【創作】蓮實重彦
【特集】川上弘美×松家仁之「素顔の丸谷才一」
【対談】山極寿一×小川洋子「世界の一回性を受け止める」
新潮 2026年2月号
(毎月7日発行)
| 発売日 | 2026/01/07 |
|---|---|
| JANコード | 4912049010260 |
| 定価 | 1,200円(税込) |
【創作】
◆ポンテコルヴォ、または「純白の夜」いかがわしくも色づきて/蓮實重彦
講和条約締結が間近に迫るなか二朗はチェアーに横たわる。GHQの統治を横目に、彼の拳銃は暴発を堪えうるか?
【短期集中連載】
◆木蓮記(中篇)/奥泉 光
天狗党の乱、筑波山と神隠しの関係、幕府の伝習隊──筧親トンビ家の男児五人に、明治維新の足音が忍び寄る。
【掌篇】
◆節分/筒井康隆
【詩】
◆入院詩篇/池澤夏樹
【創作】
◆アンリ・ラングロワの墓/松本圭二
癌を患い入院中の詩人にさまざまな想念が渦巻く。ブルース・リーとの対話、忘れがたい詩人、そして我が命運。
【連載小説】
◆痴れ者(第2回)/上田岳弘
被験者である僕を、研究所で待ち受ける関係者たち。初耳の事実に戸惑いつつも、一週間の京都滞在が始まる。
【連作】
◆あなたたちはわたしたちを夢みる/川上弘美
◆バイシャジャグル/高山羽根子
■■ 特集 素顔の丸谷才一 ■■
◆[講演]たった一人の反乱/松家仁之
◆[講演]俳句と歌仙/川上弘美
◆[対談]丸谷才一、人と仕事/川上弘美×松家仁之
◆[発掘]『リアリズム』を廻つて 鶴岡市立朝暘第一小学校への手紙/丸谷才一
生誕百周年を機に、故郷の山形県鶴岡市で記念行事が開かれた。三島由紀夫との対比、句作に見られる遊び心。生前に薫陶を受けた二人の後輩作家の講演・対談と発掘原稿により、「新しい文学者」としての姿に光を当てる。
【評論】
◆日本語の幸せと女手/水村美苗
「漢字かな交じり文」の源流には平安女流文学があった。紫式部文学賞を受け明かされる『大使とその妻』の企み。
【対談】
◆世界の一回性を受け止める──サイエンスとフィクションのあいだ/山極寿一×小川洋子
物語はいつ生まれたか。人間は動物から何を学ぶべきか。霊長類学者と小説家の対話が照らす、私たちの未来。
【聴講記】
◆幸福な時間/小澤征良
【新連載】
◆光源の旅(第1回)ネパール・カトマンズ/石川直樹
八千メートル超の山々十四座を制覇したあとも冒険は続く。過去の記憶も交え綴られる、最新のドキュメント。
【連載評論】
◆大滝詠一と私(第2回)/湯浅 学
「颱風」を聴いた私は、これが自分の生きる道だと思った。はっぴいえんどの楽曲に刻まれた、大滝の特異性。
【リレーコラム 街の気分と思考】
◆夢の韓国旅/マーサ・ナカムラ
◆会いたいのは北大路欣也だけ/ゆっきゅん
【新潮】
◆書記長たちのユートピア・ソ連/池田嘉郎
◆ビルを建てるように本を編む/木村奈緒
◆エレキソルトスプーン/坂本 湾
◆徳収支/更地 郊
◆ポロポロ/富田ララフネ
【書評委員による 私の書棚の現在地】
◆彩瀬まる『みちゆくひと』/高瀬隼子
◆イーユン・リー『自然のものはただ育つ』(篠森ゆりこ 訳)/小池水音
【本】
◆多和田葉子『研修生』/岡田利規
◆山本浩貴『フィクションと日記帳──私らは何を書き、読み、引き継いでいるのか?』/金川晋吾
【連載小説】
◆山吹散るか ほろほろと(第7回)/辻原 登
◆マイネームイズフューチャー(第10回)/千葉雅也
【連載評論】
◆雅とまねび──日本クラシック音楽史(第13回)/片山杜秀
◆独りの椅子──石垣りんのために(第18回)/梯 久美子
◆小林秀雄(第124回)/大澤信亮
第58回新潮新人賞 応募規定
執筆者紹介
この号の誌面
編集長から
水村美苗「日本語の幸せと女手」
蓮實重彦「ポンテコルヴォ、または「純白の夜」いかがわしくも色づきて」
◎私たちが普段用いている「漢字かな交じり文」は奇跡的に成立したものである──水村美苗氏は『日本語が亡びるとき』で書き言葉としての日本語の歴史を辿り、英語が標準語となる世界での存亡の危機を訴えた。あれから約二十年。紫式部文学賞受賞に際して書かれた評論で水村氏は「ひらがな」の誕生に別角度から光を当て、それがかつて「女手」と呼ばれていたことに着目する。では、『源氏物語』の引用もなされる『大使とその妻』の語り手はなぜアメリカ人男性であったのか? 創作と批評が深く結びついた作家ならではの企みが、受賞の機を予見していたかの如く鮮やかに明かされる◎蓮實重彦氏が書き継いできた『伯爵夫人』の後日談が三部作として完結を迎えた。今作の舞台はGHQの存在も色濃い、戦後まもなくの日本。二朗は敗戦の恨みを晴らすかのように、四畳半で謎めいた女マギーと格闘する。漢字とかな、時には欧文まで躍動する本作もまた、かの国に対する甘い復讐なのかもしれない。
編集長・杉山達哉
バックナンバー
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雑誌から生まれた本
新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。
■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。
■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。
■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。














































