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若き日の有吉佐和子が放った傑作短篇たちを収めた『役者廃業・三婆』が、新潮文庫6月新刊で登場。


『青い壺』『悪女について』『恍惚の人』『非色』『華岡青洲の妻』......数々の話題作を遺した有吉佐和子が20代後半から30代前半で発表した珠玉の名作たちを、新潮社より新装復刊しました。

 初めて読んだ有吉佐和子作品がどれだったか、覚えていますか?
『悪女について』『華岡青洲の妻』......生前に発表された作品は映像化されたものがたくさんあるので、先に映画やドラマから触れた人も多いかもしれません。社会現象にもなった『恍惚の人』の大ヒットによって、新潮社の本館の向かいに別館ビルが建てられ、「恍惚ビル」の別名がついたという逸話もあります。
 数々の話題作を残した著者は、実は53歳という若さでこの世を去りました。圧倒的筆力は、若い頃からエンジン全開。本書『役者廃業・三婆』に収録された作品たちはどれも、いまならアラサーと呼ばれる年齢で執筆されたものです。端正な工芸細工のような日本語、比類のないストーリーテリング、作品を深く掘り下げるジャーナリスティックな視点。いま読んでも「新鮮」な傑作ばかりです。

 今作の帯には、収録作「亀遊の死」を舞台化した際の名演が評判となった坂東玉三郎さんから推薦のコメントをいただいています。

 毎日有吉先生の台詞をしゃべっていると、
 有吉さんが私の側で語りかけているような気がします。
 愛と哀歓で世の中と人間の全てを洞察している先生の視線。
 見えてしまえばこそ、さぞ辛かったであろうと思いながらも、
 私は先生の作品が大好きなのです。

『青い壺』で初めて有吉佐和子を知った、という若い読者のみなさんにも、ぜひ手に取っていただきたい貴重な短篇集となっています。舞台「三婆」で、長年タキ役を好演してきた渡辺えり氏による新解説も必読です。

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2026年06月15日   今月の1冊
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