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【ミステリ特集】罪と謎の輪舞曲

小説新潮 2021年9月号

(毎月22日発売)

1,000円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2021/08/20

発売日 2021/08/20
JANコード 4910047010916
定価 1,000円(税込)
■目次
【ミステリ特集】罪と謎の輪舞曲
謎のあとに罪があるのか、
罪のあとに謎が来るのか?
ロンドのように絡み合って
さあ、なだれ込む結末は――

◆長岡弘樹/0・00%の遺恨
ーーノンアルコールビールを飲んだのに酒気帯び運転で捕まった。なぜ?

◆まさきとしか/あの世のあいつ
ーー何者かに殺された元アイドルの男。同じグループにいた俺だって――

遠藤彩見/ステージママ
ーー久々の仕事の面談先では、子役のオーディションが行われていて

松嶋智左/穴
ーー希望の部署に異動できたのに、実咲は毎日追いつめられるばかり

◆一色さゆり/モナリザの裏側
ーー母と共に訪れたルーブル。彼女が見つめる、謎多き一枚の絵画とは

結城真一郎/パンドラ
ーー不妊に悩みようやく授かった大切な一人娘――の、はずだったのに

【特別ルポ】
本を読む受刑者たち―塀の中の図書館―
ーー貴重資料満載! 刑務所に広がる、知られざる読書空間を探る
【『神よ憐れみたまえ』刊行記念対談】
松尾 潔×小池真理子/「もう書けない」では終われない
ーー初対面から二十年、創作の現場に身を置き人生を重ねてきたからこそ見える地平とは
【新連載エッセイ】
阿刀田高/ちょうど時間となりました―あるユニークな作家の回想―
ーー作家生活五十年を超えた今あざやかに蘇る、自分を通り過ぎて行った言葉や物語たち

◆友近/友近道中
ーー芸人、俳優、歌手として八面六臂の大活躍の友近さんが、大好きな「旅」について綴ります!

【特選読み切り】
◆泉ゆたか/道頓堀で行列に並ぶ
ーー嫌われ者の薄汚いオッサン。その俺の腕を引っ張るのは

東山彰良/わたしはわたしで 後編
ーー元同僚の家で犬の世話を始めた朱里。そこに現れたのは
【大反響! 連載第2回】
◆加納愛子(Aマッソ)/行儀は悪いが天気は良い
ーー小学生の頃、ひとりでバスに乗って向かった先は――
【好評シリーズ】
乃南アサ/家裁調査官・庵原かのん 第十話 スケッチブック
ーー若い夫婦の離婚調停。夫と連れ子の娘の間には問題が
【バラエティコラム】
〈わたしの相棒〉和田彩花
〈わたしの東京〉木村草太
〈そのとき(わたしの)歴史が動いた〉波木 銅
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
◆掟ポルシェ/全部お前が悪い
佐藤 優/村上春樹『騎士団長殺し』を読む
◆スズキナオ/家族が一番わからない
高橋秀実/おやじはニーチェ
◆田中卓志/ちょっと不運なほうが生活は楽しい
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
平松洋子/プロレスは何を食べる
益田ミリ/ツユクサナツコの一生
◆宮下洋一/デス・ペナルティー 生と死のあいだで
群ようこ/四十年、こんな感じで書いてます
◆山本さほ/てつおとよしえ
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人
〈SF・ファンタジー〉北村浩子
〈恋愛・青春〉高頭佐和子

【好評連載小説】
乾 緑郎/おどろかし 戯場國の怪人
伊吹有喜あかりの島
恩田 陸/追憶の五重奏
木内 昇/雪草紙 雲の脚
窪 美澄/夏日狂想
今野 敏/探花 隠蔽捜査9 最終回
重松 清/十一番目の色 シリーズ「まなつ」
篠田節子/ドゥルガーの島
千早 茜/しろがねの葉
西村京太郎/土佐くろしお鉄道殺人事件
馳 星周/眠らぬ王 極夜・第二部
原田マハ/晴れの日の木馬たち
宮城谷昌光/公孫龍
山本一力/ひむろ飛脚
第九回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告

この号の誌面

編集長から

トリックの先にある誰かの切なる思い

 人の心ってわからないものだな、といつも思います。そっけないあの人の誠実さ、穏やかな彼女が突然見せる激情――華麗なトリックも、あっと驚く仕掛けも、誰かの動機があってこそ。今号のミステリ特集では、謎の向こうに人の思いが垣間見える、そんな六編を掲載します。
 新連載を二つご紹介します。阿刀田高さんの「ちょうど時間となりました」は、自身の読書遍歴と作家人生を振り返るエッセイ。肺結核で療養所に入り、新聞記者の夢を諦め、『ブラック・ユーモア入門』がベストセラーになったところに小説のオーダーが入り……と第一回からすでに波乱万丈ですが、その傍らにある本が若き日の筆者を支えていたのだとしみじみ実感します。そして芸人・友近さんの旅エッセイ「友近道中」。俳優や歌手としても活躍中の著者ですが、意外にもエッセイはこれが初めて。旅の宿で次の行先を探すという筋金入りの旅好きがどんな場所に連れて行ってくれるのか、今後が楽しみです。

小説新潮編集長 西麻沙子

次号予告

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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