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今月の表紙の筆蹟は堀江敏幸さん。
[堀江敏幸『その姿の消し方』刊行記念インタビュー]

波 2016年2月号

(毎月27日発売)

100円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2016/01/27

発売日 2016/01/27
JANコード 4910068230263
価格 100円(税込)

[堀江敏幸『その姿の消し方』刊行記念インタビュー]

ダニエル・アラルコン、藤井 光/訳『夜、僕らは輪になって歩く』
野谷文昭/透明な語り口と深まる〈謎〉

石田衣良『水を抱く』
花房観音/セックス以上に確かなものなんて存在しない

ドリアン助川『あなたという国―ニューヨーク・サン・ソウル―』
ドリアン助川/あのテロがなかったら

[宮内悠介『アメリカ最後の実験』刊行記念特集]

西村京太郎『神戸電鉄殺人事件』
山前 譲/尽きることのない好奇心が生み出した異色作

[小笠原慧『あなたの人生、逆転させます―新米療法士・美夢のメンタルクリニック日誌―』刊行記念]
【インタビュー】岡田尊司/「ドクター奥田は、私の理想です」

彩藤アザミ『樹液少女』
千街晶之/手の込んだ謎解きと怪談のような余韻

一條次郎『レプリカたちの夜』
江南亜美子/パースペクティヴのゆがんだ世界

矢野隆『凜と咲きて』
細谷正充/斬と裂き、凜と咲く

上田岳弘『異郷の友人』
高橋源一郎/いい小説の条件

[出口治明『「全世界史」講義 Ⅰ古代・中世編/II近世・近現代編―教養に効く!人類5000年史―』刊行記念特集]
【インタビュー】出口治明/歴史はたった一つ
成毛 眞/学びを超えた知的エンターテインメント

松木武彦『美の考古学―古代人は何に魅せられてきたか―』
橋本麻里/造形の歴史を読み替える

佐々木敦『ゴダール原論―映画・世界・ソニマージュ―』
保坂和志/ゴダールの飽くなき闘争

新潮社編『私の本棚』
幅 允孝/本の重みは何にも勝る

川島なお美・鎧塚俊彦『カーテンコール』
最後の一年で女優が書き遺したもの/新潮社企画編集部

宇野維正『1998年の宇多田ヒカル』
宇野維正/ヒット曲が生まれなくなった理由

【追悼・フジモトマサルさん】長嶋 有/触れたように思った

【追悼・野坂昭如さん】水口義朗/狐につままれた名作

「書評」という水先案内人を集めて/Book Bang編集部

コラム
考える人―病気で「ハッピー」???

コナン・ドイル、延原謙/訳『シャーロック・ホームズの帰還』踊る人形
原 幹恵/映画になった新潮文庫

三橋曉の海外エンタ三つ巴


連載
新連載 森 功/暗黒事件史 日本を変えた犯罪者たち
荒山 徹/歴史の極意・小説の奥儀 第11回
橘 玲/残酷すぎる真実 最終回
津村記久子/やりなおし世界文学 第21回
大竹 聡/酔いどれ紀行 第5回
石原千秋/漱石と日本の近代 第32回
堀本裕樹、穂村弘/俳句と短歌の待ち合わせ 第30回
森まゆみ/子規の音 第25回
佐藤賢一/遺訓 第2回
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第71回
木皿 泉/カゲロボ日記 第22回
津村節子/時のなごり 第53回

編集室だより  新潮社の新刊案内  編集長から  カット 水上多摩江

編集長から

今月の表紙の筆蹟は堀江敏幸さん

◇今月の表紙の筆蹟は、堀江敏幸さんです。新作『その姿の消し方』はおよそ三年半ぶりの長篇小説で、一枚の古い絵はがきから始まる物語です。主人公が留学生時代にパリの蚤の市で購入した絵はがきに記されていた一篇の詩。その詩が醸し出す「深い海の底に沈んでいくような感覚」に惹かれた主人公は、差出人「アンドレ・L」の素性を知るべく様々な手段を講じます。やがて彼が書いた絵はがきを数枚入手しますが、宛先は同じ女性で、しかも彼女に語りかけるような同調の詩が書かれていました。この謎の「詩人」は誰なのか。主人公は長い歳月をかけて彼の人生と詩の背景を炙り出していきます。全篇にミステリアスな叙情が漂う名品です。堀江さんご愛用のペンで書いていただいたのは物語の核となる詩の数々で、ご覧のようにすべて10~11字×10行の矩形に収められています。その中の一篇に登場する「巨大草食獣」を思わせる文鎮は、堀江さんがスペインの“駅中”の売店で買い求めた愛らしい姿の置物です。
◇“独立研究者”森田真生氏の初の著書『数学する身体』が好評で版を重ねています。数学の歴史をたどりながら人間が数学を行うことの意味を掘り下げた壮大な視野の論考ですが、その中で森田氏は自らの数学人生の端緒として偉大な数学者・岡潔との邂逅について触れています。僅か十編の論文のみで世界的評価を得た岡潔は、晩年に一般向けの随想を数多く残しました。人間の心の本質を追究して紡いだ文章の美しさは半世紀を経ても色褪せず、近年文庫等で復刊もされていますが、弊社でも二月に森田氏の編による『数学する人生』を刊行します。未発表の「最終講義」の音源から編集した文章も収録された、岡潔を知るうえで格好の一冊です。
◇橘玲氏の刺戟的で知的発見に満ちた連載『残酷すぎる真実』は今月で終了し、四月に新潮新書より刊行の予定です。来月号からは人気コラムニスト、ジェーン・スー氏の「父」をめぐるエッセイと、社会学者・大澤真幸氏による「山崎豊子論」が始まります。どうぞご期待ください。

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バックナンバー

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雑誌から生まれた本

波とは?

1967(昭和42)年1月、わずか24頁、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後といった時代でした。この後、1969年に隔月刊に、1972年3月号からは、毎月刊行の月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしました。

 創刊号の目次を見てみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行した北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイ。続く「最近の一冊」では、小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイ。続いて「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 以来41年、2007(平成19)年6月号で通巻450号を迎えました。読書情報誌としての重要な役割の情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。小川国夫『青銅時代』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、遠藤周作『イエスの生涯』(「聖書物語」を改題)、小林信彦『ちはやふる奥の細道』『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』などなど。

 2007年1月号からはレイアウトもリニューアル、頁数も増え128頁となりました。これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みで、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。