【特集】謎解き鳥獣戯画
芸術新潮 2020年7月号
(毎月25日発売)
発売日 | 2020/06/25 |
---|---|
JANコード | 4910033050704 |
定価 | 1,500円(税込) |
【特集】謎解き鳥獣戯画
│小説│鳥獣戯画縁起
彼女たちのやりたいこと会議
藤野可織
折込み
《鳥獣戯画》を隅から隅まで見てみよう
まずは押さえておきたい
《鳥獣戯画》の基礎の基礎
- 第一章 ここまでわかった鳥獣戯画
解説 土屋貴裕 - [甲巻]細部に注意!で見えてくる絵師2人の競演
- [乙巻]描いたのは宮廷絵師、それとも絵仏師?
- [丙巻]修理で浮かんだ新事実
- [丁巻]名人のくずし描き!?
- 知ってる遊び、知らない遊び
中世のまちかどから - 結びに――《鳥獣戯画》はどこから来たのか
- 第二章 高山寺夢紀行
明恵上人と鳥獣戯画のみてら - 明恵上人が遺した気になる寺宝
文 宮田珠己 - 『夢記』ヴィジュアルガイド
絵 伊野孝行
- 第三章 その後のカエルとサルとウサギたち
- 三大動物×ベスト5
選+文 金子信久 - ニッポン動物絵画略史
文 金子信久
展覧会案内
◆ Art News book ◆
鈴木理策
写真がなくてもそこにある風景
◆ Art News report ◆
緊急寄稿シリーズ 第2弾
新型コロナウイルスと美術の現場
西澤寛 森村泰昌 木下直之 綿江彰禅 原田マハ
◆ 短期集中連載 ◆
諏訪敦の
オレたち静物画探検隊〈2〉
静物ヲ考ヘル
◆ Regular Features ◆
◇ 巻頭 ◇
御贔屓 御馳走帖〈7〉
選・文 森川裕之
Goods & Shop
時と光の美術館〈39〉
ジャケ・ドロー
◇ 連載 ◇
リ・アルティジャーニ
ルネッサンス画家職人伝〈25〉
ヤマザキマリ とり・みき
海外アートStudy最前線〈55〉
文 前橋重二
図書館を建てる、図書館で暮らす〈2〉
引っ越し魔の住居放浪記
文 橋本麻里
定形外郵便〈72〉
文 堀江敏幸
あの人と食器棚〈6〉特別編
伊藤まさこ
千住博の往復書簡〈24〉
宛先 河瀨直美様
千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈69〉
◇ PICK UP ◇
movie 野崎歓
book 諏訪敦
recommend 編集部のおすすめ!
新連載 ぐるぐるキョロキョロ展覧会記 小田原のどか〈1〉
exhibition 全国展覧会情報
次号予告
▼芸術新潮特別企画
連載 美に魅せられて/
アジア文化芸術協会〈37〉
東大寺 法華堂《梵天・帝釈天立像》
Gallery's Plaza
「REVIEW 編集部の展覧会見て歩き」「GLOBAL NEWS」は今月休載します。
最新号PICK UP
綴じ込み付録で
《鳥獣戯画》全巻全場面の
見どころをチェック!
この夏、開催予定だった特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」(東京国立博物館)は、残念ながら来春までおあずけに。小誌編集部もとても楽しみにしており、というのも、同展では史上初めて《鳥獣戯画》の全4巻、全場面を一堂に展示することになっていたのだった。
もともと4巻は独立した内容をもつため、4巻まとめて見る必然性はさほどないといえばないのだけれど、だからというか、どうしても人気の甲巻(擬人化されたカエル・サル・ウサギなど動物たちが活躍する第1巻)ばかりに注目があつまり、乙丙丁の3巻については印象が薄かった。
けれどもあらためて4巻すべてを見渡すと、実在・架空の動物たちが悠揚とあそぶ乙巻もしみじみといいし、丙巻はちょっと見方を工夫すると(←本誌を見てね!)俄然輝きを増す。ぱっと見、落書きふうの丁巻はじつは巧者の手すさびで、そうと知ってじっくり見れば、タダモノではないオーラが滲み出ている。
というわけで本特集では、全巻全場面を綴じ込み付録で一挙掲載。注目場面にはそれぞれコメントをつけ、自分で言うのもなんですがこれは想像以上にたのしいです!
この号の誌面
編集長から
《鳥獣戯画》の全巻全場面を楽しむ
ウサギとカエルがサルを追いかけまわしたり、ウサギとカエルが相撲をとったり――。《鳥獣戯画》といえば、そんな愛らしく楽しい場面が思い浮かぶ。じつはこの絵巻、甲、乙、丙、丁の4巻からなり、前述のようなよく知られるシーンはもっぱら甲巻に登場する。今月号では全巻全場面を一挙掲載し、その愉快な描写を隅から隅まで追いかけてみた。近年の解体修理で得られた新知見も紹介。たとえば、甲巻の前半と後半で紙が異なることが判明し、前後半で描き手が違うのでは? という従来の指摘が裏付けられた。甲乙は平安時代の作、丙丁はそれより下るとされてきたが、丙巻は甲巻より古い可能性も浮上。
《鳥獣戯画》が伝わった高山寺ゆかりの僧、明恵の遺品に思いをはせるのは、エッセイストの宮田珠己氏。石ころを愛蔵したり、島に宛てて手紙を書いたり、明恵上人はユニークな傑僧なのだ。また、日本の動物絵画を俯瞰する企画も。そこに伝わる《鳥獣戯画》の遺伝子を探る。
芸術新潮編集長 吉田晃子
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
芸術新潮とは?
「暮らし」はアートであるをキャッチフレーズにあらゆる事象を「芸術」という観点から検証し、表現する「芸術新潮」。1950年に創刊され、歴史と文化を見続けてきたハイクオリティなアートマガジン。歴史的な芸術作品から、建築、古美術、現代アートまで、あらゆる「美しきもの」を独自の切り口で紹介しています。