日韓中・三文芸誌による小説競作プロジェクト 文學アジア3×2×4 第2回「性」篇
新潮 2010年12月号
(毎月7日発行)
発売日 | 2010/11/06 |
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JANコード | 4910049011201 |
定価 | 特別定価996円(税込) |
◆苦役列車(150枚)/西村賢太
孤独、窮乏、閉塞、肉欲、怨嗟、労働、我執、痛飲、因業――十九歳のシジフォスの記録。
◆北極を想う日(完結篇160枚)――雪の練習生 第三部――/多和田葉子
ベルリンの壁が崩れ、北極の氷が溶けてゆく。激変する世界に、クヌートは生まれた。
◆聖家族学園/諏訪哲史
日韓中・三文芸誌による小説競作プロジェクト
文學アジア3×2×4 【第二回「性」篇】
文學アジア3×2×4 【第二回「性」篇】
◆緋/河野多惠子
作家紹介/菅野昭正
作家紹介/菅野昭正
◆午後4時の冗談/チョン・イヒョン 金 明順/訳
作家紹介/シム・ジンギョン
作家紹介/シム・ジンギョン
◆月明かりは誰の枕辺に/葛 水平 桑島道夫/訳
作家紹介/賀 紹俊
作家紹介/賀 紹俊
◆耐えられるフラットさ/岡田利規
作家紹介/佐々木 敦
作家紹介/佐々木 敦
◆4月のミ、7月のソ/キム・ヨンス 崔 真碩/訳
作家紹介/ポク・ドフン
作家紹介/ポク・ドフン
◆海鮮礼賛/須 一瓜 堀内利恵/訳
作家紹介/賀 紹俊
作家紹介/賀 紹俊
【大型企画】日本小説技術史(第七回)/渡部直己
妄想のメカニズム――芥川龍之介と競作者たち
妄想のメカニズム――芥川龍之介と競作者たち
◆ROLL OVER BEETHOVEN
――絲山秋子『妻の超然』/福田和也
――絲山秋子『妻の超然』/福田和也
◆アナーキストとパンク少年の二重音声的共闘/高澤秀次
中森明夫『アナーキー・イン・ザ・JP』をめぐって
中森明夫『アナーキー・イン・ザ・JP』をめぐって
◆村上春樹における解離と超越 〈短期集中連載(最終回)〉/河合俊雄
第三回・存在の逆転
第三回・存在の逆転
■生き延びるためのアメリカ文学(三十三)/都甲幸治
夢の本、夢の都市――ミハル・アイヴァス『もう一つの街』
夢の本、夢の都市――ミハル・アイヴァス『もう一つの街』
■アメリカスケッチ2.0(八)声と音の互換性/池田純一
■屋根裏プラハ(十五)/田中長徳
■見えない音、聴こえない絵(八十二)/大竹伸朗
■新潮
・解放へ、世界へ/イナン・オネル
・犬と棒/楊 逸
・これから出る『正義論』の裏話をしよう/川本隆史
・映画『ANPO』との旅/リンダ・ホーグランド
・解放へ、世界へ/イナン・オネル
・犬と棒/楊 逸
・これから出る『正義論』の裏話をしよう/川本隆史
・映画『ANPO』との旅/リンダ・ホーグランド
■本
・角田光代『ひそやかな花園』/岩宮恵子
・柴崎友香『寝ても覚めても』/豊崎由美
・青山七恵『お別れの音』/藤代 泉
・よしもとばなな『もしもし下北沢』/藤谷 治
・角田光代『ひそやかな花園』/岩宮恵子
・柴崎友香『寝ても覚めても』/豊崎由美
・青山七恵『お別れの音』/藤代 泉
・よしもとばなな『もしもし下北沢』/藤谷 治
■連載
・マザーズ(十一)/金原ひとみ
・空に梯子(十一)/角田光代
・フィルムノワール/黒色影片(十二)/矢作俊彦
・慈雨の音(十四)/宮本 輝
・幸福の森(三十六)/加賀乙彦
・明治の表象空間(五十)〈連載完結〉/松浦寿輝
・マザーズ(十一)/金原ひとみ
・空に梯子(十一)/角田光代
・フィルムノワール/黒色影片(十二)/矢作俊彦
・慈雨の音(十四)/宮本 輝
・幸福の森(三十六)/加賀乙彦
・明治の表象空間(五十)〈連載完結〉/松浦寿輝
◆第43回《新潮新人賞》応募規定
編集長から
文學アジア3×2×4
第二回「性」
第二回「性」
◎日韓中の三文芸誌による小説競作プロジェクト《文學アジア3×2×4》をお届けする。〈都市〉を主題にした第1回(6月号)に続く今回の主題は〈性〉。河野多惠子、岡田利規、チョン・イヒョン、キム・ヨンス、葛水平、須一瓜の各氏による書下ろし短篇は、主題の解釈から作品世界まで、実に多彩な広がりを持つことになった◎この企画を同月発売号に掲載する三誌が一斉に編集の佳境に入った今、日中関係の政治的緊張が報じられている。だが、それが逆風だとは思わない。2年間で計4回おこなうプロジェクトは、国家対抗ゲームではなく、国際見本市でもない。私たちは、ここから生まれる24の作品を通じて、三つの国の読者を住人とする、未知の文学圏を創造したいと願っている。先月号で発表した新潮新人賞が文学のフロンティアを〈内〉に模索する営みなのだとすれば、《文學アジア3×2×4》は〈外〉に探求する。


新潮編集長 矢野 優
バックナンバー
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雑誌から生まれた本
新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。
■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。
■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。
■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。