池波正太郎の傑作時代小説が、相次いでテレビドラマ化されます。
8月8日、フジテレビの金曜プレステージ(午後9時~10時52分)で放送されるのが、「剣客商売 鬼熊酒屋」。北大路欣也主演の「剣客商売」シリーズの第3弾です。今回は、新潮文庫『剣客商売二 辻斬り』所収の「鬼熊酒屋」と『剣客商売五 白い鬼』所収の「三冬の縁談」という2つのエピソードをベースに、親が子を思う気持ち、子が親を思う気持ちなど、さまざまな“思いやり”の姿が描かれます。
>> 金曜プレステージ「剣客商売 鬼熊酒屋」サイト
一方、今秋、スカパー!と時代劇専門チャンネルのオリジナル時代劇最新作として登場するのが『闇の狩人』(新潮文庫刊)。池波ファンの間でも知る人ぞ知る名作の、待望のドラマ化です。盗賊・雲津の弥平次を演じる中村梅雀はじめ、風吹ジュン、福士誠治、谷村美月、加藤武、波乃久里子、石橋蓮司、津川雅彦ほかのオールスターキャスト。前編(9月14日夜6時、BSスカパー!で放送)、後編(10月5日夜9時、時代劇専門チャンネルで放送)あわせて3時間に迫る大作です。池波正太郎の三大シリーズ「剣客商売」「鬼平犯科帳」「仕掛人・藤枝梅安」のエッセンスを凝縮したような傑作『闇の狩人』がどう映像化されるか、楽しみですね!
>> ドラマ「闇の狩人」公式サイト


話題作が目白押しの夏休み映画の中でも今年一番注目を集めるスタジオジブリ最新作「思い出のマーニー」が7月19日(土)いよいよ公開します。
米林宏昌監督で映画化されたこの作品、元々は宮崎駿氏が推薦していたイギリス児童文学の古典的名作ということ、ご存知ですか。
心に闇を抱える少女、アンナがひと夏預けられた先で出会った不思議な少女マーニー。
ふたりは次第に心を通わせ、マーニーはアンナにとって初めての親友となっていきます。
しかし、突然マーニーが姿を消してしまい……。
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思い出のマーニー ジョーン・G・ロビンソン、高見浩/訳 ![]() みんなは“内側”の人間だけれど、自分は“外側”の人間だから――心を閉ざすアンナ。親代わりのプレストン夫妻のはからいで、自然豊かなノーフォークでひと夏を過ごすことになり、不思議な少女マーニーに出会う。初めての親友を得たアンナだったが、マーニーは突然姿を消してしまい……。やがて、一冊の古いノートが、過去と未来を結び奇跡を呼び起こす。イギリス児童文学の名作。 ![]() ISBN:978-4-10-218551-3 発売日:2014/06/27 ![]()
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今回の映画公開にあわせて『ハンニバル』などで知られる高見浩氏が手がけたきめ細やかな新訳版『思い出のマーニー』が新潮文庫で発売されました。
「新潮文庫の100冊」フェア期間限定のプレミアムカバー。
今年はさらにパワーアップして登場です。
高級感溢れる革のような質感のカバー用紙に、文字は豪華な箔押し。
この夏のフェア期間にしか手に入らないプレミアム文庫です。書店店頭でぜひ手に取って確かめていただきたい逸品です。
今年のラインナップは新聞連載から100年を迎え話題となっている夏目漱石『こころ』をはじめ、「新潮文庫の100冊」の中から厳選した名作中の名作が全8点。読み逃していた傑作、読み返したい名作をぜひこの機会にお買い求めください(フェア期間限定のため品切れの場合はご容赦ください)。
この夏は「新潮文庫の100冊」でこころの旅へでかけよう。
今年の旅のお供は、色鮮やかなキャラクターたち。このキャラクターは、フランスで活躍するアーティスト、ジュヌビエーヴ・ゴクレールさんが創りだした「本の妖精」たちです。本を読んだときの様々な感情を象徴するカラフルな20のキャラクターたちが、本屋さんでみなさんをお待ちしています。
そして、今年のプレゼントはこのキャラクターが描かれた[オリジナル 文庫トート]です。文庫がちょうど入るサイズで、ポケットも2カ所付いている本格仕様です。「2014年 新潮文庫の100冊」のオビに付いているプレゼントマーク1枚をハガキに貼って応募すると、抽選で10,000名様に当たります。詳しくは、こちらをご覧ください。
ベネディクト・カンバーバッチ扮するシャーロック・ホームズが活躍する「SHERLOCK(シャーロック)」が英国のみならず、日本を含めた世界中で人気沸騰中。映像の美しさ、展開の見事さ、ミステリとしての構築度の高さからミステリファンだけでなく、数多のシャーロキアンたちを唸らせている。
「SHERLOCK」では、舞台を21世紀のイギリスに移し、電報は携帯(スマホ)に、馬車はタクシーに置き換えられ、原作で“ヘビースモーカー”だったホームズは“ニコチンパッチで禁煙中”だったり、ホームズの“伝記”を書くワトスンは“ブログ”で事件のあらましを書き綴ったりするなど現代的なアレンジになっている。
また、原作通り主人公2人が同居し始めるのだが、周囲からゲイだと思われ、気を遣われる様子も同性愛が認知されている現代だからこその演出だろう。
しかし、全体的な枠組みは驚くほど原作をなぞっており、各場面には作り手の拘りと遊び心、なにより原作への愛が滲み出ているのが「SHERLOCK」の魅力の一つだ。
例えば、シャーロック・ホームズのトレードマークといえば“鹿撃ち帽”だが、実は原作にそのような記述はなく、1891年の「ボスコム渓谷の惨劇」に描かれた挿絵によるイメージが一般的に広がったものである。
「SHERLOCK」では、マスコミから顔を隠すために被った鹿撃ち帽のせいで世間ではトレードマークとされてしまう。ある記者会見の場でも鹿撃ち帽を被ってくれとマスコミに頼まれ、嫌々被るという場面があり、挿絵が一人歩きしてしまっていることを皮肉っている。
他にも原作のエッセンスが詰め込まれた部分がたくさんある。「小説新潮 2014年5月号」に掲載された【The Adventures of 「SHERLOCK」】から少しだけ紹介しよう。