『永遠の0』『フォルトゥナの瞳』『海賊とよばれた男』などベストセラーを連発する人気作家、百田尚樹が今度は少年小説を手がけました! 本作『夏の騎士』は、勇気を手に入れ、小さな恋を知り、成長していく少年たちの姿を描く、ハートウォーミングな感動作です。
昭和最後の夏休み。主人公のぼくと、友達の健太、陽介は、勉強も運動もパッとしないクラスの落ちこぼれ。けれども、図書室で読んだ『アーサー王の物語』に影響され、三人で「騎士団」を結成することに。騎士は高貴な女性、レディに忠誠を誓うもの。そこで三人は、学校一の美少女、有村由布子をレディに選びました。騎士団は彼女を守るため、隣町で発生した女子小学生殺人事件の犯人探しをはじめるのですが......。
落ちこぼれ三人が一念発起し、さまざまな試練に立ち向かうことで小さな勇気を育てていく物語は、意外性の連続で、さすが稀代のストーリーテラーというべき物語展開に魅了されます。芯が強くて、頭が良く、意地っ張りだがかわいらしい、百田作品史上最も素敵なヒロインも登場。それが誰かは読んでからのお楽しみ。
スティーブン・キングの『スタンド・バイ・ミー』を彷彿とさせる少年時代の色褪せない思い出を軸に、著者の代表作『永遠の0』にも通じる戦争というテーマが盛り込まれ、ミステリ展開にはハラハラドキドキさせられ、思わず胸がキュンとするような恋も描き、読後には最高の幸福感が味わえる。小説を読む喜びが贅沢に詰めこまれた傑作小説です!
「あれ? この本、読んだことあったっけ?」
「読んだはずだけど、どんな話か忘れちゃった」
本が好きなはずなのに、内容をぱっと思い出せない......そんな苦い経験をしたことはありませんか?
そこでお勧めしたいのが、この夏新登場した『ほんのきろく』。
通常の文庫と同じサイズで、自分で書き込むことのできる読書ノートです。
本書には、書名、著者名、出版社名、読了日などの項目があらかじめ用意されていますので、本を一冊読み終えるごとに項目を埋め、読書記録をつけていきます。
簡単にあらすじをまとめたり、読み終えた直後の感想や関連して考えたことをメモしておけるノートスペースも豊富です。
さらに、読んだ本のカバーを記録するスペースもあるので、自分で絵を描き色を塗ってもよし、毎夏恒例「新潮文庫の100冊」フェア中に手に入る無料の小冊子から写真を切り抜いて使ってもよし。お気に入りのカバーごと読書体験を記録することで、より充実したノートが完成します。
すべてのページを埋め終えると、100冊分の読書体験が詰まった、自分だけの特別な一冊が完成します。
日頃からたくさんの本に触れる人や、これからたくさん読みたい! と思っている人、好きな本について訊かれる機会の多い受験生や就活生にも、このノートが強い味方になってくれること間違いなしです。
他にも、コミックや雑誌など小説以外の読書体験を記録したり、お店でもらうカードと一緒にレストランや食べ歩きで得たグルメ情報を書き留めたり、スポーツ観戦や音楽ライブ、映画、絵画、落語鑑賞などのチケットを貼って思い出をまとめたり......と、イロイロな「きろく」に応用することが可能です。使い方は無限大!
本好きのための読書ノートで、この夏から自分の読書史をつづってみませんか?
累計900万部を突破した畠中恵氏による大人気しゃばけシリーズは、今年で20周年。
しゃばけの文庫が出るのは毎年年末でしたが、今年は20周年のサプライズとして、第18弾『てんげんつう』が夏に刊行されました! もちろん今年の年末にも特別なしゃばけ文庫最新刊をご用意しております。
そしてさらなる嬉しいニュースが! 20周年のアニバーサリーを記念し、「劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ」などの作品で知られる伊藤秀樹氏、同じく「夏目友人帳」シリーズを手がけるアニメスタジオ、朱夏が制作した「20周年記念スペシャルアニメ『しゃばけ』」を、しゃばけ公式サイトにて配信することが決定いたしました。
シリーズ20作目にあたる単行本新刊『もういちど』の発売日である、7月19日より配信スタート。若だんな役に榎木淳弥、仁吉役に内山昂輝、佐助役に阿座上洋平、屏風のぞき役に木村良平、鈴彦姫役に金元寿子と、今をときめく大人気声優が豪華共演。約3分のなかにしゃばけシリーズの名場面が凝縮され、シリーズの魅力を堪能することができる贅沢な一作です! 20年間支え続けてくださったファンの皆さまと、新たに「しゃばけ」を知りたいという読者の皆さまに贈る、待望の「しゃばけ」アニメ、配信をお楽しみにお待ちください!
20周年記念スペシャルアニメ「しゃばけ」
監督 伊藤秀樹(『劇場版 夏目友人帳』)
音楽 和田薫(「犬夜叉」シリーズ)
CV
若だんな:榎木淳弥
仁吉:内山昂輝
佐助:阿座上洋平
屏風のぞき:木村良平
鈴彦姫:金元寿子
アニメーション制作 朱夏
英国ブライトンに暮らすライターのブレイディみかこさんが、中学校に通う息子さんとの日々を綴った作品『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を文庫化しました。この作品が大ヒットするなか、キーワードとなったのは「エンパシー」という言葉です。
英国の公立学校教育には「シティズンシップ・エデュケーション」というカリキュラムがあるそうです。英国政府の定義によると「社会において充実した積極的な役割を果たす準備をするための知識とスキル、理解を生徒たちに提供することを助ける」ためのもので、期末試験では「エンパシーとは何か」といった問題が課されるそうですが、これに対してブレイディさんの息子さんは「自分で誰かの靴を履いてみること」と回答します。自分で、誰かの靴を、履いてみることーー。
英国ほどではないにせよ、日本でも外国人居住者が250万人を超え、社会全体が多様化しています。そうしたなか、自分とは信念や価値観がちがう(かもしれない)人の靴を履いてみて、「何を考えているのだろう」と想像してみる能力が、今後はますます大切になってくるのかもしれないーー。そんなことを考えさせてくれる作品です。
作品の一部は以下のサイトで読むことができますので、ぜひお楽しみください。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』特設サイト
このエンパシーという概念をブレイディさんがさらに掘り下げて思考した、『ぼくイエ』の"副読本"といってもいい本も刊行されています。『アナーキック・エンパシー』(文藝春秋刊)。『ぼくイエ』で感じることのあった人は、ぜひそちらも読んでみてください。
目の前を航行している船が北朝鮮の工作船で、その艦内には日本人が拉致されていたら......。当然、日本人を救出するために、その船に乗り込むでしょう。誰が? 海上自衛隊員です。
拉致された人間を奪還するのは当たり前のこと。簡単にできそうなものですが、実は手も足も出なかったという事件がありました。元海上自衛官の伊藤祐靖さん(階級は二佐)が『自衛隊失格―私が「特殊部隊」を去った理由―』で明らかにしました。
1999年のことです。海上自衛隊のイージス艦「みょうこう」は能登半島沖で北朝鮮拉致工作船と対峙。ところが隊員たちは工作船を止めるだけの訓練をしたことがなかったのです。拳銃を握ったこともないし、防弾チョッキもありません。結局、手も足も出ないまま不審船に悠然と逃げられてしまうのです。船の中には日本人がいたかもしれないのに。
現実を突きつけられた伊藤さんは、自衛隊初の特殊部隊を創設、邦人奪還に向けて命を削った秘密訓練を行いました。
初めて明かされる特殊部隊の実態に驚いたのが、漫画家のかわぐちかいじさん。「本書は日本の防衛を考えるひとつのファクトであり、その存在意味を考える手助けとなる最高の書であると断言する」と絶賛です。
伊藤さんは防衛大学校で教官をしていたこともあります。防大を離任する日、伊藤さんが学生に送った言葉にかわぐちさんは感動。「是非これから社会人になる方に読んでいただきたい」と熱く語ります。離任の辞を少しだけ紹介します。
「若者にとって、過去というものは、反省するときに使うだけのものだ。省みるためのみに存在する。懐かしがるのは退官してからにしろ。現在と未来のために生きろ。チラチラ後ろなんか振り向くな」
胸がカッと熱くなる名演説、是非全文をお読みください。