【特集】全身写真家。森山大道
芸術新潮 2026年7月号
(毎月25日発売)
| 発売日 | 2026/06/25 |
|---|---|
| JANコード | 4912033050760 |
| 定価 | 1,700円(税込) |
【特集】全身写真家。森山大道
巻頭グラフ
生涯篇
森山大道を知るための七章
──シャイな少年が世界的写真家になるまで
談 大竹昭子
プロローグ 私が彼の評伝を書いた理由
第一章 学校ぎらいの読書好き
第二章 東京で写真家になる
第三章 毀誉褒貶の「プロヴォーク」時代
第四章 スランプと「寫眞學校」
第五章 内省と記憶への旅
第六章 「hysteric」とカルティエ展
第七章 より素朴にシンプルに
INTERVIEW
『国宝』と新宿と森山さん
吉田修一
作品篇
世界をスナップする水平な視線
──森山写真の魅力のヒミツ
解説 チアゴ・ノゲイラ
インタビュアー 大竹昭子
リアリズムを乗り越える『にっぽん劇場写真帖』
ロードムービーの疾走感『映像の現代10 狩人』
写真へのラブレター『写真よさようなら』
原景をつかまえる『光と影』/『犬の記憶』
現実を拡張する眼『記録』(1~63号)
次世代によって複製される森山DNA
──奈良女子大のプロジェクトより
森山的読書案内
──写真家の本棚を覗く
選・文 大竹昭子
主要参考文献
◆ 第2特集 ◆
海外発プロジェクトが照らす
日本女性写真家の新しい歴史
ゲストエディター 安藤菜穂子
◆ Art News exhibition ◆
東ドイツの女性たちが切り取った
社会とわたし
◆ Review ◆
- 三沢厚彦×棚田康司
- 「大江戸礼賛」展
- アン・ジサン
- 川浦紗季・波多野亜耶「Two to the power of four 日本の現代陶芸と出会って50年 ロンドンの視点から」展より
◆ Regular Features ◆
◇ 巻頭 ◇
Goods & Shop
時と光の美術館〈111〉
ショパール
とんぼの手帖〈31〉
無個性の奥にある情感
◇ 連載 ◇
定形外郵便〈143〉
文 堀江敏幸
新連載
藝大×企業、21世紀の挑戦
社会を変えるアート〈1〉
─イントロダクション
─藝大×小田急電鉄
シティ・ポップ・アート〈7〉
立花ハジメ デザインと音楽と
文 吉村栄一
ウホッ! いいアート〈12〉
ギリシアの神々
──ホモエロティックという表現
文 入江敦彦
千住 博の
知となり肉となり〈36〉
世界で活躍するには
山下裕二の
新・今月の隠し球〈52〉
牧野邦夫(下)
福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈40〉
蜂谷宗苾さん
◇ PICK UP ◇
- movie 佐々木敦
- book 諏訪 敦
- recommend 編集部のおすすめ!
- ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈71〉
小田原のどか - exhibition 全国展覧会情報
- ART CAFÉ SPECIAL
- ART CAFÉ
- 読者アンケート
- GALLERY'S PLAZA
- 次号予告
▼芸術新潮特別企画
パテック フィリップ
文字盤に綴られた寓話──「カラスとキツネ」が時を告げる 文・並木浩一
東京美術倶楽部はアートのひみつ基地〈6〉KOGEI GENE/工藝人がめざすもの
連載 美に魅せられて アジア文化芸術協会〈73〉
法隆寺 金堂《四天王立像》
「THE 軽井沢ビール」もう一杯飲みたくなる美しい味
最新号PICK UP
森山大道のDNA
「ブレたままの写真が多い森山さんの作品は、失敗したもののように見えました」という女子大生の言葉は、衝撃的でした。アレ、ブレ、ボケ──森山大道の写真に特有のように言われる三要素は、1968~69年に発行された同人誌「プロヴォーク」の特徴でもあり、多分に「反芸術」時代の空気をはらんだもの。しかし、なるほど昨今のデジタルカメラやスマホでは、写真をアレさせ、ブレさせ、ボケさせて撮影する方が難しいかもしれません(それっぽい写りになるアプリはありますが)。
昨年、奈良女子大学の学生たちが取り組み、森山大道の写真を素材として扱うユニークな展覧会が、入江泰𠮷記念奈良市写真美術館で開催されました(今年9月には東京都写真美術館にもやってきます)。特集内では、展覧会を企画・監修した指導教授や学生たちに座談会をしてもらっています。森山大道の作品どころか名前さえ知らなかった女子大生たちは当初、「これって盗撮?」など、戸惑い気味だったそうです。カメラ機材が大きく進化し、コンプライアンスも変容した今、森山大道の写真を彼女たちがどう受け止め、解釈し、クリエーションへと昇華させていったのか、そのプロセスを、ぜひ誌面でおたしかめください。
この号の誌面
編集長から
撮ればとるほど、世界は面白くなる! 最高の森山大道入門
特集「全身写真家。森山大道」では、現在最高の2人の案内役が、その魅力を読み解く。
片や大竹昭子氏は、『写真があってよかった。─森山大道伝─』(小社刊)を刊行したばかり。シンプルなカメラでスナップショットを重ね、無意識の領域をあぶり出そうとする森山に共感を惜しまない大竹氏の語りは、稀代の写真家の人生の歩みを追うことを通じて、戦後日本の写真史の陰影を浮かび上がらせる。
片や世界巡回の回顧展を立ち上げたブラジル人キュレーターのチアゴ・ノゲイラ氏は、6つの写真集を軸に森山の表現世界の特質に迫る。専ら私的関心に基づいて制作するかに見える森山だが、写真を欧米式のエリート主義から解放しようとする点では一貫して政治的なのだとノゲイラ氏は述べる。
写真は表現に偶然性を引き込むが、第2特集では日本の女性写真家の、art newsでは東ドイツのやはり女性写真家の歴史をたどる展覧会に注目。図らずも、写真を多角的に見つめる号となった。
芸術新潮編集長 高山れおな
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