新潮新書

謎を読み解く

車を運転中よくラジオを聴いていますが、最近は映画「国宝」がしばしば話題にあがります。興行収入が早々に100億円を超えたことでも人気と評価の高さがわかりますが、大半のコメントは「すっごく、よかった」に終始して、映画を観ていないリスナーには、何がどうよかったのか、ほとんど魅力が伝わりません。雑談でも話題のエンタメはよく話題になるものですが、これと同じように「読んだ(見た)?」「よかった!」の応酬では話は広がらないもの。他人に面白く伝えるのが上手な人は、いったい何が違うのでしょう。
9月新刊『「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか』(三宅香帆・著)では、小説や漫画、ドラマや映画、配信など様々なコンテンツを日々大量に摂取している物語フリークの著者が、その作品の何がいまウケているのか、どこが魅力なのかを分析しつつ物語への愛を語ります。『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で新書大賞 2025を受賞し、いま最も注目される著者による、エンタメを120%楽しむための「読解力」の教科書です。
いわば正史とされる『日本書紀』に比べて昔からファンが多いのが、日本最古の書物であり、文学的価値が高いとされる『古事記』です。両書には重なる部分も多くありながら、なぜか少しずつ違った記述があって、なぜそうなったのか、成立の経緯を含めていまだ多くの謎があります。『古事記の正体』(関裕二・著)は、8世紀に成立したはずの古事記の歴史記述がなぜか5世紀後半の顕宗天皇で終わっていることに着目し、天皇家と藤原氏、のちに彼らに裏切られた帰化人・秦氏の関係から、古代権力史の真相に迫ります。
食料自給率は低くても、コメだけはふんだんにある「瑞穂の国」ニッポン──そんな神話が突如崩壊したのが、いまなお収束しない価格高騰とコメ不足です。政府もようやく減反から増産へと政策の舵を切ったものの、長年の構造問題が一朝一夕に解消されるわけではありません。つまり、コメ騒動は今後も繰り返すというのです。『コメ壊滅』(山口亮子・著)は、農業をテーマに取材を続けるジャーナリストが、度重なる失政が招いた「令和のコメ騒動」の原因と構図を鮮やかに描き出します。
9月新刊『「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか』(三宅香帆・著)では、小説や漫画、ドラマや映画、配信など様々なコンテンツを日々大量に摂取している物語フリークの著者が、その作品の何がいまウケているのか、どこが魅力なのかを分析しつつ物語への愛を語ります。『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で新書大賞 2025を受賞し、いま最も注目される著者による、エンタメを120%楽しむための「読解力」の教科書です。
いわば正史とされる『日本書紀』に比べて昔からファンが多いのが、日本最古の書物であり、文学的価値が高いとされる『古事記』です。両書には重なる部分も多くありながら、なぜか少しずつ違った記述があって、なぜそうなったのか、成立の経緯を含めていまだ多くの謎があります。『古事記の正体』(関裕二・著)は、8世紀に成立したはずの古事記の歴史記述がなぜか5世紀後半の顕宗天皇で終わっていることに着目し、天皇家と藤原氏、のちに彼らに裏切られた帰化人・秦氏の関係から、古代権力史の真相に迫ります。
食料自給率は低くても、コメだけはふんだんにある「瑞穂の国」ニッポン──そんな神話が突如崩壊したのが、いまなお収束しない価格高騰とコメ不足です。政府もようやく減反から増産へと政策の舵を切ったものの、長年の構造問題が一朝一夕に解消されるわけではありません。つまり、コメ騒動は今後も繰り返すというのです。『コメ壊滅』(山口亮子・著)は、農業をテーマに取材を続けるジャーナリストが、度重なる失政が招いた「令和のコメ騒動」の原因と構図を鮮やかに描き出します。
2025/09