイ】
北村 薫/うた合わせ
柴門ふみ/大人恋愛塾
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
椎名 誠/じいじいのヨロコビ
ペリー荻野/ちょんまげ ザ・バトル
宮城谷昌光/随想 春夏秋冬
山田詠美/時計じかけの熱血ポンちゃん

第一回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告/編集後記

編集長から

これより先、ミステリ領域
 日常の隣にぽっかり穴を空けている異世界、という紹介をすると、ファンタジー特集のようだが、これはミステリにも当てはまる。事件に巻き込まれる人の大半は、「まさか自分が」と思っているだろうし、詐欺にいたっては、そもそも騙されたことに気付かない場合もある。程度の差はあれ、被害に遭った経験を持つ人が、身近にいたりはしないだろうか。
 同じことは、人間にも言える。「まさかあの人が」という溜息は何処でも聞かれるし、罪を犯すきっかけとなった出来事は、そもそもは些細なことだったりもする。見えない境界線であるが故に、知らずに踏み越え、突き進んでしまうことも少なくない。では、自分の足下はどうだろう。気付かぬうちに、事件の当事者になってはいまいか。
 どれも自分の身に起きるかもしれない出来事――。そんなふうに思いつつミステリを読んでみるのも、また一つの楽しみ方になると思う。


小説新潮編集長 新井久幸

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小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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