4月9日よりテレビ東京で連続ドラマもスタート! 可笑しくも切ない父娘の物語。
突然ですが、あなたのご両親のなれそめを聞いたことはありますか? お父さんの苦労話について尋ねたことはありますか? お母さんから悩みを打ち明けられたことはありますか?
すべて「あるよ!」と答えられる人は、あまりいないのではないでしょうか。誰よりも近い存在であるはずなのに、親のことって、実はほとんど知らないのかもしれません。
20年前に母を亡くし、以来父が唯一の肉親であったジェーン・スーさんも、その事実に気づきました。そこで「父の話が聞けなくなってしまう前に」と書き始めたのが、本書『生きるとか死ぬとか父親とか』です。
70代後半の父から、母との出会いについて、戦争体験について、青春時代について、さまざまなエピソードを聞き出していくうちに、スーさんには父という人の輪郭がだんだん見えてきます。同時に、若くして失った母をめぐる、つらすぎてこれまで目を背けてきた記憶にも向き合うことになり――。
しっかり者の娘と、愛嬌たっぷりの父。スーさんとお父さんだけの特別な話なのに、なぜか読者は自分の親や子どもを思い起こさずにはいられない、そんな普遍的な家族の在り方が、この作品には描かれています。
そして4月9日(金)からは、本書を原作としたドラマもスタート。スーさんをモデルにした主人公を演じるのは吉田羊さん、そのお父さん役は國村隼さんです。親子の可笑しくも切ないほんとうの物語を、原作、ドラマともどもお楽しみください。
2021年03月15日 今月の1冊