【特集】時代小説秋しぐれ
佐藤賢一/永井紗耶子/武内 涼/松下隆一/梶よう子
小説新潮 2024年11月号
(毎月22日発売)
発売日 | 2024/10/22 |
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JANコード | 4910047011142 |
定価 | 1,000円(税込) |
【特集】時代小説秋しぐれ
◆佐藤賢一/篠子鯛 釣り侍
――藩主の急死に、跡目争い。それでもやはり魚釣りは楽しく
◆永井紗耶子/長崎こんぷら万華鏡 第四回
――出島の宴での思わぬ再会。その裏では怪しいやりとりが
◆武内 涼/東国大乱 弐 三宝寺池
――武州屈指の武家貴族・豊島家。照姫はただ平和を願うも
◆松下隆一/手習い
――商家の姉妹を優しく導くお栄。しかしその裏には別の顔が
◆梶よう子/みさごの魚 みとや・お瑛仕入帖
――成次郎の過去を知ったお瑛。夫婦を続けていくと決めたけど
〈コラム〉
◆谷津矢車/書き下ろし文庫開国論 時代小説は成瀬あかりの夢を見るか?
――ファンタジーとの融合、少女小説の波……「時代小説読みやすくなった問題」を徹底検証!
【新連載エッセイ】
◆角幡唯介/43歳頂点論
――人間に全盛期があるとしたら、それはいつか。極地を旅する著者が到達した究極の人生論!
【『あの子とQ』スピンオフシリーズ】
◆万城目学/あの子とO 前編
――吸血鬼一族によって経営される、街一番のピッツェリア。双子の僕らも力になるべく……
【『虚の伽藍』刊行記念対談】
◆真鍋昌平×月村了衛/ヤクザは向こうからやってくる
――どうしても闇社会に惹かれる作家と漫画家。そこに生きる者たちを描き取る秘訣とは――
【連載第二回】
◆今野 敏/分水 隠蔽捜査11
――鎌倉の議員宅での小火騒ぎ。竜崎が所轄署に足を運ぶと
◆結城真一郎/ある夏の日のABC
――乃愛の変わり果てた姿を前に、悪ガキ三人衆がとった決断は
【バラエティコラム】
〈そのとき(わたしの)歴史が動いた〉百瀬 文
〈わたしの東京〉井上先斗
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
◆川上和人/鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない
◆くどうれいん/くどうのいどう
◆こいしゆうか/くらべて、けみして 校閲部の九重さん 最終回
◆西原理恵子/ねこいぬ漫画かき
◆東村アキコ/おんな追分
◆ワクサカソウヘイ/現実クエスト攻略記
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人
〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
〈恋愛・青春〉高頭佐和子
【好評連載小説】
◆朝井まかて/少女時代
◆伊吹有喜/灯りの島
◆岩井圭也/沸点
◆恩田 陸/追憶の五重奏
◆桐野夏生/ダークネス
◆白尾 悠/羽根は、青
◆中島京子/水は動かず芹の中
◆長浦 京/ソリスタ
◆早見和真/ハンセイ
◆原田マハ/晴れの日の木馬たち
「日本ファンタジーノベル大賞2025」最終候補作発表
第十二回「新潮ミステリー大賞」募集要項
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この号の誌面
編集長から
秋の夜長はヤクザと時代小説で
「どうしてあんなにもいろんなヤクザをお書きになれるんですか?」。月村了衛さんとの対談で、真鍋昌平さんが発した言葉に思わず笑ってしまいました。月村さんの新刊『虚の伽藍』は、京都の仏教界を舞台に闇社会の懲りない面々が暗躍する、いわば僧侶版「アウトレイジ」な長編。真鍋さんは『闇金ウシジマくん』や『九条の大罪』などで知られる漫画家で、やはりアウトローたちの描写に定評があります。「知らない世界にも積極的に出向いていって、嫌な目に遭いながらも取材して」という真鍋さんが披露する取材エピソードは迫力満点。ちなみに先の問いに対する月村さんの答えは「彼らのほうからどんどんやってきてくれる」。その真意、ぜひ本誌でお確かめください。
特集は秋の時代小説です。大好評、佐藤賢一さんの「釣り侍」はシリーズ第二弾が登場。谷津矢車さん渾身、近年の書下ろし文庫を大解剖するコラム「時代小説は成瀬あかりの夢を見るか?」もお楽しみに。
小説新潮編集長 西麻沙子
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バックナンバー
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雑誌から生まれた本
小説新潮とは?
小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。
時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。
小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。
目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。
言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。