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【特集】SNSのある時代
住野よる/浅倉秋成/石田夏穂/大前粟生/佐原ひかり/新名 智/柚木麻子

小説新潮 2023年3月号

(毎月22日発売)

1,000円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2023/02/22

発売日 2023/02/22
JANコード 4910047010336
定価 1,000円(税込)
■目次
【特集】SNSのある時代

住野よる/滅亡型サボタージュ
――このチャンネルでは、世界の滅亡を緩く配信しています

◆浅倉秋成/かわうそをかぶる
――大切な人が殺された。どうして私ばかりがこんな目に

◆石田夏穂/タイムシートを吹かせ
――先輩社員・通称「レジェンド」のIT介護に翻弄された私は

大前粟生/まぶしさと悪意
――インフルエンサーの生徒が突然SNSの更新をやめた理由とは

◆佐原ひかり/あなたに見合う神さまを
――教室の孤高、権藤さん。ユーチューバーを敬愛する彼女は

◆新名 智/霊感インテグレーション
――霊能力者に会えるマッチングアプリで不具合が生じて――

柚木麻子/めんや 評論家おことわり
――ブロガーの佐橋は出禁を解かれて人気ラーメン店を訪れたが

〈新連載エッセイ〉
◆堀元 見/読むだけでグングン頭が良くなる下ネタ大全
――「ゆる言語学ラジオ」パーソナリティが本誌初登場! “エロ”という名の、知の海へ――

〈エッセイ〉
画面のなかの、“あの人”の一日
――インフルエンサーたちのありふれた、けれど特別な日常
◆遠坂めぐ
◆松井尚斗
◆ホモサピ
◆多良美智子
◆Vanessa
◆虫眼鏡(東海オンエア)

〈書評系インフルエンサー座談会〉
◆つかっちゃん×屋敷裕政(ニューヨーク)×スケザネ(渡辺祐真)/だから僕らは本を呟く
――友達、恋人、家族、見知らぬ誰か。本とネットが繋ぐ、ちょっと不思議な人間関係とは
【傑作読切】
西條奈加/三枚の絵文 善人長屋
――絵の描かれた付文。絵言葉を解いてみると恐ろしい報せが

◆藤ノ木優/峠を越えてきた命
――産科医の北条のもとに緊急搬送。母体は険しい峠道の先で
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
【バラエティコラム】
〈あのとき聴いた音楽〉木村紅美
〈わたしの相棒〉西村真二(コットン)
〈そのとき(わたしの)歴史が動いた〉黒島規史
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
◆加納愛子/行儀は悪いが天気は良い
河合香織/4分の1の遺伝――神が曲げたもの――
川上和人/鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない
◆こいしゆうか/くらべて、けみして 校閲部のじゅうさん
酒井順子/松本清張の女たち
◆友近/友近道中
群ようこ/四十年、こんな感じで書いてます 最終回
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人
〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
〈恋愛・青春〉高頭佐和子
【好評連載小説】
赤川次郎/暗殺
伊吹有喜あかりの島
恩田 陸/追憶の五重奏
◆河崎秋子/ともぐい
桐野夏生/ダークネス
今野 敏/一夜 隠蔽捜査10
澤田瞳子/のち更に咲く
中山七里絡新婦じょろうぐもいと 警視庁サイバー犯罪対策課
畠中 恵/いつまで
宮城谷昌光/公孫龍
「日本ファンタジーノベル大賞2024」募集要項
第十回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告

この号の誌面

編集長から

本誌初! 「SNS小説」特集

 電車の中で本を読む人がいると、どうにかしてタイトルを知りたくなります。それよりずっと数が多い、スマホを持っている人はいったい何を見ているんだろう――今回の特集で、それをこっそり教えてもらえた気がしました。SNSをモチーフに柚木麻子さん、住野よるさんなど気鋭の作家七名が綴る短編はそれぞれ全く違う世界。二次元のキャラと自己が溶け合っていく配信者、名店を出禁になったラーメンブロガー、霊能力者に会えるマッチングアプリ、中年社員のIT介護を担った若手の逆襲――画面を介した人間関係は、もしかしたらリアルのそれよりも深く心に刺さります。小説以外にも、人気YouTuberの東海オンエア・虫眼鏡さんをはじめ六人のインフルエンサーが綴る「ある一日」、ネット上で本を紹介する「書評系インフルエンサー」による座談会と盛りだくさんの特集です。
 読切は西條奈加さんの大人気シリーズに加え、現役産科医の藤ノ木優さんが初登場です。

小説新潮編集長 西麻沙子

次号予告

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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