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【特集】恋と食べもの
一穂ミチ/原田ひ香/尾形真理子/奥田亜希子/君嶋彼方/錦見映理子/古内一絵

小説新潮 2023年9月号

(毎月22日発売)

1,000円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2023/08/22

発売日 2023/08/22
JANコード 4910047010930
定価 1,000円(税込)
■目次
【特集】恋と食べもの

◆一穂ミチ/わたしたちは平穏
――薄味を好む井子が恋人と暮らす平屋の一軒家で見たのは

原田ひ香/冴子
――四十年前に出会って別れた彼女が、突然目の前に現れた

◆尾形真理子/SUMMER STREAMER
――御歳69歳の鈴子が、単身アメリカへと飛び立った理由は

奥田亜希子/白と悪党
――初恋は、叶わないもの。そうお姉ちゃんは言ったけれど

◆君嶋彼方/夕立に悪魔
――シナモンの香りに導かれ思い出す、彼らとの特別な日々

◆錦見映理子/くちうつし
――両親と夫を立て続けに亡くした佐知に声をかけたのは

◆古内一絵/ワタシノミカタ
――仕事と家庭。満身創痍の理都子を“彼”が救ってくれて

〈エッセイ〉
失恋飯
――8人の男女が思いを馳せる、失った恋と、あの一皿。どんな味がするだろう?
千早 茜/恋愛駆け込み寺
◆山本ゆり/ゆかりとバターのパスタ
◆水野仁輔/カレーなの? ワタシなの?
◆田辺智加(ぼる塾)/初恋と食事
◆山脇りこ/アルミホイルの夜
◆馬田草織/中3ブルース
稲田俊輔/夜明けのヤキヤキソバ
山田詠美/恩讐の彼方のトマトサラダ

〈マンガ〉
◆コナリミサト/I️‍♥クリームメロンソーダ
――彼女はパシャパシャとカメラを向ける。そのワケは――

〈短歌〉
◆伊藤 紺/そういう生き様
――夏の恋の、あの瞬間。新時代の歌人が詠んだ珠玉の七首
【特選読み切り】
西條奈加/庚申待 善人長屋
――長屋へ現れた謎の女。懐にはなぜかカルタ札が……
【バラエティコラム】
〈わたしの東京〉岡本真帆
〈そのとき(わたしの)歴史が動いた〉野村麻里
〈うれしい買い物〉絶対に終電を逃さない女
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
川上和人/鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない
◆くどうれいん/くどうのいどう
◆こいしゆうか/くらべて、けみして 校閲部のじゅうさん
酒井順子/松本清張の女たち
◆友近/友近道中
◆堀元 見/読むだけでグングン頭が良くなる下ネタ大全
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人
〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
〈恋愛・青春〉高頭佐和子
【好評連載小説】
赤川次郎/暗殺 最終回
伊吹有喜あかりの島
恩田 陸/追憶の五重奏
◆川越宗一/満腔まんこうの熱血
桐野夏生/ダークネス
今野 敏/一夜 隠蔽捜査10 最終回
澤田瞳子/のち更に咲く
月村了衛/虚の伽藍
宮城谷昌光/公孫龍
諸田玲子/岩に牡丹
吉川トリコ/裸足でかけてくおかしな妻さん
第十一回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告

この号の誌面

編集長から

恋と食べもの、どっちが好き?

 今号の特集テーマは「恋と食べもの」。恋愛小説冬の時代と言われる昨今ですが、人類が恋をしていないわけがない! そして二人の間にはきっと、特別な一皿があるはず――そんな編集部員の思い込みに、七名の作家が作品で応えてくださいました。うち一穂ミチさん、古内一絵さん、尾形真理子さんは本誌初登場。フレッシュで繊細な作品世界をご堪能ください。
 小説以外の記事も超充実。失恋した時、人は何を食べるのか? という疑問から生まれたエッセイ、題して「失恋飯」。千早茜さんの梅おかかおにぎり、山本ゆりさんのゆかりパスタ、水野仁輔さんのグリーンカレー、ぼる塾・田辺さんの冷製パスタ、山脇りこさんのグラタン、馬田草織さんの巻き寿司弁当、稲田俊輔さんのヤキヤキソバ(正体は本誌参照)、そして山田詠美さんのトマトサラダ。読めば切ないドラマと味が身体中を駆け巡ります。コナリミサトさんの短編マンガ、伊藤紺さんの書下し短歌もお楽しみください。

小説新潮編集長 西麻沙子

次号予告

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞