欠陥住宅、買っちゃったかも......!? 原田ひ香『そのマンション、終の住処でいいですか?』は 隅々まで身につまされる小説です。
『三千円の使い方』が大ヒット中の原田ひ香さんの最新作『そのマンション、終の住処でいいですか?』は、とあるマンションが舞台。有名デザイナーが都内の一等地に建てたそのマンションは、これまで真面目に生きてきたとある家族にとってはご褒美のような終の住処になるはずだった。しかし、蓋を開けてみると――。
欠陥住宅だとわかっていながらも、有名デザイナーが手がけたというバリューを捨てられない人たち、有名デザイナーの天才ぶりに振り回された人たち、その家族、その師弟。増えていく登場人物たちの思惑は千々に絡まり合う。
「マンションを建て直す」ということがどうしてこんなにもままならないのか。
読む人誰もが身につまされるであろう、マンション問題あるあるがぎっちり詰まったエンターテイメント小説の登場です。
2022年02月15日 今月の1冊