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高橋源一郎「お伽草紙」(120枚)

新潮 2011年6月号

(毎月7日発行)

特別定価1,047円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2011/05/07

発売日 2011/05/07
JANコード 4910049010617
定価 特別定価1,047円(税込)

お伽草紙[中篇]/高橋源一郎
震災という「戦時下」に子供たちに何を語るべきか。

スポンジ/よしもとばなな

案山子/藤沢 周

中央駅地底街/諏訪哲史

桜の詩 二篇/池澤夏樹

日韓中・三文芸誌による小説競作プロジェクト
文學アジア3×2×4 【第三回「旅」篇】

◆犬とハモニカ/江國香織
 作家紹介/江南亜美子

◆ゴッホとの一夜/チョウ・ヒョン  金 明順/訳
 作家紹介/イム・テフン

◆もう一つの世界で/叶 弥  垂水千恵/訳
 作家紹介/王 穎

◆先生との旅/町田 康
 作家紹介/陣野俊史

◆ロードキル――Roadkill/パク・ミンギュ  渡辺直紀/訳
 作家紹介/キム・ヨンチャン

◆グスト城/徐 則臣  上原かおり/訳
 作家紹介/王 穎

◆第44回《新潮新人賞》応募規定

◆第24回《三島由紀夫賞》候補作品発表

■第37回〈第二期第十二回〉川端康成文学賞発表
・異郷/津村節子
【選評】秋山 駿/辻原 登/津島佑子/堀江敏幸/村田喜代子

【特別対談】震災と言葉/森村泰昌+高橋源一郎

【新連載】夜露死苦現代詩2.0 ヒップホップの詩人たち/都築響一
第一回・ラッパーは光、言葉は影――ILL-BOSSTINO/THA BLUE HERB

【鼎談】アジア文学の豊かな風/高樹のぶ子+楊 逸+ジャンビーン・ダシドンドグ

【大型企画】日本小説技術史(第八回)/渡部直己
「文」はどのように「人」めくのか?――鴎外の「史伝」と谷崎の「古典回帰」

■往復書簡 再会と別離(第五回)/四方田犬彦+石井睦美

■批評時空間(六)/佐々木 敦

■正岡子規(六)/ドナルド・キーン  角地幸男/訳

■アメリカスケッチ2.0 ウェブと文化の未来を考える/池田純一
 第十三回 911から311へ

■屋根裏プラハ(十九)/田中長徳

■生き延びるためのアメリカ文学(三十九)/都甲幸治
 日常の脆さ――ジョイ・ウィリアムズ『賓客』

■見えない音、聴こえない絵(八十六)/大竹伸朗

■新潮
・本当の非日常の話/宮地尚子
・三題噺 日本人は違う?/藤原章生
・「訳すのは『私』」症候群/秋草俊一郎

■本
・磯崎憲一郎『赤の他人の瓜二つ』/安藤礼二
・池田純一『ウェブ×ソーシャル×アメリカ 〈全球時代〉の構想力』/江渡浩一郎
・絲山秋子『末裔』/鹿島田真希
・宮本 輝『三十光年の星たち(上・下)』/蜂飼 耳
・中原昌也『死んでも何も残さない』/福永 信


■連載小説
・慈雨の音(十九)[連載完結]/宮本 輝
・空に梯子(十七)/角田光代
・フィルムノワール/黒色影片(十七)/矢作俊彦
・幸福の森(四十二)/加賀乙彦


編集長から

大震災と想像力 その2
◎結局、書くことしかできない。3月11日の直後、複数の小説家からこの言葉を聞いた。それは大震災の圧倒的な現実を前に、虚構の無力さを痛感しての発言だったかもしれない。そもそも失語状態に陥った作家もいたはずだ◎それでも、3月11日からひと月以上が経過した今、編集部には、生まれたばかりの物語、思考、対話が続々と届いている。いつも以上に充実した誌面を読者にお届けできそうだ。短篇小説の計画を急遽変更し、作品世界も枚数も大幅に拡大することを決意した小説家。「震災と言葉」を語り合った美術家と小説家。9・11後の米国を分析し、「3・11以後の想像力」をウェブ社会との関連において考察した評論家。それだけでない。この号に向け、数ヶ月前、数年前から準備を重ねてきた書き手たちもいる◎そう、結局、書くことしかできないのだ。小誌最新号に響くこの思いを聞き取っていただければ嬉しい。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞