【特集 男たちの群像】
【特集 スポーツを「物語る」】
小説新潮 2017年3月号
(毎月22日発売)
発売日 | 2017/02/22 |
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JANコード | 4910047010374 |
定価 | 947円(税込) |
[スポーツ小説と、エッセイと。]
■目次
【特集 男たちの群像】
小説で、映画で、そして時には劇画で、時代を超え、国境を越えて描かれてきた「男たちの肖像」。
その最新成果と、創造の源をインタビュー、エッセイで立体的に探った特別企画――。
〈インタビュー〉
◆北方謙三/ただ一人だけのために 『十字路が見える』出張版
――君に何から話そうか――。困難な道を選び続けた作家が贈る、
人生の羅針盤。迷いがあるなら、少し聞いてみないか
〈エッセイ〉
◆伊東 潤/忠節に殉じた
――激動の時代をひたすら走り続けた、短くも熱い生涯とは
〈インタビュー&イラストレーション〉
◆池上遼一/自信を持たずに耳を傾ける
――劇画界の巨匠の印象は、穏やかで軽やか、そして謙虚。
その在り方の秘密は意外なところに隠されていて――
〈小説〉
◆東山彰良/或る男
――戦時中、祖父が拾った水筒に書かれていた男の名前は
◆本城雅人/逆転の仮説
――俺はリーダーになれない? 社会部キャップは悩んでいた
◆増田俊也/タイムス少年物語
――どんなときだって筋を通してきた。就職も、恋愛も――
【特集 スポーツを「物語る」】
鍛え上げられた肉体に圧倒され、緊迫した試合に熱狂し、隠された
秘話に涙する。気鋭のライターが挑む渾身のノンフィクション
◆秋山英宏/覚醒―錦織圭14歳の夏―
――小さな勇者が、異国の地スペイン・バルセロナで見せた未来への覚悟
◆寺尾真紀/ロンド
――新旧王者が火花を散らすロードレースの最高峰。石畳を制したのは
◆中村 計/もがく海神
――あと八分。リオ五輪で歴史的金星を逃した日本水球男子に起きたこと
◆藤島 大/六対三
――稀代の名将と死をも厭わぬ15人。秩父宮ラグビー場に伝説が生まれる
【新連載エッセイ】
◆森見登美彦/ならのほそ道
――森見登美彦が生地・奈良に帰ってきた! ガイドブックでは知
ることができない奈良の魅力を、森見独自の視点で語り尽くす
【連載第二回】
◆あさのあつこ/ハリネズミは月を見上げる
◆薬丸 岳/刑事弁護人
【特選読み切り小説】
◆北村 薫/ヴェネツィア便り
――ふいに舞い込んだ異国からの手紙。距離を越えて、思いは届く
◆中島京子/カニと怪獣と青い目のボール
――あの喫茶店でわたしはいつもいちばんのチビだった。そこへ突然……
◆木皿 泉/ハコジマ(前編)
――不登校の中島の代わりに学校へ来たのは目のついた鉄の箱だった
◆加納朋子/鏡のジェミニ カーテンコール!
――拒食症のあの子のために、同室の私は何をしてあげられるだろう
◆畠中 恵/ばけねこつき しゃばけ
――長崎屋に現れた変わった三人組。ひとりは何故か着飾った娘で
【小説新潮作家名鑑】
◆本城雅人
――腕だけを磨いているわけじゃあない。作家が息抜きで磨くものとは
【シリーズ対談】
◆中村うさぎ×池谷裕二/脳はこんなに悩ましい2 破壊と再生篇
【バラエティコラム】
〈わたしの愛用品〉カレー沢 薫
〈あのとき聞いた音楽〉山口文憲
〈思い出の手料理〉末兼俊彦
【連載コラム】
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人/〈SF・ファンタジー〉石井千湖/〈恋愛・青春〉名久井直子
【好評連載小説】
乾緑郎/杉山検校
逢坂 剛/鏡影劇場
奥田亜希子/リバース&リバース 最終回
奥田英朗/霧の向こう
加藤 廣/宇都宮城血風録
小島慶子/陽だまりの宴
今野 敏/棲月 隠蔽捜査7
瀬尾まいこ/夏がぼくを走らせる
千早 茜/硝子のコルセット
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
初野 晴/世界の果ては二つ
葉室 麟/玄鳥さりて 最終回
早見和真/ザ・ロイヤルファミリー
山本一力/船旗を替えよ!
山本文緒/自転しながら公転する
【連載エッセイ・マンガ】
阿刀田高/漱石を知っていますか
Oka-Chang/へそのお
黒田龍之助/物語を忘れた外国語
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
西きょうじ/そもそも
群ようこ/じじばばのるつぼ
矢部太郎/大家さんと僕
「日本ファンタジーノベル大賞2017」募集要項
第四回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告/表紙の言葉
この号の誌面
編集長から
ジョン・ウー監督とは関係ありません
男たちの群像――香港映画みたいな特集を組んで申し訳ありません。この業界で「女性作家が元気だ」などと言われることはあっても、「男性作家」が云々されることは少ない気がします。で、フタを開けてみると、いいですね、このサウナに入ったような熱気。北方謙三氏、劇画界の大御所・池上遼一氏の特別インタビュー(池上氏はイラストレーションも収録)。伊東潤氏の歴史エッセイ。そして東山彰良、本城雅人、増田俊也各氏の小説と、様々な角度からお楽しみいただけるはずです。
もうひとつ、小誌としては珍しいスポーツ・ノンフィクション特集です。第一線のライター諸氏に、あえて野球やサッカーなどのメジャー競技ではなく、テニス、自転車、水球、ラグビーの四種目の、特定の一試合をテーマとしてお願いしました。題して「スポーツを『物語る』」。
そして森見登美彦氏が、生まれ育った奈良の魅力を語り尽くす新連載エッセイ「ならのほそ道」もスタートします。
小説新潮編集長 江木裕計
第12回 矢部太郎「大家さんと僕」
旅行から無事に帰ってきた大家さんと僕。
ネットサーフィンをしていた僕が見つけたものは……
■矢部太郎さんのひとこと
大家さんとは本の話をよくします。一度、日本文学全集を全巻もらってくださらないと言われ大変嬉しかったです。ところがとても古くて旧字体で印刷されていて、めちゃめちゃ読み辛く諦めてしまいました。大家さんは普通に読んでいました。一番印象に残っているのは有島武郎の『或る女』を頂いた時「こんな女になりたかった」と言われた一言です。実はまだ読めていなくて、どんな女かはわかりません。
■読者の声
穏やかだけどすこし切ない時もある、素敵な漫画ですね。マイペースでずっと続くことを希望しています。(40代・男性)
絵も文章も大家さんとの会話のひとつひとつがかわいくて、笑えるのにどこか切なくて……。1話ずつお話もまとまっていて、どんどん引き込まれました。シンプルな絵なのに、一度にたくさんの気持ちになれたのは初めてです。これからも応援しています。単行本化されたら、買いますね! 是非サイン会してくださいね!(30代・女性)
◎これまでの「大家さんと僕」はこちらからご覧いただけます。
次号予告
バックナンバー
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雑誌から生まれた本
小説新潮とは?
小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。
時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。
小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。
目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。
言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。