古代史謎解き紀行III―九州邪馬台国編―
572円(税込)
発売日:2014/07/29
- 文庫
九州? 畿内? 古代史最大の謎がついに決着! 大胆な推理と綿密な分析の知的紀行。
『日本書紀』や北部九州に残された神功皇后伝説が意味するものは? 深刻な鉄欠乏症に陥っていたヤマト。なぜ、そのヤマトが急速に発展し、九州が没落したのか? 天皇の祖が天から舞い降りてきたという天孫降臨神話。そこに隠された、敗者たちの真実とは? いま、明らかになる邪馬台国とヤマト建国の謎。大胆な推理と綿密な分析で古代史最大の秘密を解き明かす知的紀行シリーズ。
目次
はじめに
第一章 久留米の謎と邪馬台国論争
腕白自然児・松村朋実君の冒険/高良山に漂う妖気/北部九州の要衝・高良山/高良山の戦略的価値/北部九州に密集する豊姫の謎/高良山に祀られる武内宿禰/なぜ神功皇后は高良山に祀られていないのか/邪馬台国偽僭説の魅力/邪馬台国論争とはどのようなものなのか/九州・畿内二つの邪馬台国論/次々と飛び出す新たな邪馬台国論/安本美典氏の甘木説/邪馬台国論争を揺るがす纒向遺跡の年代観/邪馬台国論争の忘れもの
第二章 大和の台与と山門の卑弥呼
獣の匂いがした博多の豚骨ラーメン/なぜ朝鮮半島に近い対馬が日本的なのか/驚異的な金田城の石垣/海の神が山の上に祀られるわけ/海の民の腹の括り方が対馬を日本的にした/北部九州の繁栄は半島との交易によって支えられていた?/なぜ神は日本に木を植えたのか/吉野ヶ里遺跡の何が大切なのか/弥生時代の北部九州の繁栄を支えていたのは対馬の商人/北部九州のネック・大分県日田市/北部九州がヤマトに恭順した合理的な理由/邪馬台国というカラクリ/『日本書紀』の誰が『魏志』倭人伝にいう男王なのか
第三章 宗像三神と北部九州の秘密
雨具と沖ノ島の話/沖ノ島でヌード初公開?/沖ノ島に祀られる宗像三神/武内宿禰と玄界灘/北部九州の東と西の差/宗像三神とヒメコソの関係/ヒメコソと宗像神の奇妙なつながり/宗像の子は住吉で孫は宇佐の謎/橿日宮の不思議な夜/仲哀天皇の変死/謎めく応神の産み月/天皇家の祖を導いた塩土老翁/老いている塩土老翁と武内宿禰と浦島太郎/武内宿禰は浦島太郎でアメノヒボコだった?/邪馬台国の男王はアメノヒボコだったのか
第四章 宇佐八幡と応神天皇の秘密
東京と九州の文化の違い/金銀錯嵌珠龍文鉄鏡と日田の話/金銀錯嵌珠龍文鉄鏡の悲劇/日田がトヨの国であったことの意味/トヨがヤマトに捨てられた証拠/祟るトヨの恐怖/呪術合戦だった応神の東征/豊国の祟る白鳥の話/祟る海の恐怖/日本人はみな海の祟りを恐れた/宇佐神宮の成り立ち/宇佐は境界の神なのか/隼人と天皇家の深いつながり/なぜ難波に棄てられたのに豊国がもち出されたのか/祟る豊国の秘密/宇佐神宮がヤマトの西にあったことの意味/西から押し寄せる祟り/宇佐で暴れ回る住吉神
第五章 天孫降臨神話と脱解王の謎
耶馬溪には魔物が棲んでいる/うらめしや湯布院の一夜/これまで語られてこなかった野間岬という大問題/天孫降臨は征服劇ではない/ヤマトの恐れたトヨの祟り/ウマシマヂのカラクリ/弥生後期から古墳時代にいたる道のり/ヤマト建国の真相/なぜ新羅王子を『日本書紀』は神格化したのか/あちらに行ってこちらにもどってきたらひどい目に遭った浦島太郎/アメノヒボコの周囲を囲む「こちらからあちら」の人脈/多婆那国から新羅に行った脱解王/倭国の位置と多婆那国の謎/鉄を求めて朝鮮半島に渡った倭人/アメノヒボコの野望/弥五郎ドンの正体/嘆きの森の蛭子/アメノヒボコが天皇家の祖で新羅の王子で日本人だったこと/明らかになったヤマト建国と邪馬台国の真相
おわりに
文庫版あとがき
参考文献
文庫版あとがき
参考文献
書誌情報
読み仮名 | コダイシナゾトキキコウ03キュウシュウヤマタイコクヘン |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 288ページ |
ISBN | 978-4-10-136478-0 |
C-CODE | 0121 |
整理番号 | せ-13-8 |
ジャンル | 日本史 |
定価 | 572円 |
著者プロフィール
関裕二
セキ・ユウジ
1959(昭和34)年、千葉県柏市生まれ。歴史作家、武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。仏教美術に魅了されて奈良に通いつめ、独学で古代史を学ぶ。『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『神武天皇vs.卑弥呼』『スサノヲの正体』など著書多数。
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