いっちばん
1,540円(税込)
発売日:2008/07/31
- 書籍
シリーズ累計277万部突破! 大人気「しゃばけ」シリーズ最新刊!!
インタビュー/対談/エッセイ
波 2008年8月号より 【インタビュー】ホームグラウンドで新たな物語を紡ぐ
――七月三十一日に「しゃばけ」シリーズ最新刊『いっちばん』が発売になりますね。
畠中 はい。おかげさまで毎年この時期に新刊を出させていただいています。『しゃばけ』はデビュー作で、『しゃばけ』と『ぬしさまへ』は一年半ほど間隔が空きましたが、それからはずっと一年に一冊ずつ書いてきています。自分の部屋の本棚にシリーズが並べておいてあるのですが、このところそのコーナーの幅が厚みを増してきていて、ああ、自分も年をとったな、とも思いますが(笑)、「しゃばけ」の世界を書きはじめるとホームグラウンドに戻ってきたような気がして、ほっとします。
――前作の短編集『ちんぷんかん』は、全体を通してそこはかとなく寂しいトーンで、「別れ」が色濃く滲んでいましたが、『いっちばん』はうってかわって、明るく前向きな印象がありました。そのあたりはお書きになる前から計算してらっしゃるのでしょうか。
畠中 計算と言うほどではありませんが、前作で「別れ」が多くあったとしたら、次に来るのは「出会い」だな、とは思っておりましたので、結果的に前向きな作品が多くなったんだと思います。
――相変わらず体は弱いですが、若だんなもだんだんと大人になってきている気がしました。
畠中 そうですね。今回、珍しく、若だんながちょっぴりアクティブです(笑)。兄やたちも、若だんながあまり寝込んだりしないので、少し、ほんの少しですけど、大人として接したりもしていますね。
――そうですね。でも、熱でも出せば、また一発で逆戻りでしょうが。
畠中 そうでしょうねぇ(笑)。
――ネタバレになってしまうので、あまり詳しく紹介できないのが残念ですが、「この人が!」という人が再登場したりして、脇を固める人々にもスポットがあたってますますシリーズとしての魅力も増しています。
畠中 同じ登場人物が活躍すると、どんなに工夫してもやはりどこかマンネリになってきます。ですから、若だんなに目立った変化がない分、周りの人々の生活に変化をつけて、読んで下さる人が飽きないように考えています。
――去年はフジテレビでスペシャルドラマにもなり、第二弾も製作されることが発表されたばかりですが、原作者としてテレビドラマはいかがでしたか。
畠中 小説とドラマでは表現方法が全然違うので、原作者として、というよりは一視聴者として楽しく見ました。原作者としてはロケ現場に見学に行かせていただき、長崎屋のセットの細かさに感動したりしましたが、ドラマをきっかけに原作を読んでくださったという方も多くて、やはりテレビの力はすごいなぁと……。
――なんだか人ごとみたいなおっしゃり方ですねぇ。でも、そののんびりした感じが畠中さんらしいですけども(笑)。たしかに去年から、またファンがグンと増えましたね。もうシリーズの累計部数が三百万部近いですから。
畠中 自分では、あまり意識したことはないですが、このあいだ道を歩いていたら、初めてサインを求められ、あまりにびっくりして「よく分かりましたねぇ!」と申し上げると「ファンなんです!」とおっしゃって下さり嬉しかったです。
――では最後に読者の方にメッセージをお願いします。
畠中 毎回、ああでもないこうでもないとじたばたしつつ書いています。それでも書き続けられるのは、やっぱり楽しみだと言ってくださる方がいらっしゃるからです。著者はうんうん唸りながら、若だんなはゴホゴホ咳をしながらも頑張っていきますので、これからもよろしくお願いいたします。
畠中 はい。おかげさまで毎年この時期に新刊を出させていただいています。『しゃばけ』はデビュー作で、『しゃばけ』と『ぬしさまへ』は一年半ほど間隔が空きましたが、それからはずっと一年に一冊ずつ書いてきています。自分の部屋の本棚にシリーズが並べておいてあるのですが、このところそのコーナーの幅が厚みを増してきていて、ああ、自分も年をとったな、とも思いますが(笑)、「しゃばけ」の世界を書きはじめるとホームグラウンドに戻ってきたような気がして、ほっとします。
――前作の短編集『ちんぷんかん』は、全体を通してそこはかとなく寂しいトーンで、「別れ」が色濃く滲んでいましたが、『いっちばん』はうってかわって、明るく前向きな印象がありました。そのあたりはお書きになる前から計算してらっしゃるのでしょうか。
畠中 計算と言うほどではありませんが、前作で「別れ」が多くあったとしたら、次に来るのは「出会い」だな、とは思っておりましたので、結果的に前向きな作品が多くなったんだと思います。
――相変わらず体は弱いですが、若だんなもだんだんと大人になってきている気がしました。
畠中 そうですね。今回、珍しく、若だんながちょっぴりアクティブです(笑)。兄やたちも、若だんながあまり寝込んだりしないので、少し、ほんの少しですけど、大人として接したりもしていますね。
――そうですね。でも、熱でも出せば、また一発で逆戻りでしょうが。
畠中 そうでしょうねぇ(笑)。
――ネタバレになってしまうので、あまり詳しく紹介できないのが残念ですが、「この人が!」という人が再登場したりして、脇を固める人々にもスポットがあたってますますシリーズとしての魅力も増しています。
畠中 同じ登場人物が活躍すると、どんなに工夫してもやはりどこかマンネリになってきます。ですから、若だんなに目立った変化がない分、周りの人々の生活に変化をつけて、読んで下さる人が飽きないように考えています。
――去年はフジテレビでスペシャルドラマにもなり、第二弾も製作されることが発表されたばかりですが、原作者としてテレビドラマはいかがでしたか。
畠中 小説とドラマでは表現方法が全然違うので、原作者として、というよりは一視聴者として楽しく見ました。原作者としてはロケ現場に見学に行かせていただき、長崎屋のセットの細かさに感動したりしましたが、ドラマをきっかけに原作を読んでくださったという方も多くて、やはりテレビの力はすごいなぁと……。
――なんだか人ごとみたいなおっしゃり方ですねぇ。でも、そののんびりした感じが畠中さんらしいですけども(笑)。たしかに去年から、またファンがグンと増えましたね。もうシリーズの累計部数が三百万部近いですから。
畠中 自分では、あまり意識したことはないですが、このあいだ道を歩いていたら、初めてサインを求められ、あまりにびっくりして「よく分かりましたねぇ!」と申し上げると「ファンなんです!」とおっしゃって下さり嬉しかったです。
――では最後に読者の方にメッセージをお願いします。
畠中 毎回、ああでもないこうでもないとじたばたしつつ書いています。それでも書き続けられるのは、やっぱり楽しみだと言ってくださる方がいらっしゃるからです。著者はうんうん唸りながら、若だんなはゴホゴホ咳をしながらも頑張っていきますので、これからもよろしくお願いいたします。
(はたけなか・めぐみ 作家)
著者プロフィール
畠中恵
ハタケナカ・メグミ
高知県生れ、名古屋育ち。名古屋造形芸術短期大学卒。漫画家アシスタント、書店員を経て漫画家デビュー。その後、都筑道夫の小説講座に通って作家を目指し、『しゃばけ』で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。また2016(平成28)年、「しゃばけ」シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞する。他に「まんまこと」シリーズ、「若様組」シリーズ、「つくもがみ」シリーズ、「佐倉聖の事件簿」シリーズ、「まことの華姫」シリーズ、『ちょちょら』『けさくしゃ』『うずら大名』『わが殿』『猫君』『御坊日々』『忍びの副業』などの作品がある。また、エッセイ集に『つくも神さん、お茶ください』がある。
関連書籍
判型違い(文庫)
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