【怪談特集 ありえない話】
赤松利市/大塚已愛/黒澤いづみ/清水 朔/清水裕貴
【恐怖の間取り対談】
真梨幸子×松原タニシ(事故物件住みます芸人)
小説新潮 2019年8月号
(毎月22日発売)
発売日 | 2019/07/22 |
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JANコード | 4910047010893 |
定価 | 998円(税込) |
【怪談特集 ありえない話】
最初はありがちな話だと思った。でも、よく聞くとどこか可怪しい。
なにかが妖しい。いや、待ってくれ。そんなことは絶対に――
◆赤松利市/ギャオ子
――上野の熟女キャバクラで出会った美人には、ある秘密が
◆大塚已愛/如何物喰い
――行方知れずの住職を探し、山寺を訪った侍が見たのは……
◆黒澤いづみ/ねこたち
――深夜のベランダに現れた小さな獣。たかがねこ一匹なのに
◆清水 朔/たからのやま
――幻の茸があるという山は、ある一族によって守られていて
◆清水裕貴/ここは夜の水のほとり
――水の向こうに僕の姿がある。まだ生きていたときの僕が――
〈納涼特別対談〉
◆真梨幸子(作家)×松原タニシ(事故物件住みます芸人)/怪奇は部屋に現れる
――怪奇現象と事故物件が大好きな「イヤミスの女王」と、怪異に巻き込まれ続けるピン芸人。文豪たちの霊が現われるという「新潮社クラブ」でふたりが見たモノは――
【大型新連載】
◆桜木紫乃/緋の河 第二部
――自らの「性」をその手で勝ち取った先駆者に、全身全霊で挑んだ第一部。波乱に満ちた続編ついに開幕――。
〈連載開始記念企画〉
◆桜木紫乃/私が「小説家」になるまで
――憧れの人を書き、自信を深めた理由と桜木さんの宣言
◆緋の河 第一部 あらすじ
【厳選短篇小説】
◆香月夕花/あの空の青は
――引越を繰り返した果てに辿り着いた町で、私が出会ったのは
【連載第二回】
◆山本一力/ひむろ飛脚
◆石井光太/いのちの家 「こどもホスピス」をめぐる物語
◆掟ポルシェ/全部お前が悪い
【小説新潮作家名鑑】
◆赤松利市
――天国と地獄をみて62歳で小説家となった男のある一日
【バラエティコラム】
〈あのとき聞いた音楽〉 角川慶子
〈思い出の手料理〉 小西康陽
〈いつか住みたい街〉 吉村智樹
【連載エッセイ・インタビュー】
◆阿刀田高/谷崎潤一郎を知っていますか
◆川上和人/オニソロジスト嘘つかない
◆酒井順子/処女の道程
◆佐藤 優/村上春樹『騎士団長殺し』を読む
◆高野秀行/謎の未確認納豆を追え!
◆坪内祐三/玉電松原物語
◆中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
◆中野 翠/コラムニストになりたかった
◆ペリー荻野/テレビの荒野を歩いた人たち 山像信夫の巻 前編
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助
〈医療・介護〉東えりか
〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
【好評連載小説】
◆安部龍太郎/迷宮の月
◆逢坂 剛/鏡影劇場
◆奥泉 光/死神の棋譜
◆織守きょうや/朝焼けにファンファーレ
◆梶よう子/東都の藍
◆黒川博行/熔果
◆今野 敏/清明 隠蔽捜査8 最終回
◆西村京太郎/西日本鉄道殺人事件
◆貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
◆宮城谷昌光/公孫龍
◆薬丸 岳/刑事弁護人
第六回「新潮ミステリー大賞」候補作発表
第七回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告/表紙画家のつぶやき
この号の誌面
編集長から
亡き文豪たちは 果たして「出た」のか
小社社屋の近所に「新潮社クラブ」なる施設がある。周辺の民家同様の二階建てで、対談等の収録や、著者が泊まりがけで執筆する「カン詰め」のために使われる。この施設には以前から「言い伝え」がある。かつてここを利用した今は亡き文豪たちが、姿を現わすと。そんな場所で敢えて対談を行ったのが、「イヤミスの女王」真梨幸子氏と「事故物件住みます芸人」松原タニシ氏だ。テーマは「怪奇は部屋に現れる」。対談自体も盛り上がったが、終了後、松原氏は単身そのまま一泊。例の「言い伝え」が真実か否かを検証しようと試みたのだが……。胆を据えたこの納涼特別企画に加えて、新鋭5氏による特集タイトル通りの恐怖譚を集めたのが「怪談特集 ありえない話」だ。
そして先日、カルーセル麻紀氏をモデルにした長篇『緋の河』を上梓した桜木紫乃氏が、その「第二部」の連載をスタート。併録するインタビューでは、作家としての転機とも言える、この大河小説に賭ける想いが語られる。
小説新潮編集長 江木裕計
バックナンバー
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雑誌から生まれた本
小説新潮とは?
小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。
時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。
小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。
目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。
言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。