ホーム > 雑誌 > 雑誌詳細:新潮 > 雑誌詳細:新潮 2007年5月号

◆カデナ(新連載長篇小説)/池澤夏樹

新潮 2007年5月号

(毎月7日発行)

943円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2007/04/07

発売日 2007/04/07
JANコード 4910049010570
定価 943円(税込)

◆カデナ(新連載長篇小説)/池澤夏樹
 B-52の爆音とともに、「戦争」が始まる。
 嘉手納(沖縄)、ハノイ、東京の三都市で。
 1968年に。著者初の文芸誌長篇連載。

◆グレート生活アドベンチャー(110枚)/前田司郎
 『恋愛の解体と北区の滅亡』で文学シーンの
 度肝を抜いた新鋭が描く現代の愛と大冒険。

◆儀式(プジャ)(110枚)/中上 紀
 なぜ男は何も告げず祖国に戻ったのか。
 東京の今ここに広がるアジアの濃密な闇。

◆さめながら見る夢/辻 仁成

◆首都/長野まゆみ

◆ネバーランド(5)/藤野千夜

◆ダンシング・ヴァニティ(第2部 130枚)/筒井康隆
 ネット時代の身体と言語を発明する超野心作、さらに大展開!

■連載小説
・決壊(七)/平野啓一郎
・太陽を曳く馬(八)/高村 薫
・神器―浪漫的な航海の記録―(十七)/奥泉 光
・城砦(二十二)/加賀乙彦

■憂鬱な国――三島由紀夫『文化防衛論』を再読する/小林敏明

■1000の宣伝とバックベアード/佐藤友哉

■ここにある小説の希望――小説をめぐって(三十一)/保坂和志

■出ふるさと記X――逃走・坂口安吾/池内 紀

■見えない音、聴こえない絵(39) 見えない秘宝/大竹伸朗

■新潮
・風の声 竹の声 時の声/森内俊雄
・泥棒の力/田中慎弥
・中野幹隆の死―またはグーテンベルク銀河系の黄昏/小林龍生

■本
・日和聡子『火の旅』/小池昌代
・青野 聰『海亀に乗った闘牛師』/小林紀晴
・D・ミッチェル『ナンバー9ドリーム』/小山太一
・岡田利規『わたしたちに許された特別な時間の終わり』/古谷利裕
・綿矢りさ『夢を与える』/豊崎由美

■連載評論
・明治の表象空間(十四)/松浦寿輝
・極薄の閾のうえを(十五)/磯崎 新
・〈記憶〉の中の源氏物語(三十三)/三田村雅子

◆第40回《新潮新人賞》応募規定
【新選考委員】浅田 彰/桐野夏生/福田和也/町田 康/松浦理英子

編集長から

池澤夏樹「カデナ」

 新しい物語が始まる。嘉手納(沖縄)、ハノイ、東京の三都市で同時に。1968年に。戦闘機の耳をつんざく離着陸音が、街頭をうねる騒乱の地響きが、複数の言語による企みを秘めた囁き声が聴こえてくる。太陽のせいだけではない、時代そのものが魘されたように放つ熱が伝わってくる。池澤夏樹氏の新連載小説「カデナ」のスタートだ。
 現在はフランス在住の池澤氏だが、94年より10年間沖縄に暮らし、沖縄から世界を見続け、発言し続けた(参照http://www.impala.jp)。だが実は、そんな氏にとって、沖縄を作品の主要舞台として描くのは本連載が初のものとなる。しかも文芸誌に長篇小説を連載するのも初めてのこと。代表作『マシアス・ギリの失脚』で拓かれた池澤流マジック・リアリズムが、〈9・11以降〉の想像力により一段と深みを増し、小誌の毎月の誌面を発熱させるはずだ。ご期待いただきたい。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞