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【100年保存大特集】小説家52人の2009年日記リレー

新潮 2010年3月号

(毎月7日発行)

特別定価996円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2010/02/06

発売日 2010/02/06
JANコード 4910049010303
定価 特別定価996円(税込)

【100年保存大特集】
小説家52人の2009年日記リレー

時に劇的に、時に淡々と。
“100年に一度”の激動の年を過ごした52人の小説家が365日間の日記をリレー形式で発表!

大江健三郎/金原ひとみ/島田雅彦/辻原 登/町田 康/岡田利規/黒井千次/ 星野智幸/川上弘美/よしもとばなな/桐野夏生/筒井康隆/青山真治/宮本 輝/ 柳 美里/瀬戸内寂聴/平野啓一郎/加賀乙彦/村田喜代子/小川洋子/松浦理英子/ いしいしんじ/高樹のぶ子/堀江敏幸/池澤夏樹/多和田葉子/絲山秋子/松浦寿輝/ 中村文則/鹿島田真希/佐伯一麦/古川日出男/高村 薫/水村美苗/川上未映子/ 奥泉 光/宮尾登美子/阿部和重/高橋源一郎/青山七恵/津島佑子/江國香織/ 金井美恵子/河野多惠子/矢作俊彦/諏訪哲史/角田光代/辻井 喬/笙野頼子/ 高井有一/田中慎弥/古井由吉

◆詩人調査(170枚)/松本圭二
詩人vs金髪エイリアン!? 萩原朔太郎賞作家の衝撃作。

◆〈島〉に戦争が来た[短期集中連載・3(完結)]/加藤幸子

■連載小説
・俺俺(八)[連載完結]/星野智幸
・爛(二)/瀬戸内寂聴
・空に梯子(二)/角田光代
・マザーズ(三)/金原ひとみ
・フィルムノワール/黒色影片(三)/矢作俊彦
・慈雨の音(七)/宮本 輝
・還れぬ家(十二)/佐伯一麦
・幸福の森(二十七)/加賀乙彦

■「幽霊」は“転送”可能か? ――『クォンタム・ファミリーズ』論/斎藤 環

■小鳥・フランチェスコ・狼/高橋英夫

■中島一夫の「書評」を駁す/鈴木貞美

■島尾敏雄 終戦後日記(八)昭和二十二年六月一日―十二月十八日

■生き延びるためのアメリカ文学(二十五)/都甲幸治
 外国で生きるということ――ハ・ジン『みごとな墜落』

■見えない音、聴こえない絵(七十三)/大竹伸朗

■新潮
・亡き母の創作?/米谷ふみ子
・鳩と屋上の狂人/戌井昭人
・音楽のような、しかし哄笑を誘う詩について/鈴木雅雄
・悪夢の行方/タニノクロウ

■本
・村田喜代子『故郷のわが家』/池内 紀
・円城 塔『烏有此譚』/巽 孝之
・大江健三郎『水死』/町田 康
・ショーン・ウィルシー『ああ、なんて素晴らしい!』/山崎まどか
・青山真治『地球の上でビザもなく』/山根貞男

■連載評論・エッセイ
・残夢整理(十四)[連載完結]/多田富雄
・屋根裏プラハ(七)/田中長徳
・随想(十四)/蓮實重彦
・明治の表象空間(四十二)/松浦寿輝

◆第42回《新潮新人賞》応募規定

編集長から

小説家52人の2009年日記
 時代および時代精神の激動を文芸誌がいかに表現できるか。その試みとして、昨2009年(計52週)の「日記」を52人の小説家に依頼した(一週ごとのリレー形式)。この一年が臨界年というべきものになるだろうという事前の予測が間違っていたとは思わない。民主党政権が誕生し(米国ではオバマ新大統領が就任)、世界同時不況はさらに進行、出版界においては紙からデジタルへの動きが従来の出版システム自体を揺るがし続けている。だが小説家の本業は時事の記述ではない。この特集では、純文学の作家達が、この一年間にどのような日々を過ごしたかを、時に劇的に、時に淡々と記録した。52人が生きた365日をぜひ垣間見ていただきたい。やたらと面白い特集になったと自負している。「100年保存大特集」と銘打つのは、一世紀後、文学を愛する2110年の読者にも本号を届けたいからだ。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞