【特集】新春読み切り宝箱
林真理子/江國香織/角田光代/桜木紫乃/砂原浩太朗/蝉谷めぐ実/花房観音/芦花公園/君嶋彼方/伊与原 新/三浦しをん
小説新潮 2023年1月号
(毎月22日発売)
発売日 | 2022/12/21 |
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JANコード | 4910047010138 |
定価 | 1,000円(税込) |
【特集】新春読み切り宝箱
◆林真理子/任意後見人
――親友の任意後見人となった陽子。財産管理を担うが――
◆江國香織/下北沢の昼下り
――母と娘とランチへ出かけた土曜日に、下北沢の街で私は
◆角田光代/夏の日、彼女に会いにいく
――祖母の葬儀で驚いた。母が自分の母親の過去を知らない
◆桜木紫乃/スターダスト
――音楽ディレクターの河合。寄る年波と向き合って――
◆砂原浩太朗/錆び刀 夜露がたり
――浪人となった平右衛門が転がり込んだ長屋で出会ったのは
◆蝉谷めぐ実/狛犬芸者
――木戸芸者の狛助は、森田座に広がる“黒い噂”を耳にして
◆花房観音/愚禿
――九歳で出家した私には、誰にも言えない秘密があった――
◆芦花公園/たねをまくひと
――人気画家の小塚のもとに不思議な言葉を話す美少女が現れ
◆君嶋彼方/自殺者の午睡
――夢だった結婚式。優しい夫もいる。なのにどうして私は
◆伊与原 新/遠い遠い海から
――ウミガメが上がる浜に、わたしはひとり置いて行かれた
◆三浦しをん/パーティーはつづく
――ピザ屋のバイトが、退屈な日々にもたらした意外な感情
【豪華新連載三本立て】
◆畠中 恵/いつまで
――ねえ場久、一体どこへ行ってしまったの!? 若だんなたちに迫る厄災。その正体とは
◆澤田瞳子/のち更に咲く
――藤原道長が栄華を極めた平安中期。人殺しの子である兄妹は、都の盗賊を追うことに――
◆川上和人/鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない
――鳥類学者の日常って、こんなにも面白い! 表も裏もさらけ出す、大人気連載再始動
【「しゃばけ」シリーズ朗読記念インタビュー】
◆中村壱太郎 聞き手:九龍ジョー/繋ぎ、挑んで未来を拓く
――18巻『てんげんつう』を一冊丸ごと朗読した女方のホープ。たゆまぬ挑戦をする彼の目に映るのは――
【新春読物】
年女と年男の読書日記
――2023年はうさぎ年。節目の年を迎えるとき気になるあの人は、何を読むんだろう――
◆宇佐見りん
◆市川紗椰
◆最相葉月
◆岩井俊二
◆高山羽根子
◆山田ルイ53世
◆浅田次郎
【バラエティコラム】
〈わたしの相棒〉荒木あかね
〈そのとき(わたしの)歴史が動いた〉森 亮
〈わたしの東京〉実石沙枝子
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
◆岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
◆加納愛子/行儀は悪いが天気は良い
◆河合香織/4分の1の遺伝――神が曲げたもの――
◆こいしゆうか/くらべて、けみして 校閲部の九重さん
◆酒井順子/松本清張の女たち
◆友近/友近道中
◆群ようこ/四十年、こんな感じで書いてます
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人
〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
〈恋愛・青春〉高頭佐和子
【好評連載小説】
◆赤川次郎/暗殺
◆伊吹有喜/灯りの島
◆乙川優三郎/ロゴスの海のジプシー
◆恩田 陸/追憶の五重奏
◆河崎秋子/ともぐい
◆桐野夏生/ダークネス
◆今野 敏/一夜 隠蔽捜査10
◆新川帆立/三行半のお手伝い 縁切り弁護士・松岡紬
◆中山七里/絡新婦の綸 警視庁サイバー犯罪対策課
◆原田マハ/晴れの日の木馬たち 第一部完
◆宮城谷昌光/公孫龍
「日本ファンタジーノベル大賞2024」募集要項
第十回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告
この号の誌面
編集長から
一一本の読切短編、七人の読書日記
人の日常の話を聞くのが好きです。どこで誰と会い、何を食べ、何を読んだのか。今号では年女・年男としてうさぎ年を迎える七名に約一か月間、読書日記を書いていただきました。一九五一年生まれの浅田次郎さんから九九年生まれの宇佐見りんさんまで――たとえば一〇月二〇日の項、ある人は文学賞の贈賞式に出席し、ある人はネットショップ詐欺に遭い、ある人は新大久保でネパール料理を食べる。そしてその傍らにはいつも、本があります。
新連載は三作。藤原道長に仕える訳あり兄妹の物語を描く澤田瞳子さん、鳥類学者にして稀代のエッセイスト川上和人さん、そして畠中恵さんは「しゃばけ」新シリーズが始動です。
新年号恒例の読切大特集は、林真理子さん、江國香織さんをはじめとする一一作が豪華に揃い踏み! 進境著しい歌舞伎俳優・中村壱太郎さんのインタビューは、今や古典芸能評論といえばこの人、九龍ジョーさんが聞き手を務めています。
小説新潮編集長 西麻沙子
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バックナンバー
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雑誌から生まれた本
小説新潮とは?

小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。
時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。
小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。
目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。
言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。