旅する力―深夜特急ノート―
781円(税込)
発売日:2011/04/26
- 文庫
〈最終便〉が、発車します。バックパッカーのバイブル『深夜特急』誕生前夜の秘話の数々。シリーズ累計500万部突破!
旅とは何か、なぜ人は旅へと駆り立てられるのか? 冒険と叙情に満ちた紀行文学であり、瑞々しい青春記でもある名作『深夜特急』の誕生前夜、若き著者には秘められた物語の数々があった……。幾多の読者からの絶えざる問いかけに初めて、そして誠実に応えた〈旅〉論の集大成、著者初の長篇エッセイが本書である。「恐れずに。しかし、気をつけて」これから旅立つすべての人に――。
目次
序章 旅を作る
人は旅をする。だが、その旅はどこかに在るものではなく、旅をする人が作るのだ。「余儀ない旅」ではなく、「夢見た旅」を始めようとするとき……
第一章 旅という病
もし旅が病だとすれば、私がそれに冒されたのはいつのことだったのだろう。幼いころ、ひとり電車に乗って行ったあの旅においてだったのだろうか……
第二章 旅の始まり
果たして陸路でロンドンまで行けるのだろうか? 不安を抱えたまま躊躇していた私の背中を押してくれたのは、雑誌に載ったある文章の一節だった……
第三章 旅を生きる
その旅における最大の幸運は、第一歩を踏み出したのが香港だということだった。そこから徐々に異国というものに慣れていくことができたからだ……
第四章 旅の行方
旅から帰ってきた私は、以前とあまり変わらない日常に戻っていった。『深夜特急』を書くという、もうひとつの、さらに長い旅が待っているとは知らないまま……
第五章 旅の記憶
いくつになっても旅はできる。しかし、旅にはその年齢にふさわしい旅というのがあるのかもしれない。その年齢でなければできない旅が……
終章 旅する力
旅は自分の「背丈」がどれほどのものかを教えてくれる。だが、その「背丈」を高くしてくれるのも、困難を切り抜けていく中での旅であるかもしれないのだ……
あとがき
[対談]あの旅の記憶
大沢たかお
沢木耕太郎
[対談]あの旅の記憶
大沢たかお
沢木耕太郎
書誌情報
読み仮名 | タビスルチカラシンヤトッキュウノート |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 384ページ |
ISBN | 978-4-10-123518-9 |
C-CODE | 0195 |
整理番号 | さ-7-57 |
ジャンル | エッセー・随筆 |
定価 | 781円 |
著者プロフィール
沢木耕太郎
サワキ・コウタロウ
1947年、東京生れ。横浜国大卒業。『若き実力者たち』でルポライターとしてデビューし、1979年『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、1982年『一瞬の夏』で新田次郎文学賞、1985年『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞を受賞。1986年から刊行が始まった『深夜特急』三部作では、1993年、JTB紀行文学賞を受賞した。ノンフィクションの新たな可能性を追求し続け、1995年、檀一雄未亡人の一人称話法に徹した『檀』を発表、2000年には初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行。2006年『凍』で講談社ノンフィクション賞を、2014年『キャパの十字架』で司馬遼太郎賞を、2023年『天路の旅人』で読売文学賞を受賞。ノンフィクション分野の作品の集大成として「沢木耕太郎ノンフィクション」が刊行されている。
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