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やすみしほどを(新連作)/古井由吉

新潮 2008年4月号

(毎月7日発行)

特別定価996円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2008/03/07

発売日 2008/03/07
JANコード 4910049010488
定価 特別定価996円(税込)

◆やすみしほどを(新連作)/古井由吉
老作家の意識の中に身に覚えのない詩句が浮上する。生と死、現と幻の境を越えた未知の言葉が溢れ出る。

◆返却(130枚)/宮沢章夫
今日こそ返却しよう。31年前に図書館で借りた本を。都市と私の記憶を辿る奇妙な旅。

◆マイクロバス(160枚)/小野正嗣
言葉を欠いた青年の相棒は一台の古ぼけたバス。寂れた海辺の町に神話的な光陰を与える挑戦作。

アジアに浸る Soaked in Asia [第五回 上海篇]◆◆
・謝秋娘よ、いつまでも/潘 向黎
・投/高樹のぶ子
・強くて悲しい女達=上海SIA/高樹のぶ子

・決壊(完結篇)/平野啓一郎

■連載小説
・ばかもの(四)/絲山秋子
・幸福の森(四)/加賀乙彦
・カデナ(十一)/池澤夏樹
・太陽を曳く馬(十八)/高村 薫
・神器―浪漫的な航海の記録―(二十八)/奥泉 光

■ 討論 ■小説と評論の環境問題(第二部)/高橋源一郎+田中和生+東 浩紀
文学の定義からポストモダニズムの功罪まで、白熱の議論・完結篇。

■ 対話 ■鎮魂と教育/山田詠美+島田雅彦
昭和の文豪に会えた最後の世代が語りあう、戦後派から中上まで。

■ 対話 ■小説のリハーサル/保坂和志+岡田利規
小説と演劇、言葉と身体の「自由」をめぐる、初めての対話。

■追悼・川村二郎■知友半世紀/菅野昭正

■わが戦前―平成年間の感情、思想、文芸― 第十七回/福田和也

■関係の化学としての文学(十四)/斎藤 環

■生き延びるためのアメリカ文学(二)/都甲幸治
世界の始めに映画があった――スティーヴ・エリクソン『ゼロヴィル』(Zeroville)

■四方田犬彦の月に吠える(四)[文化月評]/四方田犬彦

■連続するコラム(18) じゃ、悪魔はいるのか?/山城むつみ

■見えない音、聴こえない絵(50) コラージュ球/大竹伸朗

■連載評論
・高畠素之の亡霊(四)/佐藤 優
・いはねばこそあれ――男色の景色(四)/丹尾安典
・現(うつつ)な像(四)/杉本博司
・極薄の閾のうえを(十八)/磯崎 新
・明治の表象空間(二十三)/松浦寿輝

■新潮
・鼠世につれ/加藤幸子
・ゴミが宝となる日/アニリール・セルカン
・川端康成のこと/藤谷 治

■本
・佐藤 優『私のマルクス』/桐野夏生
・ジム・フジーリ『ペット・サウンズ』/古川日出男
・田中慎弥『切れた鎖』/町田 康
・マリオ・バルガス=リョサ『楽園への道』/森内俊雄

◆第40回《新潮新人賞》応募規定

編集長から

仮死と再生、古井由吉氏の挑戦
◎古井由吉氏の新作『白暗淵』の事件性については、福田和也氏との対話(1月号)や蓮實重彦氏の評論(3月号)で検証したが、早くも古井氏の新たな挑戦が開始された◎七十の坂を越え、頸椎手術を目前に控えた老作家の意識に「妙な物」が浮上する。紙切れに書きつけてみたそれは、身に覚えのないにもかかわらず、連歌の発句のように思われた。一度は紙切れを屑籠に捨てた作家は、発句に続く脇句を、さらに新たな句を思わず連ねていく。かつて私から他者へ、また別の他者へと継がれたはずの古の共同詩は、全身麻酔の仮死と再生を体験した一人の作家の内部で止まることがない。それは〈私〉の解放か崩壊か。病院の内外を舞台に、数十句が実際に詠み継がれる古井氏の短篇小説「やすみしほどを」(連作第一回)は未知の文学の光景を示している◎平野啓一郎氏の連載「決壊」が劇的な結末を迎えた。この新たな代表作もまた、文学の事件だと確信する。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞