ホーム > 雑誌 > 雑誌詳細:小説新潮 > 雑誌詳細:小説新潮 2023年7月号

【第36回山本周五郎賞決定発表】

小説新潮 2023年7月号

(毎月22日発売)

1,000円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2023/06/22

発売日 2023/06/22
JANコード 4910047010732
定価 1,000円(税込)
■目次
第36回山本周五郎賞決定発表】

[受賞作]永井紗耶子びきちょうのあだ討ち(抄)
――芝居小屋の者たちが語るとある仇討の顛末とは? 各界から絶賛を集める江戸の人情物語

[受賞記念エッセイ]遠すぎなくて近すぎない江戸のこと

[受賞記念グラビア]
[選評]伊坂幸太郎江國香織荻原 浩今野 敏三浦しをん

[歴代受賞作家競作]
窪 美澄/窓辺の夕餉に
――親友が自死した。それが、高校で出会ってから20年、仲間だった五人の関係を変質させていく――

◆砂原浩太朗/半分 夜露がたり
――幼なじみが死んだ報せを受けて駆け付けたおゆみを待っていたのは、鳶色の瞳が印象的な少年で

柚木麻子/スター誕生
――崖っぷち芸能人の真木が一発逆転をかけて目をつけたのは、怒りの叫びが話題の母親だった
【特集】女性作家の時代小説

◆蝉谷めぐ実/鬘比べ
――あたしらは選ばれた者なんでっせ、扇五郎さん。柳斎はそう呟き、役者の頭に指を滑らす

◆千葉ともこ/長鯨、百川を吸うがごとし 飲中八仙歌
――佞臣・李林甫と対峙すべく腹を括った杜甫。憧れの李適之との対面を果たしたのだが……

◆高瀬乃一/鑑草
――恩師の娘とその連れを見かけた淳之介。声をかけようとするが、友に引き留められ――

藤原緋沙子/末摘花 へんろ宿
――お客の金兵衛が宝探しをしている谷中の寺に様子を見に行った市兵衛。だが姿が見えない
【『オルタネート』文庫化記念対談】
今村翔吾×加藤シゲアキ/日常に“熱”を探しつづけて
――吉川賞の同時受賞をきっかけに、日頃から親交のある二人。その会話を覗いてみると
【傑作読み切り】
中山祐次郎/医学生、誕生 麻布中央病院外科
――外科医の松島が駆け付けた病室では、昨夜の緊急手術で命を助けた少年が暴れていて……

【バラエティコラム】
〈あのとき聴いた音楽〉須藤古都離
〈もういちど会いたい〉やまもとりえ
〈うれしい買い物〉小竹 哲
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
◆加納愛子/行儀は悪いが天気は良い 最終回
河合香織/4分の1の遺伝――神が曲げたもの―― 最終回
川上和人/鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない
◆くどうれいん/くどうのいどう
◆こいしゆうか/くらべて、けみして 校閲部のじゅうさん
酒井順子/松本清張の女たち
◆友近/友近道中
◆堀元 見/読むだけでグングン頭が良くなる下ネタ大全
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人
〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
〈恋愛・青春〉高頭佐和子
【好評連載小説】
赤川次郎/暗殺
伊吹有喜あかりの島
恩田 陸/追憶の五重奏
◆川越宗一/満腔まんこうの熱血
◆河崎秋子/ともぐい 最終回
桐野夏生/ダークネス
◆今野 敏/一夜 隠蔽捜査10
澤田瞳子/のち更に咲く
月村了衛/虚の伽藍
宮城谷昌光/公孫龍
諸田玲子/岩に牡丹
吉川トリコ/裸足でかけてくおかしな妻さん
第十一回「新潮ミステリー大賞」募集要項
「日本ファンタジーノベル大賞2024」募集要項
次号予告

この号の誌面

編集長から

時代小説の懐深さを味わえる受賞作

 文学賞の選考会に陪席するのは実にスリリングで楽しいひとときです。「もし受賞作が出なかったら……」など心配事は尽きないのですが、当代一流の書き手たちが「どれだけこの小説が素晴らしいか」を目の前で熱く語ってくださる、そんな機会は超貴重。特に今年の山本周五郎賞は「一作ごとに違う種類の読解力を必要とする本が揃っていて」との江國香織選考委員の言葉通り、いろんなベクトルの面白さが炸裂した候補作が並びました。真剣勝負の議論の末、受賞したのは永井紗耶子さんの『木挽町のあだ討ち』。時代物ならではのふくよかさを存分に味わえる作品でした。歴代受賞作家による競作には窪美澄さん、柚木麻子さん、砂原浩太朗さんが登場します。
 特集は永井さんの受賞に合わせて「女性作家の時代小説」。さらに今村翔吾さんと加藤シゲアキさんの対談では、加藤さんから「時代小説にはすごく興味がある」との言葉も。ページを空けて、お待ちしています!

小説新潮編集長 西麻沙子

次号予告

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞