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【特集】生まれたての作家たち2023
青波 杏/実石沙枝子/武石勝義/寺嶌 曜/藤つかさ/横山拓也

小説新潮 2023年6月号

(毎月22日発売)

1,000円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2023/05/22

発売日 2023/05/22
JANコード 4910047010633
定価 1,000円(税込)
■目次
【特集】生まれたての作家たち2023

◆青波 杏/カリフォルニアの青い空
――古新聞に見つけた祖母の名。遊郭から足抜けしたばあちゃんの胸に秘められた想いとは

◆実石沙枝子/メアリは帰りを待っている
――メイドのメアリがある日買い物から帰るとそこには待ち焦がれたあの人の姿が――

武石勝義/牌神
――余計なこと言うんじゃなかった。仲間たちと麻雀を打つトシのもとに現れたのは

寺嶌 曜/月と太陽
――仕事から戻ると、娘の日向が熱を出していた。双子の妹である咲月も行方不明になっていて

◆藤つかさ/長方形の死角
――お盆明けの大学構内で猫の死体が見つかった。一番の容疑者は過激さで知られる学長で――

◆横山拓也/人の気も知らないで
――春の宴会帰り。あれ私ほろ酔いで自転車を漕いでるけど、もしかしてこれ飲酒運転?

〈書評〉
吉田大助/二〇二二の新人と「マッチング」について
――この一年で生まれた個性豊かな作家たち。新たな才能の結晶を読みつくした筆者によるエンタメ指南
【特集】読む芸人ラジオ

〈エッセイ〉
これぞ、神回
――スター大集合! 人気番組のパーソナリティが、それぞれの心に残る思い出の一回を綴る
◆フワちゃん
◆剛(中川家)
◆駒場 孝(ミルクボーイ
◆ニシダ(ラランド)
◆ガク(真空ジェシカ)
◆黒田 有(メッセンジャー)

〈インタビュー〉
アルコ&ピース/空き地の土管で遊んでる
――彼らなくして、芸人ラジオは語れない。伝説を残し続ける二人が、ブースの外で語るのは

〈インタビュー〉
◆舟崎彩乃/話し手たちのすぐそばで――ラジオディレクターという仕事――
――知られざる就活事情からAD時代の苦労、日々のインプットまで。制作の裏側に迫る

〈連載特別編〉
岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
◆友近/友近道中
【好評連載第二回】
◆川越宗一/満腔まんこうの熱血
――非戦交渉のため、大久保利通らとともに清へ渡った毅は

吉川トリコ/裸足でかけてくおかしな妻さん
――好きな人の妻との共同生活。気まずくないわけがない!
【傑作短編】
西條奈加/籠飼の長男 善人長屋
――子供のいない菊松とお竹の夫婦が、旅先から男の子を連れ帰ってきたが、何やら訳ありで

島本理生/ハッピーエンド 後編
――愛し合うことを、止められない。禁断の純愛の果てに、叔父と姪とが導き出した答えとは
【グラビア】
第九回新潮ミステリー大賞贈呈式
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
◆加納愛子/行儀は悪いが天気は良い
河合香織/4分の1の遺伝――神が曲げたもの――
川上和人/鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない
◆くどうれいん/くどうのいどう
酒井順子/松本清張の女たち
◆堀元 見/読むだけでグングン頭が良くなる下ネタ大全
【バラエティコラム】
〈わたしの東京〉松山 巖
〈あのとき聴いた音楽〉斉藤 倫
〈もういちど会いたい〉佐川恭一
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈SF・ファンタジー〉北村浩子
〈医療・介護〉杉江松恋
【好評連載小説】
赤川次郎/暗殺
伊吹有喜あかりの島
◆河崎秋子/ともぐい
桐野夏生/ダークネス
今野 敏/一夜 隠蔽捜査10
澤田瞳子/のち更に咲く
月村了衛/虚の伽藍
宮城谷昌光/公孫龍
諸田玲子/岩に牡丹
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
第四十二回「新田次郎文学賞」決定発表
「日本ファンタジーノベル大賞2024」募集要項
次号予告

この号の誌面

編集長から

新人作家vs.ラジオ芸人のW特集

 未来ある新人作家、その最新作を掲載する「生まれたての作家たち」。今年で三回目となるこの特集、小説六作に加えて書評家の吉田大助さんが昨年のデビュー組を大紹介する書評を繰り広げます。取り上げた作品数はなんと二八本! これさえ読めばエンタメ系新人賞の傾向と対策、そして受賞作の内容が一気にわかるお値打ちもの。デビューを狙う作家の卵たちにもぜひ読んでいただきたいです。
 もう一つの特集は「読む芸人ラジオ」。フワちゃんや中川家・剛さんといった六人の芸人さんが、それぞれにとっての「神回」を面白おかしく綴ります。本誌連載陣のハライチ・岩井勇気さんと友近さんもエッセイで参戦。アルコ&ピースのお二人のインタビューでは、深夜ラジオを空き地の端っこの土管の中にたとえて「野球にもサッカーにもフットサルにも入れないやつらの、唯一の遊び場」と述べています。どこかしら小説誌と共通する空気が、そこにあるような気がしました。

小説新潮編集長 西麻沙子

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バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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