ホーム > 新潮文庫 > 新潮文庫メール アーカイブス
新潮文庫メールマガジン アーカイブス



 社会人一年目の新入社員にお薦めされるビジネス本の多くは、真面目に読んでいると途中で投げ出したくなるものばかり。“知っておくべきこと”“やるべきこと”“やらざるべきこと”の多さに辟易し、だんだんと自己嫌悪に陥る傾向が多い。これは、まだ経験したことのない悩みを先取りしているからで、ビジネス本は社会生活の中でぶち当たった悩みを解消するために使うのがもっとも効率がよい。

 今回の文庫セレクトでは、状況に合わせて読める実用書を取り上げました。
 とりわけ、山口瞳さんの『礼儀作法入門』は、祝儀袋の渡し方から酒の飲み方、ギャンブル、さらには女性との別れ方まで、あなたのピンチを救ってくれる一冊になっています。ビジネスマンにとって礼儀作法は基本ですが、マナーやエチケットに困ってしまい、インターネットに頼ってみたら余計に混乱したという方におすすめです。

続きを読む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年03月21日   文庫セレクト


 切れ味鋭いトリック、幻想的なイメージ、心の深層を抉る人間ドラマ。
 道尾秀介さんの作品には、さまざまな魅力があります。このたび刊行された『月の恋人―Moon Lovers―』の最大の魅力は、ずばり、恋愛小説としての純度! フジテレビ系月9ドラマとのコラボ作品として話題になった本作を読めば、あなたの忘れかけていた(?)恋心が甦るかもしれませんよ。

続きを読む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年03月11日   今月の1冊


 Yonda?Mail購読者の皆さん、こんにちは。

「小さな、しずかな物語ですが、これは狂気の物語です。そして、いままでに私の書いたもののうち、いちばん危険な小説だと思っています」(『神様のボート』江國香織)。

 骨ごと溶けるような恋をした“あのひと”が言った。「かならず戻ってきて探しだす」。その言葉を信じ関東各地を転々とさすらう葉子と、“あのひと”との不倫で生まれた娘草子の十数年。狂おしい夢に生きる母と、おとなになっていく娘の現実がぶつかるときふたりは……。静かに狂う女性の内面に分け入る。これは本当に怖ろしい小説だと思いました。

 この美しくも危険な物語がNHK-BSプレミアムでドラマ化されます。主演は宮沢りえさん。なんと14年ぶりの連続ドラマ主演だとか。宮沢さんの美しくも迫真の演技に、ドラマも期待大です!

「神様のボート」(NHK-BSプレミアム 2013年3月10日(日)、17日(日)、24日(日) 午後10:00~10:49)。

(K・Y)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年03月01日   お知らせ



 Yonda?Mailにご登録いただいている読者の皆さまに〈犬や猫、イルカなど動物が登場する小説やエッセイ〉で印象に残っている本についてアンケートを取った結果を発表いたします。
老人と海』(ヘミングウェイ・著)や『かもめのジョナサン』(リチャード・バック・著)などの名作や昨年「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」として話題になり、映画化も決まった『陽だまりの彼女』(越谷オサム・著)などがオススメされる中、最も多くの推薦があった本をご紹介いたします。





推薦コメント

夏目漱石先生の言わずと知れた名作です。これ以上の動物が主役の小説はないと思うのであえて推させて頂きました。日本の誇りだと思います。(40代女性 神奈川県)

子供時代に読んだときと、大人になってから読んでもまた違った楽しみ方ができる一冊。家に飼ってる猫と照らし合わせて読んでしまう。暖かい気持ちになります。子供にも読ませたい一冊です。(30代女性 神奈川県)

猫を通じての人間への風刺、落語や講談調の文体や知識の豊富さ等若い者から年長者まで十分に読み応えがあります。いつになってもベストセラーである最高の読み物です。(60代男性 東京都)

●夏目漱石『吾輩は猫である

購入



推薦コメント

とにかく、疾風(オオカミ犬)がかっこ良い!(20代女性 神奈川県)

乃南アサさんの初めて読んだ本が『凍える牙』でした。切なくて切なくて……オオカミ犬が飼い主の深い悲しみを理解してくれるのです。。。この本が縁で乃南アサさんの本をむさぼり読みました。(40代女性 東京都)

ストーリーの巧みさ、緊張感と疾走感、魅力的な主人公の、一気に読ませる本です。そして、登場する人間の誰よりも話の核となる、オオカミ犬“疾風”。気品に満ち賢く、凛として自分の意思を貫き、深い悲しみを抱えている。“疾風”は、人間の愚かさを知らしめるために舞い降りてきて、駆け抜けていった犬のように思える、そんな1冊です。(60代女性 青森県)

●乃南アサ『凍える牙

購入




推薦コメント

高校生の時に、読書感想文用に読み始めた本。読み始めてすぐに、宿題など関係なく、どっぷりはまってしまいました。不思議な犬の愛らしさに心打たれます。(20代男性 千葉県)

ネコ派な僕ですが犬もいいなと思わせる泣ける一冊です。(30代男性 長崎県)

自分の人生の最後のほうをどのように生きていきたいか考える機会を与えてくれます。(40代男性 青森県)

●テリー・ケイ 兼武進『白い犬とワルツを

購入



推薦コメント

江國香織さんの短編。犬は飼ったことも飼うつもりもないが、犬というのはいいものだなと思った作品。(40代女性 宮崎県)

「デューク」が好きです。似たような設定としては『陽だまりの彼女』も面白かったですが。(40代女性 神奈川県)

江國香織『つめたいよるに』に所収の短篇小説「デューク」を推薦します。亡き愛犬への想いを描いた味わい深い作品です。大学入試センター試験の国語の試験にも使われ、試験中にもかかわらず涙を流す受験生が続出したそうです。(60代男性 岩手県)

●江國香織『つめたいよるに

購入



続きを読む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年02月20日   文庫セレクト


 あなたにも、きっと、好きなロックバンド、ミュージシャンがいることでしょう。私にも数え切れないくらい、好きなバンドやミュージシャンがいます。

 ここに、殺人事件という嵐に襲われ、崩壊寸前の人気ロックバンドをめぐる、ひとつの物語が誕生しました。

「夏の100冊」でおなじみ『ブラバン』の著者である津原さんはバンドやソロなどのスタイルで活動を続ける、現役のミュージシャンでもあります。打ち合わせの合間、ロックについて雑談するなかで、
「津原さんに、ぜひ、ロックバンドをめぐるストーリーを描いてほしい」
 という気持ちが育ってゆきました。
 そして、ある年の某日、その思いをお伝えしました。

 音を発することのない小説というメディアから旋律を響かせるというのはいかに困難なことか。存在しないロックバンドに生命を与えることがどんなに大変か。思い返せば、乱暴無謀な依頼でした。

 そして――、昨年10月末、〈クロニクル・アラウンド・ザ・クロック〉が新潮文庫の新シリーズとしてスタートしました。

 第一巻『爛漫たる爛漫』の原稿を読みはじめたとき、私の耳にはロックバンド爛漫の演奏する姿が見えました。彼らが全身全霊で奏でる曲の数々が確かに聞こえました。物語が終わったとき、ギターの残響を味わいながら、しばらくデスクから動けませんでした。

 ここで、主要な登場人物を紹介しましょう。


続きを読む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年02月12日   今月の1冊