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いま注目の才能! 江國香織や池澤夏樹も推薦する、名文エッセイ。


 漢詩? 中高生の時にやった、あの、ちょっと難解で、すこし退屈だったもの。
 そう思う方にこそ読んでほしい文庫が完成しました。

 著者は南フランス、ニース在住。俳句でいくつかの賞を受けている俳人ですが、その素性はよくわかりません。けれども、『いつかたこぶねになる日』をひとたび開けば、とてつもなく美しい文章の使い手であることはただちにわかります。

「世界を愛することと、世界から解放されること――詩はこのふたつの矛盾した願いを叶えてくれる」。そう語る著者が、大好きな漢詩を翻訳しながら、日々考えたことを綴った31編のエッセイが詰め込まれているのが、本作。
 地中海を眺めながら過ごす日々の暮らしに、杜甫や白居易、夏目漱石らの詩が混ざりあうとき、これまで見ていた景色が新たに彩られて心がはずむのを感じます。

 漢詩ってこんな面白さがあるんだ。
 日常生活の隣に置いて、愉しむことができるものなんだ。
 そんな新しい発見に満ちた、まったく新しいエッセイ集です。

 その俳句の才能を谷川俊太郎さんが認め、今回江國香織さんが帯文を寄せ、池澤夏樹さんが書評で応援してくださいました。また文庫化にあたり、哲学者の永井怜衣さんによる鮮やかな解説文も収録しています。
 ただ美しい文章に触れるよろこびが、ここにある。ぜひ、極上の読書体験を!

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2023年11月15日   今月の1冊
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