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古代史謎解き紀行I―封印されたヤマト編―

関裕二/著

605円(税込)

発売日:2014/05/28

  • 文庫

記紀神話に隠されたヤマト建国の秘密。歴史の謎に鋭く迫る知的紀行。

『日本書紀』で、大悪人のレッテルを貼られている蘇我氏。彼らは本当に悪だったのか? 「聖者」として称えられる一方で「鬼」としても祀られている聖徳太子。法隆寺に隠されたその秘密とは? なぜ「成り上がり」の不比等が藤原氏一千年の基礎を築くことができたのか? 奈良の魅力を紹介しながら、大胆な推理と綿密な分析で歴史の闇に秘められた謎に迫る、知的紀行シリーズ開幕。

目次
はじめに
第一章 神々の故郷 奈良の魅力
奈良の魅力を知るために/柿の葉寿司「たなか」と葛城の神々の話/葛城の一言主神と雄略天皇の葛藤/葛城はヤマトの王家よりも実力は上だった?/葛城は天皇家の敵だったのか/葛城と天皇家の果てしなく続く暗闘/大海人皇子は「葛城」に救われた?/ヤマトでのさばる出雲神/日本人にとって神とは何か/神と鬼は八世紀に峻別されてしまった/神道を守ろうとした蘇我、壊そうとした藤原?/八世紀に生まれたもうひとつの日本/ヤマトそのものが鬼の王国
第二章 元興寺界隈の夕闇
奈良の名物旅館のおかしな掟/タクワンの消えた夜/鬼の寺元興寺の鬼・ガゴゼ/なぜ童子が鬼退治できるのか/蘇我の飛鳥は古き良き時代だった?/蘇我氏は本当に悪だったのか/律令制度を推進していたのは蘇我氏だった/人の手柄を横取りする藤原氏/祟り神として恐れられた菅原道真と蘇我入鹿
第三章 法隆寺夢殿の亡霊
単純な仏教美術ではない奈良の仏像群/高村光太郎も驚いた救世観音の不気味な顔立ち/『日本書紀』と法隆寺側の言い分の差/法隆寺の七不思議と怨霊の話/祟りを鎮める法隆寺は誰を祀っていたのか/鬼扱いされる聖徳太子/聖徳太子の母も鬼だった?/法隆寺の美の神髄/法隆寺に見出す日本人の美意識/千年以上も藤原に敵愾心を燃やし続けた集落/山背大兄王は聖徳太子の子ではない?/聖徳太子と蘇我入鹿を結ぶ巧妙なカラクリ
第四章 多武峰談山神社の城壁
自転車でめぐる飛鳥の風/興福寺の僧兵に掠奪された山田寺の本尊/蘇我倉山田石川麻呂の生涯/蘇我倉山田石川麻呂の変の顛末/蘇我倉山田石川麻呂が親蘇我派の孝徳朝の右大臣だったことの意味/塩にまつわる気味の悪い話/中臣鎌足と百済王子・豊璋の接点/百済遺民と浮き沈みをともにした藤原氏/岡寺の怪/岡宮(岡寺)の秘密/不可解な持統の即位/草壁皇子が岡宮天皇だったことですべての謎が解けてくる
第五章 反骨の寺東大寺の頑固な茶店
東大寺はただ大きいだけの寺ではない/通い詰めた奈良の宿/二月堂の二つの茶店/東大寺を建立したのは乞食坊主だった?/藤原の子聖武は蘇我の最後の輝きとなった?/奈良から見える平安王朝の正体/聖武の謎の関東行幸/高市皇子は即位していた?/藤原のあこぎな数々の手口/長屋王の悲劇/藤原四兄弟を襲った災難/光明子というどんでん返し/光明子の本当の気持ち
第六章 當麻寺と中将姫伝説の秘密
ヤマトの歴史が二上山から始まった意味/葛城とヤマト朝廷を切り離した事件とは/大津皇子は冤罪で殺された?/なぜ藤原不比等は藤原千年の基礎を築くことができたのか/藤原氏が悪用した律令整備段階の混乱/忘れられない當麻寺参道の姫餅/當麻寺厨子の扉絵の美しさ/中将姫伝説の中身/中将姫伝承は創作された神話なのか/なぜ鬼の當麻寺伝承で藤原の女人が主人公なのか/実在した『竹取物語』の登場人物/『竹取物語』にそっくりな中将姫伝説/光明子の懺悔と中将姫の昇天/桓武天皇は祟る鬼にヤマトを追い出された
第七章 日本の神・三輪山の正体
雅な香りのする三輪素麺/なぜ三輪が大和の中心に選ばれたのか/ヤマト建国後も歴史に登場する出雲神の謎/なぜ黎明期のヤマトは出雲に祟られたのか/なぜ崇神天皇は祟り神から離れなかったのか/纒向はヤマト朝廷誕生の地/政治と宗教の都市纒向/『日本書紀』の神武東征とぴったりと重なる纒向/『日本書紀』はヤマト建国の歴史を熟知していた/ヤマトの出雲人形の変な歴史/三輪山の不思議な祭神/ヤマト建国と日向御子の祟り
おわりに
文庫版あとがき
参考文献

書誌情報

読み仮名 コダイシナゾトキキコウ01フウインサレタヤマトヘン
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 304ページ
ISBN 978-4-10-136476-6
C-CODE 0121
整理番号 せ-13-6
ジャンル 日本史
定価 605円

著者プロフィール

関裕二

セキ・ユウジ

1959(昭和34)年、千葉県柏市生まれ。歴史作家、武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。仏教美術に魅了されて奈良に通いつめ、独学で古代史を学ぶ。『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『神武天皇vs.卑弥呼』『古代史の正体』など著書多数。

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