【特集】女たちの美術 アートに生きる!
芸術新潮 2019年3月号
(毎月25日発売)
発売日 | 2019/02/25 |
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JANコード | 4910033050391 |
定価 | 1,466円(税込) |
【特集】女たちの美術 アートに生きる!
巻頭特別読み物
アイダ・オキーフ
| Ida O’Keeffe |
“伝説の姉”ジョージア・オキーフの影に生きて…
取材・文 朽木ゆり子
祈り描く乙女たちと職業女性画家
文 加藤磨珠枝
レディー画家の世紀
文 陳岡めぐみ
女性画家活躍推進はオランダ黄金世紀に学べ
文 深谷訓子
夫婦で、父娘で 細密図譜のファミリー・ストーリー
文 前橋重二
女性たちの闘いと彼女たち
文 三浦篤
「インヴィジブル」たちの復権
文 伊東豊子
窮屈な時代を生き抜いた、パイオニアたちの輝き
文 太田佳鈴
世界へ飛び出せ! 女性洋画家から前衛まで
文 浦島茂世
私たちもお忘れなく!烈伝
マンガ:死後くん
その1 鋼のメンタルで人生サバイブの巻
その2 印象派を彩ったシティガールズの巻
その3 恋愛も創作もマイウェイの巻
その4 日本画壇を支えた「三都三園」は三者三様の巻
中野京子が読み解く画家とモデル[第11回]
フォンターナと《アントニエッタ・ゴンザレスの肖像》
世界の美術館で起きていること
本当の「リーディング・ミュージアム」の事例から
文 保坂健二朗
文 林央子
文 編集部
選・文 芦田彩葵
フェミニズム・アート事件簿
構成・文 浦島茂世
イラストレーション 別府麻衣
◆ 第2特集 ◆
岡上淑子
そのおくゆかしきアナキズム
文 藤野可織
◆ Art News exhibition ◆
子供の線で描きたい!
村上早の絵の中の悲惨なこと、その他
◆ Art News exhibition ◆
イケムラレイコ
連鎖する16の物語
文 浦島茂世
◆ Art News book ◆
横尾忠則が描いた肖像画119人133点
◆ Review ◆
- 山本昌男
- 野又穫「終わりのむこうへ:廃墟の美術史」展より
- アントニ・タウレ/大和美緒
◆ Global News ◆
- Paris「ジャン=ジャック・ルクー 妄想の建築家」展
- Wien「空新世 トマス・サラセーノ」展
- New York「デイナ・シャッツ:私とあなたを想像してみて」展
- Milano「ロマン主義」展
◆ Regular Features ◆
◇ 巻頭 ◇
ちょっといいで書?〈23〉
ストリートで見つけた気になる字
選・文 中澤希水
Goods & Shop
時と光の美術館〈23〉
フレッド
リ・アルティジャーニ
ルネッサンス画家職人伝〈17〉
ヤマザキマリ とり・みき
◇ 連載 ◇
海外アートStudy最前線〈45〉
文 前橋重二
定形外郵便〈57〉
文 堀江敏幸
千住博の往復書簡〈8〉
宛先 山下達郎様
千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈54〉
◇ PICK UP ◇
movie 野崎歓
book 諏訪敦
recommend 編集部のおすすめ!
成相肇の やっかい もっかい てんらんかい〈35〉
exhibition 全国展覧会情報
次号予告
▼芸術新潮特別企画
三嶋哲也が描く、魔性の絵肌
手塚雄二
作品がつむぐ物語
深作秀春新作展~21の記憶~
爆発が止まない、意識下のマグマ
連載 美に魅せられて/アジア文化芸術協会〈29〉
岡寺の如意輪観音坐像
釘町 彰「マチエールの中で微調整され続ける絵画」
ART CAFÉ
Gallery's Plaza
最新号PICK UP
「彼女たち」を探して
数年前までは当たり前のように使われていた「女流画家」もしくは「閨秀画家」といった呼称は、今や死語となった。
アート作品を前に、作者の性別(ジェンダー)を取沙汰する意味がなくなった現在、なぜ「女性」画家の特集を組むのですか?という問いかけは、当然あることと思う。
しかし、保坂健二朗氏(東京国立近代美術館主任研究員)による寄稿からも明らかであるが、近年、世界の主要美術館で「女性画家」の掘り起こし、男性画家に偏ったコレクションの「是正」が盛んに行なわれている事実に注目したい。
古くは中世の写本画家に始まり、近代に至るまで、「女性」画家が、男性と同等の立場で創作を行なってきたとは言えないわけで、歴史に埋もれてきた彼女たちを再発見することで、新しいアート・ヒストリーが見えてくるのではないか。
そんな思いで編まれたのが、本特集である。
アート作品を前にして、作家の性差を問うことはもはや意味をなさなくなってきました。
そんな現代だからこそ、古今の「女性」芸術家たちの活動を見つめ直してみたい。
移り変わる時代と、それぞれの置かれた境遇のなかで、彼女たちは何を、どのように表現してきたのか?
彼女たちの作品は、どのように評価されてきたのか?
中世の写本画家から近現代のアーティストまで、斜め上をゆく才能を発揮した女性たちが誌上で競演します。
この号の誌面
編集長から
女性作家でたどるもう一つの物語
「アートに生きる!」と覚悟しても女性は正当に評価されない。美術界におけるその風潮はじつに長く続き、広く女性作家が活躍するようになったのは20世紀も後半になってから。昨今、欧米の美術館で看過されていた女性作家を見直す動きが強まっており、本誌も女性たちの活動を追ってみることにした。中世ヨーロッパでは修道女が写本制作に没頭。世界に先駆けて市民社会を築いたオランダは、例外的に17世紀には女性画家が多数輩出。自然科学が注目された19世紀は、学者である夫や父を助けるべく博物図譜の挿絵を描いた妻や娘も。20世紀に入っても時代が急転換したわけではなく、偉大なる姉ジョージア・オキーフの陰に隠れ、不遇に終わった妹アイダのような画家がいる。日本でも、近世以降は狩野派や浮世絵、南画の世界で活躍した女性の作品が残っている。知られざる美術史を注視すべし。
今月号は、別冊付録「アートフェア東京2019 見どころガイド」もご活用を!
芸術新潮編集長 吉田晃子
バックナンバー
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雑誌から生まれた本
芸術新潮とは?
「暮らし」はアートであるをキャッチフレーズにあらゆる事象を「芸術」という観点から検証し、表現する「芸術新潮」。1950年に創刊され、歴史と文化を見続けてきたハイクオリティなアートマガジン。歴史的な芸術作品から、建築、古美術、現代アートまで、あらゆる「美しきもの」を独自の切り口で紹介しています。