古川日出男「冬眠する熊に添い寝してごらん」(大型戯曲240枚)
新潮 2014年2月号
(毎月7日発行)
発売日 | 2014/01/07 |
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JANコード | 4910049010242 |
定価 | 特別定価996円(税込) |
時間のコンベアが回転した瞬間、欲望と謀略が沸騰する。詩と銃弾が放たれ、神(GOD)と犬(DOG)が交錯する。日本人と石油・原子力(エネルギー)の爆発的物語!
・坂の上の家/岩城けい
・迷宮の館、名門ガリマールに起きた異変/村上香住子
・戸惑いを身に刻む――『東京ヘテロトピア』/木村友祐
13の場所と13の物語、都市と想像力の未知の関係。
構成・演出/高山 明(Port B)
・私たちの革命の震源たりえた場所で
・二つの国をつなぐ味
・わたしとジャイナとダイヤモンド
・「P」「満車」「連結散水送水口」
・リトル・ヤンゴン
・壁の向こうへ
・あなたは知らない
・かのじょの国、ぼくらの言葉
・アジア、日本、トーキョー
・希望のうた
・言葉の母が見ていた
・神田神保町の清燉獅子頭(ちんどぅんしーずーとう)
・本の目がきみを見ている、きみを誘う。旅に
・心ここにあらず/三浦雅士
・「セゾン」の記憶/尾崎真理子
第一一五回・線の言葉
・ミシェル・ウエルベック『地図と領土』/上田岳弘
・松浦寿輝『詩の波 詩の岸辺』/小池昌代
・いとうせいこう『存在しない小説』/東海晃久
・藤谷 治『世界でいちばん美しい』/仲俣暁生
編集長から
◎現実と虚構の間に広がる豊かな層(レイヤー)をこれほど存分に提示できた号は初めてだ◎特集「東京ヘテロトピア」は、高山明(Port B)演出による役者も劇場もない「演劇」を誌面に再構成したもの。上演時、観客は東京の13の場所を訪れ、そこでのみ受信できる〈東京の中のアジア〉にまつわる物語(小野正嗣、温又柔、木村友祐、管啓次郎による)を携帯ラジオで聴き、ガイドブックで各々の地に潜む歴史的背景を知った。本作が発見した都市と想像力の未知の関係を、この特集では物語全文と綿密なガイドの掲載により読者に届ける◎古川日出男「冬眠する熊に添い寝してごらん」は蜷川幸雄演出による大型演劇作品の戯曲。この小説家にしか構想しえない爆発的な物語をぜひ脳内で「上演」していただきたい◎「今日 世界は死んだ もしかすると昨日かもしれない」は、国際的芸術家・杉本博司が幻視した〈人類最悪の未来〉33シーンを現実の海外展を前に公開する紙上展覧会だ。
バックナンバー
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雑誌から生まれた本
新潮とは?
文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。
■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。
■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。
■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。