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特集【食欲vs.性欲】千早 茜/小田雅久仁/神田 茜/遠田潤子/佐藤和歌子/花房観音/遠藤彩見/みうらじゅん/雪舟えま/水沢秋生/柚木麻子/山内マリコ/吉村龍一

小説新潮 2014年3月号

(毎月22日発売)

943円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2014/02/22

発売日 2014/02/22
JANコード 4910047010343
定価 943円(税込)

特集【食欲vs.性欲】

食欲、性欲、睡眠欲は、俗に人間の三大欲求と言われるが、読者のみなさんは果たしてどれが一番強いだろうか。物心ついてから、ずっと一つの欲求だけがトップを独走しているという人はあまりいまい。年齢や環境、あるいは体調や気分によって、その時々で変化していくものだろう。

今回はそのうちの二つ、「食欲」と「性欲」をテーマにした競作を企画した。そもそも、対決というような話でもないのだが、目次は〈食欲チーム〉と〈性欲チーム〉に分かれており、本文中は食と性が交互になるように配置されている。

とはいえすべて読み切りなので、気の赴くままに自由に読んでいただければ結構。読み進めるうち、自分にとって本当は何が重要なのか気付かされたり、あるいは秘めたる欲求に目覚めることがある……かもしれない。

≪前半戦≫
◆千早 茜/くろい豆
――人は慣れる。こんな不自然な関係にも、慣れてしまったはずだった

◆小田雅久仁/柔らかなところへ帰る
――バスで会った、余りに肉感的な女――その魔力に取り憑かれた男は

◆神田 茜/サクラ
――タレントとして起死回生の痩身企画。苦しいダイエットの果てには

◆遠田潤子/春のなずな
――男は全部お見通し。あたしが悪い子なのも、「いれかえ」してるのも

◆佐藤和歌子/スモーク・オン・ザ・ウォーター
――燻製で知られるサンドイッチ店からの電話。すわ、記事への苦情か

◆花房観音/片腕の恋人
――他に何も要らない、あなたの腕さえあれば。今花開く官能版『片腕』

◆遠藤彩見/食えない女
――人付き合いを手放して掴んだ幸せだと割切っていた。彼の出現までは

≪後半戦≫
◆みうらじゅん/変態だ
――童貞、二浪で美大へ。人気ミュージシャンとなった僕は、ある女と

◆雪舟えま/ちしゃの旅
―― 一人きりだったわたしの世界は、光る球が現れて大きく変わり――

◆水沢秋生/岡部麒一郎氏の幸福な生活
――岡部氏のたった一つの悩み、それは己が男性としての能力であった

◆柚木麻子/ほねのおかし
――孤独な正月に、幼なじみの佳織が訪ねてきた。彼女の父の骨を携えて

◆山内マリコ/聖なるハートを持った彼女について、私が知っていること全部
――思考がチンコに支配される十三歳。少年は彼女の顔をまだ知らない

◆吉村龍一/ヒッパレ
――あの日から五年。瑛太はノサを手に、ひとり山の神の祠へと向かった

【追悼 坂東眞砂子さん】
◆酒井順子/平山夢明/吉田潮
――その冬の日、不世出の鬼才は突然逝った。思い出を偲び、贈ることば

【好評読み切りシリーズ】
◆畠中 恵/おたえの、とこしえ しゃばけ
――長崎屋が人の手に!? 上方の剣呑な相場師と、おたえの大勝負

◆シリーズ「しゃばけ漫画」
吉川景都/七ノ巻 星のこんぺいとう
――善意の猫又がひき起こした珍騒動。心ほっこり、好評トリビュート

【好評グラビア】
◆グラビア 青山裕企/お仕事ちゃん
――子供が親の職場で働いてみたら? 大人気の写真家が写し出す親子像

【連載第二回】
◆小川 糸/サーカスの夜に
――――情熱だけで辿り着いたけど、入団が認められるかの勝負はこれから

【好評連載小説】
あさのあつこ/ゆらやみ
阿刀田 高/偶然奇談 絵のない肖像3
安部龍太郎/冬を待つ城
飯嶋和一/星夜航行
伊東 潤/死んでたまるか
乙川優三郎/サンダルズ・アンド・ビーズ テン・ストーリーズ
桐野夏生/抱く女
乃南アサ/水曜日の凱歌
葉室 麟/鬼神の如く 黒田叛臣伝
早見和真/イノセント・デイズ
原田マハ/暗幕のゲルニカ
樋口有介/金魚鉢の夏
平岩弓枝/私家本 椿説弓張月
森 達也/チャンキ
山本幸久/アシタ、デキル?

【連載エッセイ】
北村 薫/うた合わせ
柴門ふみ/大人恋愛塾
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
椎名 誠/じいじいのヨロコビ
ペリー荻野/ちょんまげ ザ・バトル
宮城谷昌光/随想 春夏秋冬
山田詠美/時計じかけの熱血ポンちゃん

第一回「新潮ミステリー大賞」募集要項
第三回「日本医療小説大賞」候補作発表
次号予告/編集後記

編集長から

食欲vs.性欲 あなたはどっち?
 俗に人間の三大欲求と呼ばれるのは、「食欲」「性欲」「睡眠欲」だが、これは人間に限らず、生物の生存本能に根ざしたものだろう。
 この三つのうち、どれが一番強いだろうか? 瞬間最大風速的に強い欲求は変わるけれど、周りを見ていると、平均的に強い対象はずっと変わらないような気がする。みな、自分の欲求が最も重要で大事だと思っていて、他の欲求にうつつを抜かしている姿を見ては、「なんであんなもの……」と心の内で呟く、というのも共通している。
 だが、それは他の欲求の何たるかを知らないだけではないか。自分の中には、未知のスイッチがあって、それが入っていないだけなのではないか。そこを刺激したら、新たな自分に出会えるかもしれない。
 というほど大袈裟なことではないが、実生活ではなかなか経験できない様々な欲求に溢れた今月の特集。じっくりと味わっていただきたい。


小説新潮編集長 新井久幸

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小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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