新潮新書

日本人、母親、居酒屋──探究と解明

遠い昔の話になりますが、高校生の頃、日本史は大の得意科目でした。けれどいま振り返れば、その知識の大半は人物名やクロニクルみたいな時系列でしかなく、それもせいぜいが明治維新辺りまで。その後、戦争に明け暮れる自国の近現代史について、多少なりとも理解したのはほぼ中年も過ぎてからのことでした。
その際、多くのことを教えてくれたのは司馬遼太郎氏や吉村昭氏の歴史小説であり、国家を破滅寸前まで追い込んだ「あの戦争」に関しては、保阪正康さんのノンフィクションでした。保阪さんは「昭和史は人類史の見本市」だとしばしば口にします。破滅的な戦争から奇跡の復興、平和と豊かさの追求、そして再び経済破綻まで──世界史にも類例のない浮沈を繰り返した日本人とはいったい何なのか──7月新刊『なぜ日本人は間違えたのか─真説・昭和100年と戦後80年─』では、昭和100年と戦後80年を機に、この国の現代史の真相を解き明かします。
『奇跡の母親脳』(C・コナボイ・著、竹内薫・訳)では、妊娠・出産・育児というプロセスのなかで、母親になる女性の脳が、器質的にも機能的にも大きく変わることを最新研究から示します。脳が変わるといわれると何だかこわいような気もしますが、じつは父親になる男性にも「父親脳」として一定の変化があるのだそうです。これは生物としてのヒトが長い進化史のなかで獲得してきたもので、気鋭の科学ジャーナリストが、その仕組みと効用を解き明かします。
ご覧のかたも多いと思いますが、『ロビンソン酒場漂流記』(加藤ジャンプ・著)は、マキタスポーツさん主演でBS日テレで放映中の酒場めぐり番組の原案作品です。酒場めぐりと言えば、太田和彦さんの全国の名居酒屋案内や吉田類さんの安酒場めぐりが知られますが、彼らとはいささか違った視点からセレクトしたお店の数々は、どの駅から歩いても遠く、商売にはおよそ不向きの地にポツンと一軒建つ、それでも永く愛される孤高の名酒場。本書では、それぞれの酒場の雰囲気を巧みに描きながら、その秘訣を解き明かします。
その際、多くのことを教えてくれたのは司馬遼太郎氏や吉村昭氏の歴史小説であり、国家を破滅寸前まで追い込んだ「あの戦争」に関しては、保阪正康さんのノンフィクションでした。保阪さんは「昭和史は人類史の見本市」だとしばしば口にします。破滅的な戦争から奇跡の復興、平和と豊かさの追求、そして再び経済破綻まで──世界史にも類例のない浮沈を繰り返した日本人とはいったい何なのか──7月新刊『なぜ日本人は間違えたのか─真説・昭和100年と戦後80年─』では、昭和100年と戦後80年を機に、この国の現代史の真相を解き明かします。
『奇跡の母親脳』(C・コナボイ・著、竹内薫・訳)では、妊娠・出産・育児というプロセスのなかで、母親になる女性の脳が、器質的にも機能的にも大きく変わることを最新研究から示します。脳が変わるといわれると何だかこわいような気もしますが、じつは父親になる男性にも「父親脳」として一定の変化があるのだそうです。これは生物としてのヒトが長い進化史のなかで獲得してきたもので、気鋭の科学ジャーナリストが、その仕組みと効用を解き明かします。
ご覧のかたも多いと思いますが、『ロビンソン酒場漂流記』(加藤ジャンプ・著)は、マキタスポーツさん主演でBS日テレで放映中の酒場めぐり番組の原案作品です。酒場めぐりと言えば、太田和彦さんの全国の名居酒屋案内や吉田類さんの安酒場めぐりが知られますが、彼らとはいささか違った視点からセレクトしたお店の数々は、どの駅から歩いても遠く、商売にはおよそ不向きの地にポツンと一軒建つ、それでも永く愛される孤高の名酒場。本書では、それぞれの酒場の雰囲気を巧みに描きながら、その秘訣を解き明かします。
2025/07