[書評]
市田隆/「匿流」犯罪の本質に迫る人物造形
日本のハードボイルド・犯罪小説の第一人者として活躍している作家・黒川博行さんは作品を構想する時、時々の世相を反映した犯罪についての資料を読み込み、様々な関係者に取材するなど、入念に下調べすることで知られている。「週刊新潮」で一年三カ月にわたり連載された本作『流砂』は、その下調べの成果が見事に結実した犯罪小説の最新作だ。近年、ニュースにならない日はなかったように思えるほど全国で頻発した「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)」による強盗、特殊詐欺などの事件の実相を隅々まで描き出している。[→]全文を読む