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【特集】時を超えるクリムト

芸術新潮 2019年6月号

(毎月25日発売)

1,466円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2019/05/25

発売日 2019/05/25
JANコード 4910033050698
定価 1,466円(税込)
●目 次

【特集】時を超えるクリムト

Premium Interview
稲垣吾郎が語るクリムトとべートーヴェン、そして僕


SESSION1
腕利き職人から“クリムト”へ


クリムトのアカデミスム3段活用
文 前田朋美


SESSION2
新たなる芸術をめぐる戦い


クリムトとその伴走者たち
文 池田祐子

ジャポニストとしてのクリムト
文 西川智之


SESSION3
輝け! クリムト・レディーたち


美的革命をもたらしたクリムト・ファッション
文 古川真宏

現地特別紀行
風景画でめぐるアッターゼー


SESSION4
絡みあう生と死、拮抗する色と闇


黄金から色彩へ
クリムトの変貌
文 千足伸行


  • ざっくりクリムト一気読み
  • 〈1〉1862-1896
    新生ウィーンで大躍進!
    時代の波に乗った学友トリオ
  • 〈2〉1897-1905
    ウィーン分離派を率いて
    リーダーとして迎えた2度の転機
  • 〈3〉1906-1910
    黄金様式の極みへ
    名声とスキャンダルのはざまで
  • 〈4〉1911-1918
    道なかばの死
    世紀末の夢の終わり

COLUMN1 自画像を描かなかった画家の意外な素顔
COLUMN2 アップデートされるクリムト

クリムトを見るなら!
ベルヴェデーレ宮殿案内



◆ 第2特集 楽都今昔ものがたり◆

PART1
西村由紀江がいざなう世紀末ウィーン

PART2
ウィーンの音と暮らす
伝説の巨匠との出会い
文 菊池洋子

◆ Art News exhibition ◆

原画でもっと! 楽しむムーミン
選・コメント ヒグチユウコ

◆ Art News performance ◆

舞台『海辺のカフカ』、パリへ行く

◆ Art News exhibition ◆

村山槐多の没後100年に、まさかの新出100点

滲みに宿る天意――片野元彦の藍染絞あいぞめしぼり

◆ 特別対談 ◆

レオナルド没後500年記念 特別放談 前編
池上英洋×ヤマザキマリ
未完の美インフィニタ”こそレオナルドの真骨頂!?

◆ 短期集中連載 ◆

レオナルド・ダ・ヴィンチ500年目の真実
万能の天才が探究していたのは何だったのか
[第1回]透視図法パースペクティヴという革命とレオナルド、デューラーの苦闘
文 前橋重二



◆ Review ◆

「櫛野展正のアウトサイド・ジャパン展」より/鞆岡隆史/「家畜 ―愛で、育て、屠る―」展より/「藝大コレクション展 2019」より



◆ Global News ◆

  • Milano「アンブロジアーナのラファエッロ 最初のカルトン」展
  • London「ヘンリー・ムーア:ヘルメット・ヘッド」展
  • Paris「黒人モデル ジェリコからマティスまで」展
  • New York「リンカーン・カースティンのモダン」展



◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

ちょっといいで書?〈26〉
ストリートで見つけた気になる字
選・文 中澤希水

Goods & Shop

時と光の美術館〈26〉
ハリー・ウィンストン

◇ 連載 ◇

定形外郵便〈60〉
文 堀江敏幸

原田マハ、美のパイオニアに会いに行く〈24〉
大野和士

中野京子が読み解く画家とモデル〈14〉
ギュスターヴ・モローと《ピエタ》

千住博の往復書簡〈11〉
宛先 林真理子様

千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈57〉

◇ PICK UP ◇

movie 野崎歓
book 諏訪敦
recommend 編集部のおすすめ!
成相肇の やっかい もっかい てんらんかい〈38〉
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

▼芸術新潮特別企画

フサロ&ワイズバッシュ
共に歩んだ画商が語る画家たちの素顔

GINZA 画廊の夜会
永井画廊/日動画廊/ギャルリーためなが/秋華洞/至峰堂画廊 銀座店/銀座ジャンセンギャラリー/門司ファインアートギャラリー

Gallery's Plaza
ART CAFÉ

最新号PICK UP

クリムト再発見

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ウィーンの分離派会館、《ベートーヴェン・フリーズ》の展示室にて。撮影:筒口直弘(本誌)

 クリムトと聞いてまず思い浮かぶのは、煌びやかな黄金に包まれた官能的な女性、世紀末芸術の爛熟と頽廃の美……といったイメージでしょうか。ところが今回の特集取材を進めるうちに見えてきたのは、そんな常套句では表現しきれない、革新的で多彩なクリエイターとしてのクリムト像でした。クリムト作品の撮影に訪れたウィーンでは、一見保守的な美しい街並みの中に新旧の文化が入り混じり、“革命児”クリムトを育んだこの都市の懐の深さを実感。そして西へ約250キロ、クリムトが毎夏を過ごし風景画を描いたアッターゼーでは、この湖畔を愛した画家の素顔が見えてくる、美しい自然が待っていました。

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白鳥で大賑わいのアッターゼー。クリムトが愛した美しさは今も変わらない。撮影:筒口直弘(本誌)

 それらの現地撮り下ろし写真とともに、クリムトの代表作の数々を掲載。その多面性に迫るべく、5名の専門家に寄稿して頂きました。ただいま開催中の「クリムト展」スペシャルサポーターの稲垣吾郎さんが語る、ウィーンとクリムトの魅力、芸術家論も必見です。
 みなさんのクリムト観がさらに広がることを願って作った特集号です。どうぞお楽しみください。

 クリムト展 ウィーンと日本 1900
4月23日~7月10日 東京都美術館
7月23日~10月14日 愛知・豊田市美術館

この号の誌面

編集長から

反骨と革新 クリムトの素顔

《接吻》に代表されるように、クリムトといえば黄金に彩られた作品をイメージする方が多いだろう。だが、その表現に至るまでにはさまざまな変遷があり、黄金様式を確立したあとは色彩に目覚めるようにもなる。表現の紆余曲折もあるが、人生も決して穏やかなものではなかった。貧窮する生家、共同でアトリエを構えた弟エルンストの夭折、ウィーン大学講堂のための天井画に対する酷評の嵐、女性スキャンダル――苦境を乗り越えて国際的な名声を手にするも、55歳で生涯を閉じた。彼の人生と作品はどのように並走していたのか、その全容に迫る。《ベートーヴェン・フリーズ》をはじめ、“クリムトの殿堂”であるベルヴェデーレ宮殿、風景画を描いたお気に入りの避暑地など、現地取材による圧巻の写真とともにお楽しみください。
 第2特集ではウィーンの音楽界に注目。クリムトが生きていた時代を西村由紀江、現代を菊池洋子、ふたりのピアニストが案内する。

芸術新潮編集長 吉田晃子

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