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名手が描く、100%の恋愛小説(新潮文庫編集部 D・A)


 切れ味鋭いトリック、幻想的なイメージ、心の深層を抉る人間ドラマ。
 道尾秀介さんの作品には、さまざまな魅力があります。このたび刊行された『月の恋人―Moon Lovers―』の最大の魅力は、ずばり、恋愛小説としての純度! フジテレビ系月9ドラマとのコラボ作品として話題になった本作を読めば、あなたの忘れかけていた(?)恋心が甦るかもしれませんよ。

 不甲斐ない彼氏と理不尽極まりない職場を一度に捨て、ひとり旅に出た元派遣社員の椋森弥生は、滞在先の上海で葉月蓮介と運命的な出会いをします。蓮介は、高級家具を扱うレゴリスの若き経営者として注目される存在。おりしも、上海支社のオープニング記念パーティのために中国を訪れていたのでした。

 その一方、上海に住む台湾人女性シュウメイは、美貌を買われ、レゴリスの日本版CMモデルに大抜擢されたのですが、それをきっぱりと断ります。

 この三人を軸として、愛すべき多彩な登場人物が恋の周りに現れます。
 営業マン一年生、弥生の“ちょっと天然な”弟・亮。
 居酒屋「おんちゃん」の店主・鉄二と愉快な常連客たち。
 蓮介の参謀たるレゴリス専務・雉畑藤吾。学生時代から付き合いがある同社広告宣伝部長・野方風見。

 あとは頁を開いてのお楽しみ!

 人気作家の、あなたの知らないもうひとつの世界――心ゆくまで楽しんでください。



(新潮文庫編集部 D・A)

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2013年03月11日   今月の1冊
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