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BLの聖地(フランス)から届いた少年たちの熱い戯れ。《萌え場》まみれの耽美なアンソロジー。

特別な友情―フランスBL小説セレクション―

ロジェ・ペールフィット/著 、アンドレ・ジッド/著 、ロジェ・マルタン・デュ・ガール/著 、マルセル・プルースト/著 、ポール・ヴェルレーヌ/著 、アルチュール・ランボー/著 、ラシルド/著 、ジャン・コクトー/著 、ジャコモ・カサノヴァ/著 、ジャン・ジュネ/著 、ジョリ= カルル・ユイスマンス/著 、マルキ・ド・サド(サド侯爵)/著 、芳川泰久/訳 、森井良/訳 、中島万紀子/訳 、朝吹三吉/訳

825円(税込)

本の仕様

発売日:2020/01/01

読み仮名 トクベツナユウジョウフランスビーエルショウセツセレクション
装幀 華憐/装画、新潮社装幀室/デザイン
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
ISBN 978-4-10-204513-8
C-CODE 0197
整理番号 ン-1-1
ジャンル 文学・評論
定価 825円

ラベンダーの香り立ちこめる寄宿舎の暗がりで、栗色の髪の高貴な僕と美しい君は、神の目を盗んで今夜結ばれる。ランボー、コクト ー、ジッド……。憧れの人との初恋が幼い心弾ませるブロマンスから、固く組み敷かれた受難の小羊が、甘い罰に呻くハードコアまで。輝かしいフランス文学の一隅に息づく、美少年たちの「友情以上の熱い関係」の物語を耽美な新訳で味わう、あなたを満たす12篇。

著者プロフィール

ロジェ・ペールフィット Peyrefitte,Roger

(1907-2000)1907年、南仏のカストルに生まれる。カトリックの神学校で学んだのち、エリート校として有名な自由政治科学学院(現・パリ政治学院)に進学。外交官となり、アテネの大使館に赴任した。1944年、占領下のパリで『特別な友情』を発表。賛否両論を巻き起こし、翌年のゴンクール賞最有力候補となったが、対独協力者の粛清で公職解任されたことが仇(あだ)となり、惜しくも受賞を逃す(二大文学賞のもう一方であるルノード賞を受賞)。神学校での同性愛を古典主義的な筆致で描いた同作は、1964年にジャン・ドラノワ監督によって映画化され、日本でも『悲しみの天使』という邦題で劇場公開された。他の小説に『特別な友情』のその後を描く『大使館員』(1951年)、十三歳の男娼(だんしょう)を主人公にすえた『ロイ』(1979年)などがあり、ヴォルテールやアレクサンダー大王らを扱った評伝も多数。2000年、九十三歳で死去。

アンドレ・ジッド Gide,Andre

(1869-1951)1869年、パリ生まれ。早くに父を亡(な)くし、清教徒の厳しい母に育てられる。マラルメのもとで象徴主義の洗礼を受けたのち、『パリュード』(1896年)で小説の可能性を模索。つづく『背徳者』(1902年)では、生の称揚とともに少年愛の世界を繰り広げる。他の小説に『狭き門』(1909年)、『法王庁の抜け穴』(1913年)、『田園交響楽』(1919年)などがあり、代表作の『贋金(にせがね)づくり』(1926年)は「メタフィクション」の先駆となった。政治参加にも積極的で、植民地経営やスターリン主義をいちはやく批判。『コリドン』(1924年)で男色を擁護し、『一粒の麦もし死なずば』(1926年)では自身の同性愛をカムアウトした。1947年にノーベル文学賞を受賞し、1951年、八十一歳で死去。2002年、フランスのガリマール社より未発表作『ラミエ』が出版される。

ロジェ・マルタン・デュ・ガール Du Gard,Roger Martin

(1881-1958)1881年、パリ北西郊のヌイイ=シュール=セーヌ生まれ。落第を繰り返したのち、パリ古文書学校を卒業。作家を志し、ドレフュス事件に取材した『ジャン・バロワ』(1913年)で文壇の地位を確立する。やがてトルストイの影響から「大河小説」を企図し、ライフワークとなる『チボー家の人々』に着手。第一部『灰色のノート』(1922年)から第八部『エピローグ』(1940年)まで書き継がれた同作では、チボー家とフォンタナン家という二つのブルジョワ一家に依(よ)りながら、父と子の確執、少年同士の友情、対照的な兄弟の生き方を活写し、未曾有(みぞう)の戦争に突入してゆくフランスの世相を精緻(せいち)に描ききった。1937年、ノーベル文学賞受賞。中年以後、同性愛的傾向を自認しはじめ、未完の大作『モモール中佐』(1941年執筆)で同テーマを扱っている。1958年、七十七歳で死去。

マルセル・プルースト Proust,Marcel

(1871-1922)1871年、パリ郊外のオートゥイユ(現・パリ市)生まれ。父親は予防医学を専門とする大学教授、母親はユダヤ教徒。幼くして喘息(ぜんそく)の発作を起こし、以後、生涯にわたりこの持病に悩まされる。思春期から同性愛への傾きを示したが、代表作の『失われた時を求めて』(1913−1927)は、まだ同性愛を物語ることが憚(はばか)られていた時代に先駆けて、これを主題の一つに据えた画期的な小説でもある(語り手の恋人アルベルチーヌの造形には、作者が想(おも)いを寄せていたパイロット志望のイタリア青年が影を落としている)。コルク張りの部屋で外部の物音を遮断し、昼夜逆転の生活を送りながら同作全七篇の完成に没頭したが、五篇目以降は遺稿にもとづき死後に出版された。他の作品に『楽しみと日々』(1896年)、『サント=ブーヴに抗して』(1954年刊行)など。1922年、五十一歳で死去。

ポール・ヴェルレーヌ Verlaine,Paul-Marie

(1844-1896)1844年、ドイツ国境にほど近いメスで生まれる。学生時代からボードレールに傾倒し、二十二歳で処女詩集『土星人の歌』を出版。メロディアスで大胆な韻律と、憂愁を帯びた象徴主義的作風で知られる。市庁舎勤務、妻マチルドとの結婚、パリ・コミューンへの参加を経験し、かろうじて市民生活と芸術活動を両立させていたが、アルチュール・ランボーとの出会いをきっかけに退廃の道へと突きすすむ。1873年、愛憎の果てにランボーを狙撃(そげき)し、入獄。この時期のアヴァンチュールは『言葉なき恋歌』(1874年)に昇華されている。評論集『呪(のろ)われた詩人たち』(1884年)でランボーを世に知らしめ、晩年は「デカダンの教祖」として若い芸術家たちから崇(あが)められた。1896年、パリのボロ家で悲惨な境遇のまま五十一歳で死去。

アルチュール・ランボー Rimbaud,Arthur

(1854-1891)1854年、北仏のシャルルヴィル生まれ。父の不在と敬虔(けいけん)な母親の干渉に耐えかね、家出を繰り返す。十五歳から詩を書きはじめ、知人に宛(あ)てた「見者の手紙」では、すでに「狂気」を引き受ける詩人の使命が高らかに謳(うた)われていた。1871年、まだ見ぬ海を幻視した「酔いどれ船」をひっさげ、パリ詩壇に登場。「母音」「永遠」「尻(しり)の穴のソネット」(ヴェルレーヌとの共作)といった代表詩をものにする一方、あまりの悪童ぶりで周囲との軋轢(あつれき)を招いた。その後、ヴェルレーヌとの愛憎劇のなかで『地獄の季節』(1873年)を完成し、1875年には散文詩集『イリュミナシオン』を脱稿するが、ほどなく文学と決別する。放浪の旅をつづけ、最後はアフリカの武器商人に転生。1891年、骨肉腫(こつにくしゅ)で右足を切断し、マルセイユで死去。享年三十七歳。

ラシルド Rachilde

(1860-1953)本名マルグリット・エムリー。1860年、フランス南東部のクロ生まれ。軍人の父とオカルト好きの母のもとに育ち、幼い頃から異性装に親しむ。交霊術で降ってきた「ラシルド」という男性名を筆名とし、1884年、代表作の『ムッシュー・ヴィーナス』を発表。階級とジェンダーを越境する独創的なカップルを描いた同作は、たちまち物議をかもし、断罪されながらもスキャンダラスな成功を収めた。作家の夫とともに『メルキュール・ド・フランス』を創刊後、同誌が奉じた象徴主義の牙城(がじょう)となるサロンを主宰し、デカダン派の女王として君臨。他の作品に『サド侯爵夫人』(1887年)、『自然を逸する者たち』(同)、『マダム・アドニス』(1888年)、『超男性ジャリ』(1928年)など。若い男性間の性愛を多く描いたことから「古典BL作家」として近年注目を浴びている。1953年、九十三歳で死去。

ジャン・コクトー Cocteau,Jean

(1889-1963)1889年、パリ郊外の裕福な家庭に生まれる。九歳で父の自殺に見舞われ、少年時代には男子への片想いを経験。二十歳の頃から社交界の詩人として頭角をあらわし、やがて総合芸術に魅せられてバレエ作品を制作。以後、ジャンルを問わない前衛作家として驚異の夢を紡(つむ)ぎつづける。小説の代表作に『大胯(おおまた)びらき』(1923年)、『白書』(1928年)、『恐るべき子供たち』(1929年)があり、後者二つは男性間のホモエロティシズムが色濃い。レーモン・ラディゲやジャン・マレとの交際でも知られ、そうした青年たちとの「友情」は自伝『ぼく自身あるいは困難な存在』(1947年)に多く語られている。第二次大戦後は『双頭の鷲(わし)』(1947年)や『オルフェ』(1949年)など映画制作にも従事。1963年、親友エディット・ピアフの訃報(ふほう)に心臓発作を起こし、七十四歳で死去。

ジャコモ・カサノヴァ Casanova,Giacomo

(1725-1798) 1725年、ヴェネツィアで舞台役者の両親のもとに生まれる。十七歳のときパドヴァ大学で法学博士号を取得。在学中にヴェネツィアに戻り、いったんは聖職者の道を歩んだが、すぐに還俗(げんぞく)して自由奔放な生活をはじめる。音楽家、呪術師(じゅじゅつし)、スパイ、外交官など肩書きを次々に変えつつ、時に投獄の憂(う)き目に遭いながら、ヨーロッパを股にかける冒険の生涯を送った。あらゆる人種との交際、とりわけ女性遍歴がすさまじく、ドン・ファンとともに猟色家の代名詞的存在として名高い。れっきとしたイタリア人だが、1791年から書き継がれた『わが生涯の物語』(いわゆる『カサノヴァ回想録』)はフランス語で著されているため、広い意味でのフランス文学に属している。1798年、現在のチェコ共和国ドゥフツォフで落魄(らくはく)した身のまま七十三歳で死去。

ジャン・ジュネ Genet,Jean

(1910-1986)1910年、生後まもなく捨て子となる。里親のもとで教育を受けるも、盗みと脱走を繰り返し、十五歳で感化院に送致。その後も泥棒、男娼、密告者として「悪」の道をひたはしる。やがて独房で小説を書きはじめ、1944年、『花のノートルダム』を地下出版。これに目を留めたコクトーらの尽力で終身刑を恩赦され、晴れて作家に転生した。同時期の作品として、対独協力の少年兵とナチス将校の愛を織り上げた『葬儀』(1947年)、貧しい姉妹の反抗の「儀式」を劇化した『女中たち』(同)、「囚人服」を「薔薇(ばら)」に紐(ひも)づけて実人生を昇華させた『泥棒日記』(1949年)などがある。サルトルの『聖ジュネ』(1952年)で生ける伝説とされてからは、劇作と批評に専心。晩年は黒人民族主義やパレスチナ解放運動にかかわり、独自の政治参加を行った。1986年、七十五歳で死去。

ジョリ= カルル・ユイスマンス Huysmans,Joris-Karl

(1848-1907)1848年、パリのフラマン人の血をひく家庭に生まれる。はじめエミール・ゾラの弟子として自然主義を奉じたものの、1884年の『さかさま』(日本では澁澤龍彦訳の『さかしま』で流布)で新境地を開拓。「外から内への脱出」を試みる主人公の生活をつぶさに描き、そこにデカダン芸術の鋭い批評を混ぜ込んで、自然主義と象徴主義の架橋的存在となる。つづく『彼方(かなた)』(1891年)では当代の黒魔術事情に肉迫したが、やがて突き抜けてカトリックの本道に接近。自身の改宗にいたる長い道のりを『出発』(1895年)、『大伽藍(だいがらん)』(1898年)、『修練者』(1903年)といった私小説風の連作に結実させた。退廃派の作家でありながら、内務省の役人として勤続表彰を受けた〈まっとうなクズ〉。1907年、顎(がく)ガンのため五十九歳で死去。

マルキ・ド・サド(サド侯爵) De Sade,Marquis

(1740-1814)本名ドナティアン=アルフォンス=フランソワ・ド・サド。1740年、由緒(ゆいしょ)正しい貴族の家に生まれる。青年時代から美貌(びぼう)と秀才で鳴らしたが、放蕩(ほうとう)のかぎりを尽くしてスキャンダルを連発。その後も「変態」の本性を隠さず、大革命以来の政局の移り変わりに翻弄(ほんろう)されながら、生涯の大半を監獄と精神病院で過ごす。四十歳ごろから作品の執筆に乗り出し、囚(とら)われの身のまま、タブーなき文人としての活動を執念深くつづけた。代表作に『ジュスティーヌあるいは美徳の不幸』(1791年)、『閨房(けいぼう)哲学』(1795年)、『ジュリエット物語あるいは悪徳の栄え』(1797年)、『ソドム百二十日』(1785年執筆、1931年−1935年公刊)。1814年、ナポレオン帝政のさなか、パリ近郊のシャラントン精神病院で療養中に七十四歳で死去。

芳川泰久 ヨシカワ・ヤスヒサ

1951年、埼玉県生れ。早稲田大学文学学術院教授。著書に『闘う小説家 バルザック』、小説集『歓待』、翻訳にシモン『農耕詩』、プルースト『失われた時を求めて 全一冊』(角田光代と共編訳)など多数。

森井良 モリイ・リョウ

1984年、千葉県生れ。獨協大学フランス語学科専任講師。訳書にエリック・マルティ『サドと二十世紀』がある。小説『ミックスルーム』で文學界新人賞佳作。『特別な友情―フランスBL小説セレクション―』の編纂(へんさん)を担当。

中島万紀子 ナカジマ・マキコ

神奈川県生れ。早稲田大学文学学術院講師。訳書にレーモン・クノー『サリー・マーラ全集』など。初心者向けシャンソン歌唱指導のほか、多彩なフランス語講座を展開。

朝吹三吉 アサブキ・サンキチ

(1914-2001)東京生れ。パリ大学ソルボンヌ卒。慶應義塾大学名誉教授。ジュネ『泥棒日記』のほか、妹・登水子とのボーヴォワールの共訳でも知られる。

目次

ロジェ・ペールフィット
『特別な友情』(抄)(森井良訳)
Roger Peyrefitte, Les Amities particulieres, 1944
アンドレ・ジッド
『ラミエ』(森井良訳)
Andre Gide, Le Ramier, 2002
ロジェ・マルタン・デュ・ガール
『灰色のノート』(『チボー家の人々』第一部より)(中島万紀子訳
Roger Martin du Gard, Le Cahier gris, in Les Thibault, 1 ere partie, 1922
マルセル・プルースト
『ソドムとゴモラⅠ』(『失われた時を求めて』第四篇第一部より)(芳川泰久訳)
Marcel Proust, Sodome et Gomorrhe I, in A la recherche du temps perdu, tome IV, 1921
ポール・ヴェルレーヌ/アルチュール・ランボー
「尻の穴のソネット」(森井良訳)
Paul Verlaine / Arthur Rimbaud, ≪Sonnet du trou du cul≫, 1871
ポール・ヴェルレーヌ/アルチュール・ランボー
「往復書簡」(一八七三年七月三日・四日・五日・七日)(森井良訳)
Paul Verlaine / Arthur Rimbaud, Correspondance, 1873
ラシルド
『ムッシュー・ヴィーナス』(抄)(中島万紀子訳)
Rachilde, Monsieur Venus, 1884
ジャン・コクトー
「友は眠る」(森井良訳)
Jean Cocteau, ≪Un ami dort≫, 1948
ジャコモ・カサノヴァ
『わが生涯の物語』(第一巻第十一章より)(芳川泰久訳)
Giacomo Casanova, Histoire de ma vie, 1826-1838
ジャン・ジュネ
『泥棒日記』(抄)(朝吹三吉訳)
Jean Genet, Journal du voleur, 1949
ジョリ=カルル・ユイスマンス
『さかさま』(第九章より)(森井良訳)
Joris-Karl Huysmans, A rebours, 1884
マルキ・ド・サド
『閨房哲学』(第三の対話・第四の対話より)(森井良訳)
Marquis de Sade, La Philosophie dans le boudoir, 1795
仏文×BLのただならぬ関係 森井良
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