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【創作】村上春樹「夏帆とモーターサイクルの男、そしてスカーレット・ヨハンソン」
【新連載】池澤夏樹×田口耕平 大森静佳

新潮 2026年3月号

(毎月7日発行)

1,200円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2026/02/06

発売日 2026/02/06
JANコード 4912049010369
定価 1,200円(税込)

【創作】
夏帆とモーターサイクルの男、そしてスカーレット・ヨハンソン──〈夏帆〉その4(完結)/村上春樹
“あなたはあなた自身の物語る世界の中心にいる”──ありくいの奥さんの言葉を胸に、夏帆は守護天使に見守られつつ試練に立ち向かう。私は強くならなくてはいけない。父親のために、母親のために、そして私自身のために。
【短期集中連載】
木蓮記(後篇)/奥泉 光
木の上から異界が見え、豊根はどこかへ姿をくらませた。維新をまたいで書き継がれた超現実の手記、終幕!
【掌篇】
盗癖筒井康隆
【連載小説】
痴れ者(第3回)/上田岳弘
創作時の脳波を測る実験。僕は塔一二三が作った量子コンピュータと接続され、久々の小説執筆を開始する。
【連作】
あなたたちはわたしたちを夢みる 9川上弘美
わたしは自分がいったい何なのか、知らない。身体が刻々と変化するなか、己の存在を把握しようとする試み。
【新連載】
教室で読む文学(第1回)芥川龍之介「羅生門」池澤夏樹×田口耕平
国語教育は面白くあってほしい。『日本文学全集』を編んだ作家と高校教師が、教科書の定番作品を読み直す。

うたと夢の出会う場所(第1回)百よりもっと多い穴大森静佳
あけび、古墳、洗顔……時間の割れ目からの光がやがて作品を形づくる。気鋭の歌人による、散文と短歌の享楽。
【対談】
『チェロ湖』の声に耳を澄ますいしいしんじ×滝口悠生
無意識の底に糸を垂らし、「ものがたり」を釣る。聞くことに徹した小説家同士の、語りのありようを巡る対話。
【評論】
ドールの夫たちと他者性濱野ちひろ
人形やロボットと性関係を持つ人々に迫る『無機的な恋人たち』の著者が掴んだ、愛についてのひとつの仮説。

もの言わぬ請願者たちへの眼差し──セバスチャン・サルガド追悼今福龍太
この写真家は不当に論難されてきたのではないか。「美しさ」ゆえの断罪を超えたところでの再評価に挑む。
【連載コラム】
光源の旅(第2回)ネパール・ヘランブーの丘石川直樹
【リレーコラム 街の気分と思考】
◆水が溜まっているところ/小川洋子
◆ネネット/細井美裕
【新潮】
◆読むではなく観る『サド侯爵夫人』/伊良刹那
◆私だけの部屋/絶対に終電を逃さない女
◆そこはかとない軽薄さ/団塚唯我
◆個サルの真髄/鳥山まこと
◆アマゾンレビューもフィールドなのだ/横山紗亜耶
【特別書評】
◆「日記はどこに行ったのか」──町田 康『朝鮮漂流』を読む/待川 匙
【書評委員による 私の書棚の現在地】
◆大鋸一正『蛾』/小山田浩子
◆ウンベルト・エーコ『薔薇の名前[完全版]上・下』(河島英昭・河島思朗 訳))/鈴木結生
【本】
◆谷川俊太郎『ひとりでこの世に』/伊藤比呂美
◆佐藤厚志『ジャスティス・マン』/戌井昭人
◆堀江敏幸『三月のつぎに七月が』/大崎清夏
◆間宮改衣『弔いのひ』/小池水音
◆羽田圭介『その針がさすのは』/澤部 渡
◆鈴木涼美『典雅な調べに色は娘』/市街地ギャオ
◆ミア・コウト『夢遊の大地』(伊藤秋仁 訳)/豊崎由美
【連載小説】
マキノ(第4回)/高村 薫
その後の桜(第5回)/村田喜代子
山吹散るか ほろほろと(第8回)/辻原 登

【連載評論】
みやびとまねび──日本クラシック音楽史(第14回)/片山杜秀
独りの椅子──石垣りんのために(第19回)/梯 久美子
小林秀雄(第125回)/大澤信亮
第58回新潮新人賞 応募規定
執筆者紹介

この号の誌面

編集長から

村上春樹「夏帆とモーターサイクルの男、
そしてスカーレット・ヨハンソン」
大森静佳「うたと夢の出会う場所」

◎村上春樹氏が小誌を舞台に展開してきた〈夏帆〉シリーズが、四篇目をもって完結を迎える。絵本作家の夏帆は十歳の女の子ミソラを主人公にした作品を描きながら、実生活においては母親の変調に苦悩している──母の身にシロアリの女王が巣くうことによって。そして夏帆は気づく。自分がいつしか決定的な一線を跨ぎ、世界のフェイズが変更してしまったのだと。夏帆の物語とミソラの物語はやがて並走し、それぞれが「守護天使」に見守られながらも厳しい試練を与えられることになるだろう。ありくいの奥さんがかつて口にした言葉が、道標のように響く。「あなたはあなた自身の物語る世界の中心にいる」◎大森静佳氏による新連載「うたと夢の出会う場所」もまた、イマジネーションの源泉を見つめて綴られるものだ。初回で歌人が訪れたのは埼玉の横穴墓群・吉見百穴。棺の置かれていた空間に這い入って「死者の呼吸」を試みていると不意に時間が割れ、割れ目の向こうから漏れ出る光が短歌となった。

編集長・杉山達哉

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞

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