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学問(長篇第一回)/山田詠美

新潮 2008年9月号

(毎月7日発行)

特別定価996円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2008/08/07

発売日 2008/08/07
JANコード 4910049010983
価格 特別定価996円(税込)

◆学問(長篇第一回100枚)/山田詠美
「その得体の知れないものの愛弟子になるであろうことを予見したのは、仁美が、わずか七歳の時でした」。生から性へ、さらに死へ。著者最大のテーマが今、結晶する。

◆このあいだ東京でね(140枚)/青木淳悟
主人公は東京、住民達、そしてそれらが織り成すシステム。新世代の旗手が描く文学の未知の光景。

◆奴ら/吉田修一

◆くらやみ歩行/村田喜代子

◆マジェスティ/ミランダ・ジュライ  訳・解説/岸本佐知子

■連載小説
・幸福の森(九)/加賀乙彦
・カデナ(十六)/池澤夏樹

■新潮
・秋葉原の事件に思う/佐伯一麦
・ベルリンで考えたこと――公共劇場演劇の快楽と憂鬱/内野 儀
・平成版聖なる結婚/原田ひ香

◆第41回《新潮新人賞》応募規定

(長篇評論280枚)日本語が亡びるとき――英語の世紀の中で/水村美苗
21世紀の今、日本近代文学が存在したという事実そのものが無に帰そうとしているのか? 英語以外で書かれた文学は「亡びる」のか? 『本格小説』から六年、衝撃的な問題提起。

■探偵の物語(クリティック)2008――平野啓一郎『決壊』をめぐって/前田 塁

■誰かについて考えている誰か、のことを誰かが考えている――岡田利規論/古谷利裕

■神のいない小説――舞城王太郎『ディスコ探偵水曜日』論/福嶋亮大

■【新連載】Kの眠り、ビュルゲルの情熱――カフカ『城』ノート/保坂和志

■生き延びるためのアメリカ文学(七)/都甲幸治
 自分の限界を他人に決めさせないこと――シャーマン・アレクシー
 『パートタイム・インディアンの完全に本当の日記』

■四方田犬彦の月に吠える(九)[文化月評]/四方田犬彦

■見えない音、聴こえない絵(55)/大竹伸朗

■連載評論
・高畠素之の亡霊(九)/佐藤 優
・現(うつつ)な像(九)/杉本博司
・明治の表象空間(二十八)/松浦寿輝

■本
・中島一夫『収容所文学論』/池田雄一
・フリードリヒ・グラウザー『老魔法使い――種村季弘遺稿翻訳集』/諏訪哲史
・コーマック・マッカーシー『ザ・ロード』/谷崎由依
・吉田修一『さよなら渓谷』/田中和生
・中沢新一『狩猟と編み籠――対称性人類学II』/丹生谷貴志
・古谷利裕『世界へと滲み出す脳――感覚の論理、イメージのみる夢』/福永 信

編集長から

山田詠美「学問」
◎山田詠美氏が一人の女性の性の歴史を描く長篇小説「学問」を開始する。第一回(100枚)で鮮烈に描かれるのは、七歳の主人公に萌した未分化で流動的な欲望が、“エロスとタナトス”へと変成する劇的な瞬間だ。誰もが体験し、誰もが忘却してしまう情動を、山田氏はゼロから再定義する。さらには〈その得体の知れないものの愛弟子〉となった主人公の生涯を通じ、この世界そのものを再構成する。筆者最大の主題への挑戦が始まった◎『本格小説』以来、水村美苗氏が六年ぶりに放つ作品は長篇評論「日本語が亡びるとき」(280枚)だ。副題は「英語の世紀の中で」。〈日本近代文学が存在したという事実そのものが、今、しだいしだいに、無に帰そうとしているのかもしれない〉〈英語の言葉以外で書かれた文学は、実際に「亡びる」可能性が出てきた〉。衝撃的な問題提起が国際的、文明史的な規模で展開される。本稿を契機に、幅広い議論を期待する。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞