新潮新書
日本人、母親、居酒屋──探究と解明

遠い昔の話になりますが、高校生の頃、日本史は大の得意科目でした。けれどいま振り返れば、その知識の大半は人物名やクロニクルみたいな時系列でしかなく、それもせいぜいが明治維新辺りまで。その後、戦争に明け暮れる自国の近現代史について、多少なりとも理解したのはほぼ中年も過ぎてからのことでした。
2025/07
健康、医療、メディアの未来

10年ほど前、『長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい』という本がミリオンセラーになりました。誰もが願う健康と長寿を、じつに簡単なメソッドに置き換えたシンプルなメッセージが、多くの読者にアピールしたことはまちがいないでしょう。
2025/06
ニュースには「その後」がある

「あの人は、今」──かつて週刊誌では、GWや年末年始の合併号では、定番の特集でした。成功であれ挫折であれ、一時はニュースの渦中の人になったものの、騒ぎが収まるとほとんど報じられない人たちの「その後の人生」を取材した記事ですが、最近はめっきり少なくなりました。
2025/05
言葉・脳・記録・科学

4月は新社会人スタートの季節です。自分が入社した30数年前と比べて最大の違いは、やはりアナログからデジタルへの移行です。原稿用紙にエンピツ書きだった当時から、ワープロ、パソコン、スマホになり、文字は書くものから打つもの、タッチするものになり、コミュニケーションの主役は、対面や電話での会話からテキストでの交信へと大きく変わりました。それは今や社会全体に及び、効率性を高めている反面、ちょっとした言葉の誤解や相手の意図の取り違えなど、様々なマイナス面も現れるようになりました。
2025/04