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祝、本屋大賞受賞!  町田そのこ伝説のデビュー作文庫化& 注目シリーズ記念フル帯化


「女による女のためのR-18文学賞」第15回の選考会は伝説的な盛り上がり方を見せた。新潮社の女性社員たちによる社内選考では珍しくほぼ満場一致でとある作品が推挙され、最終選考ではその作品が三浦しをん先生、辻村深月先生両名に絶賛され、文句なしの大賞を受賞した。

 それが町田そのこ氏の「カメルーンの青い魚」だった。

 団子を食べていて、差し歯が抜ける。そんな一見コミカルな始まり方をする物語はたった一つの忘れられない恋を切なく描き、そしてあっと驚くミステリー的な仕掛けを見せる。その新人離れした巧さを持った受賞作を含む連作短編集が新潮文庫4月新刊の『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』である。

 町田そのこ氏の快進撃は止まらず、デビューしてわずか4年でこの『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』執筆中に着想したという長編小説『52ヘルツのクジラたち』(中央公論新社)で見事本屋大賞を受賞した。

『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』『ぎょらん』(新潮社)、『52ヘルツのクジラたち』の魚をモチーフとした通称(お魚三部作)とは別のシリーズとして町田そのこ氏の全く違った、キャラクターエンタメの面白さを味わえる作品が『コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―』である。

 これは北九州門司港という、町田そのこ氏にとっても何度も足を運んだ思い出の街にある小さなコンビニを舞台に繰り広げられる、個性的な店長とその兄、そして常連客たちによる心温まる物語だ。

 お仕事小説、お店もの小説、というのは世の中に数多くあれど、新・本屋大賞作家が描くキャラクターエンタメの「読んで絶対にハズレのない」面白さに触れてみてほしい。

『52ヘルツ』で名前を知り、町田そのこ氏に興味を持った方は是非この「伝説のデビュー作」『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』とエンタメに振り切った泣けて笑える注目シリーズ『コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―』を手に取ってもらいたい。

※受賞を祝して、『コンビニ兄弟』は写真をつかったフル帯バージョンを期間限定で刊行中です。

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2021年04月15日   今月の1冊
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