ホーム > 新潮文庫 > 新潮文庫メール アーカイブス > 命懸けの「嘘」で、新たなる歴史の扉を開く男女逆転宮廷絵巻が開幕しました!
新潮文庫メールマガジン アーカイブス
命懸けの「嘘」で、新たなる歴史の扉を開く男女逆転宮廷絵巻が開幕しました!


 少女小説を中心に多くの人気作品を発表している三川みりが、新潮文庫nexで骨太の本格ファンタジーを発表しました。舞台は、巨大な龍の上に存在するとされる大地。九つの国の中の一国で、皇尊(すめらみこと)が崩御し、三人の男たちによる皇位の座を巡る競い合いが始まります。しかし、その中の一人である日織皇子(ひおりのみこ)は、実は女なのです。

 この国では、女は龍の声を聞く。しかし、生まれながらにその能力(ちから)を持たない者は、遊子(ゆうし)と蔑まれ、存在を消される定め。そのために日織は姉を失いました。一方、男が得てはならない力があります。それらの能力を「もたざる者」と「もってしまった者」を待ち受けるのは残酷な掟です。日織は、次の皇位に就いてこの国を変えるために、自らの性を偽り、皇尊となる決断をするのです。
 一見、ファンタジックな設定の国盗り物語かと思いきや然に非ず。全ては、「命」を護るための「覚悟」なのです。
 主人公の日織のみならず、一人ひとりが背負う宿命に立ち向かう姿が深く丁寧に描かれています。それぞれの悲痛な覚悟は、現代の閉塞感を抱える世の中を生きる人の心に、熱い勇気を注いでくれる物語です。
 そして、イラストレーター千景が描く装画の美しさもまた、圧巻です。

 野望渦巻く覇権よりも深淵な、人としての生き様を問う男女逆転宮廷絵巻。天地揺るがす圧倒的な物語の世界を、お楽しみください! 

●特設サイトでは、物語概要、登場人物紹介、応援メッセージなどを紹介しています。
→特設サイトはこちら

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2021年09月15日   今月の1冊
  •    
  •