【100年保存大特集】創る人52人の2011年日記リレー
新潮 2012年3月号
(毎月7日発行)
発売日 | 2012/02/07 |
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JANコード | 4910049010327 |
定価 | 特別定価996円(税込) |
創る人52人の2011年日記リレー
「おれたち、いい時代に生まれたのかな」悲哀と奇想に彩られた震災奇譚。
“日常”がフリーズしたら船に乗れ。3・11以後を異化する想像力の飛翔!
恋愛とはすなわち雑用である。不要でなく雑用。なのにオトコが現れる。
第九回・腕を上げ光り出せコラ、まるで泥から芽出す蓮の花――小林勝行
第十四回・観察(者)について(その2)
第二十一回・イノベーション都市を目指すニューヨーク
鉄道が作った国――デニス・ジョンソン『列車の夢』
第九十四回・冥土景
・青山七恵『あかりの湖畔』/江南亜美子
・諏訪哲史『領土』/富岡幸一郎
・佐々木 敦『未知との遭遇』/仲俣暁生
・岡井 隆『わが告白』/日和聡子
・なんで宇宙なんて行くの?/古市憲寿
・「三月の5日間」と胎動する熊本/九龍ジョー
・モスクワで海を見た/前田和泉
・満月の道(三)/宮本 輝
・フィルムノワール/黒色影片(二十六)/矢作俊彦
・還れぬ家(三十二)/佐伯一麦
編集長から
2011年日記リレー
あの1年――日本という国と私たちの生にとてつもない激震が襲った2011年を、創る人たちはいかに生き、何を思い、何を創造したのか? その記録は私たちにとって、さらには未来の日本人にとっても意義深いものになるはずだ。
小誌は文芸誌として文学的想像力の最先端を読者に示したいと願っている。だが同時に、いわば「文明誌」として、〈人間の営み〉まるごとを〈言葉〉を通じて表現したいと欲望している。1年がかりで総力編集した成果を読者と共有できれば幸いである。

バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。
■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。
■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。
■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。