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【特集】第22回女による女のためのR-18文学賞決定発表

小説新潮 2023年5月号

(毎月22日発売)

1,000円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2023/04/21

発売日 2023/04/21
JANコード 4910047010534
定価 1,000円(税込)
■目次
【特集】第22回女による女のためのR-18文学賞決定発表
○受賞作発表
○受賞の言葉

○選評 窪 美澄東村アキコ柚木麻子/友近

○優秀賞
◆仲谷実織/鬼灯の節句
――じゅんさいの生える沼のほとり。祖母とふたりで暮らす由紀はブルーシートの上で、彼と

○友近賞
◆義井 優/ゴーヤとチーズの精霊馬
――母を亡くし、一人古い家に住む希帆。夏休みに義理の妹が突然遊びにくることになって――

【歴代受賞者競作】
吉川トリコ/裸足でかけてくおかしな妻さん〈新連載〉
――世界の果てにきてしまった。“先生”に導かれ辿り着いた地で、楓の前をかけ抜けたのは

一木けい/パ!
――帰国が決まったママ友の澄花は驚愕の事実を語りはじめ

清水裕貴/嘘つきクラムチャウダー
――港で行われる選手権。僕は出場なんてしたくないのに

◆上村裕香/泣いてんじゃねえよ
――インターン参加のために帰省した沙智を待っていたのは

◆小沼朗葉/片思い
――ありふれた、でも本当の恋。自分だけがそう信じていた

宮島未奈/やめたいクレーマー
――今日もわたしはフレンドマートにお客様の声を響かせる
【『花に埋もれる』刊行記念対談】
窪 美澄×彩瀬まる/書きつづける、探しつづける
――二〇〇九年と二〇一〇年、本賞を一年違いで受賞した二人。デビューからの日々、そしてこれからの道のりは
【本誌初登場! 新連載】
◆川越宗一/満腔まんこうの熱血
――国内外に激変の荒波が押し寄せる明治時代。憲法の設計に命を燃やした男がいた――
【傑作短編】
矢樹 純/爪けが
――果穂は最近トラブルに見舞われてばかり。きっとすべて、汚らしい《あれ》のせいだ――

島本理生/ハッピーエンド 中編
――叔父の遼一と生活を共にし始めた永遠子。心が揺れる彼女のもとに、一本の電話が入った
【連載第二回】
月村了衛/虚の伽藍
――宗門に疑念を抱いた凌玄は怪しげな男たちの力を借りて

◆くどうれいん/くどうのいどう
――岩手県で暮らすのに欠かせない“相棒”に選ばれたのは

諸田玲子/岩に牡丹
――「秋田蘭画」勃興に影を落とすのは過去のお家騒動だった
【バラエティコラム】
〈わたしの相棒〉松原 始
〈もういちど会いたい〉錦見映理子
〈わたしの東京〉古賀及子
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
◆加納愛子/行儀は悪いが天気は良い
河合香織/4分の1の遺伝――神が曲げたもの――
川上和人/鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない
◆こいしゆうか/くらべて、けみして 校閲部のじゅうさん
酒井順子/松本清張の女たち
◆友近/友近道中
◆堀元 見/読むだけでグングン頭が良くなる下ネタ大全
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人
〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
〈恋愛・青春〉高頭佐和子
【好評連載小説】
赤川次郎/暗殺
伊吹有喜あかりの島
恩田 陸/追憶の五重奏
◆河崎秋子/ともぐい
桐野夏生/ダークネス
今野 敏/一夜 隠蔽捜査10
澤田瞳子/のち更に咲く
畠中 恵/いつまで 最終回
宮城谷昌光/公孫龍
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
第三十六回「山本周五郎賞」候補作発表
「日本ファンタジーノベル大賞2024」募集要項
次号予告

この号の誌面

編集長から

明治の熱血青年と令和版「女の一生」

 法は美しい――この言葉を読んだとき、そんな考え方があったのか! と蒙を啓かれる思いでした。川越宗一さんの新連載「満腔まんこうの熱血」は、明治憲法の制定に深く寄与した官僚、井上こわしが主人公。熊本の下級藩士の家に生まれたもののその才を買われてフランス語を学び、司法省の使節団の一員として帰朝したのは明治六年のこと。出世欲に燃えながら法律が統べる世界を希求する、まさに「熱血」青年の今後がとても楽しみです。
 今回で二二回を数える「女による女のためのR-18文学賞」。優秀賞と友近賞の受賞作を掲載します。歴代受賞者競作では、第三回の受賞者である吉川トリコさんの新連載がスタート。どこか太宰治を彷彿とさせるダメ男作家に促され、本妻との三人暮らしに突入した楓。しかし思いもよらない事態に陥り……。そして第八回第九回の受賞者、窪美澄さんと彩瀬まるさんの対談も。お三方の、長いようで短いデビュー以降の日々に思いを馳せました。

小説新潮編集長 西麻沙子

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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