天童荒太「ペインレス」(新連載小説)
新潮 2014年7月号
(毎月7日発行)
発売日 | 2014/06/07 |
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JANコード | 4910049010747 |
定価 | 特別定価998円(税込) |
◆受賞記念エッセイ/本谷有希子
◆受賞記念対談「破れ方を知りたくて」/川上弘美×本谷有希子
ほんとうに起こったことと小説/ネイサン・イングランダー×松家仁之
僕たちの語ること』をめぐって
・語りの人ガルシア=マルケス/木村榮一
・余韻と匂い/野谷文昭
・百年、澄みきった川、先史時代の卵/旦 敬介
第百十九回・本当の「今」
・奥泉 光『東京自叙伝』/木村友祐
・いとうせいこう『鼻に挟み撃ち 他三編』/高澤秀次
・セス・フリード『大いなる不満』/滝口悠生
・村田喜代子『屋根屋』/松永美穂
編集長から
天童荒太「ペインレス」
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◎先月号の創刊一一〇周年記念号で〈今日から始まる文芸の未来〉を問うた小誌は、その新しい一歩を踏み出す思いで、天童荒太氏の新連載小説「ペインレス」を開始する。天童氏はいうまでもなく山本周五郎賞、直木賞等の受賞者。本作は氏にとって初の文芸誌創作だ◎ペインレス、すなわち「無痛」。痛みは身体のものであれ精神のものであれ(いずれも脳活動の産物)、人間を強烈に支配する。だが同時に、痛みこそが人間を生存させ、進化させてきた。他者の痛みを感じる能力は想像力の根源となるものだろう。天童氏が構想した「無痛」をめぐる作品世界は、人間の本質を衝くものになるはずだ◎四月十七日にこの世界を去ったガブリエル・ガルシア=マルケスと、その読者のために、両者をつなぐ言語の橋を作り上げた翻訳者、鼓直・木村榮一・野谷文昭・旦敬介の四氏に寄稿を依頼した◎第27回三島由紀夫賞が本谷有希子『自分を好きになる方法』に決定。川上弘美氏との記念対談を掲載する。
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バックナンバー
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雑誌から生まれた本
新潮とは?
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文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。
■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。
■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。
■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。