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【春の歴史時代小説特集】
諸田玲子/梶よう子/千葉ともこ/仁志耕一郎/花房観音/砂原浩太朗

小説新潮 2023年4月号

(毎月22日発売)

1,000円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2023/03/22

発売日 2023/03/22
JANコード 4910047010435
定価 1,000円(税込)
■目次
【春の歴史時代小説特集】

諸田玲子/岩に牡丹〈新連載〉
――『解体新書』の挿絵を描いた小田野直武を中心に、「秋田蘭画」の興亡の謎に迫る

梶よう子/鏡面の顔 みとや・お瑛仕入帖
――ついに圭太と直接対決をすることになったお瑛だが……

◆千葉ともこ/雲煙のごとし 飲中八仙歌
――草狂の張旭を訪ねた杜甫は、思わぬ頼まれごとをされて

仁志耕一郎/築山御前の巻 家康の愛した女
――夫の家康から浜松へ呼び寄せられた瀬名。その道中――

花房観音/糺の森
――京の水を守る一族に生まれた高安。だが子宝に恵まれず

◆砂原浩太朗/幼なじみ 夜露がたり
――久しぶりに再会した幼なじみの様子がなんだかおかしい
【新連載】
月村了衛/虚の伽藍
――実家の寺を救うため出世を目指す凌玄は――。京都仏教界で巻き起こるピカレスクロマン!

◆くどうれいん/くどうのいどう
――足、乗り物、言葉、想像力……世界はわたしを動かすものだらけ。軽妙洒脱な、さすらいエッセイ
【『成瀬は天下を取りにいく』刊行記念エッセイ】
宮島未奈/大津ときめき紀行―ぜぜさんぽ―
――超話題作『成天』の舞台を、作者が巡る。少女たちが生きる琵琶湖のほとりの街並みとは
【傑作短編】
島本理生/ハッピーエンド 前編
――叔父と姪。許されぬ同居生活をスタートさせた二人を待ち受けるのは、幸せか、それとも

河端ジュン一/可能性の怪物 『文豪とアルケミスト』ノベライズ
――浄化条件「待ち合わせ」に、大衆の自殺――かつてない強敵に織田作之助と坂口安吾は
【大反響! 連載第二回】
◆堀元 見/読むだけでグングン頭が良くなる下ネタ大全
――「骨のあるヤツ」の「骨」は、おちんちんの骨だった!?
【バラエティコラム】
〈もういちど会いたい〉早川 光
〈そのとき(わたしの)歴史が動いた〉福田春美
〈あのとき聴いた音楽〉イザベラ・ディオニシオ
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
◆加納愛子/行儀は悪いが天気は良い
河合香織/4分の1の遺伝――神が曲げたもの――
川上和人/鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない
◆こいしゆうか/くらべて、けみして 校閲部のじゅうさん
酒井順子/松本清張の女たち
◆友近/友近道中
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助
〈SF・ファンタジー〉北村浩子
〈ノンフィクション〉東えりか
【好評連載小説】
赤川次郎/暗殺
伊吹有喜あかりの島
◆河崎秋子/ともぐい
桐野夏生/ダークネス
今野 敏/一夜 隠蔽捜査10
澤田瞳子/のち更に咲く
中山七里絡新婦じょろうぐもいと 警視庁サイバー犯罪対策課 最終回
畠中 恵/いつまで
宮城谷昌光/公孫龍
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
第十回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告

この号の誌面

編集長から

「解体新書」の挿絵はいかに描かれたか

 春です、新連載の季節です。諸田玲子さんの「岩に牡丹」は秋田藩の武士、武助こと小田野直武が主人公。藩を二分した銀札騒動から二十年ほど経った安永七(一七七八)年、藩主の絵の相手を務めていた武助の身にあるお役目が降りかかります。騒動の余韻に右往左往する武助がいかにして「解体新書」の挿絵を描くに至ったのか、目が離せません……! 歴史時代小説特集には本作の他、梶よう子さん、砂原浩太朗さんなど五本の力作が目白押しです。
 他に新連載は二作。幕開きからド迫力のシーンで始まる月村了衛さんの「虚の伽藍」は京都の仏教界が舞台。「白足袋」と呼ばれる僧侶たちの権力闘争を生々しく描くピカレスクロマンです。うってかわって作家で詩人のくどうれいんさんは、移動をテーマにしたチャーミングな随筆を寄せてくれています。
 河端ジュン一さんの『文豪とアルケミスト』ノベライズには織田作之助坂口安吾が登場! 手を携えて強敵に挑みます。

小説新潮編集長 西麻沙子

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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